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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』358号
2008年 6月 16日
『声と眼』
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次々と、年金からの“天引き”

 今年度から後期高齢者医療制度の保険料の年金からの天引きが始まり、さらに現在開かれている市議会6月定例会に、2009年度から住民税の天引きを開始する条例改正が提案されています。
これで、所得税、介護保険料、後期高齢者医療保険料、国保保険料、住民税と、次々と年金からの「特別徴収」=天引きとされることになります。

◆所得税の源泉徴収 対象者は、65歳未満で年金108万円以上の者と65歳以上で158万円以上の者。
◆2000年度から介護保険料 65歳以上の第1号被保険者で、年額18万円以上の受給者。
他の天引きと合わせて年金額の1/2を超えている場合も介護保険料は天引きされる。
久喜市内では対象者1万1000人で、月額平均3300円が天引きされている。
◆2008年度から後期高齢者医療保険料 75歳以上などの被保険者で、年金額18万円以上の者。1人月額平均約6000円以上の保険料が個人の年金から天引きされる。
ただし介護保険料と後期高齢者医療保険料が合わせて年金額の1/2を超える場合は天引きしない。
◆2008年度から国民健康保険料 世帯内の国保被保険者全員が65〜75歳の世帯の世帯主で、年金額18万円以上の者。
世帯主の年金から世帯分の保険料を天引きする。ただし介護保険料と国保保険料が合わせて1/2を超える場合は天引きしない。
◆2009年度から個人住民税 65歳以上で年金額18万円以上の者。
ただし税額が老齢基礎年金等の額を超える場合は天引きしない。(他の天引きと合わせて1/2を超える場合でも天引きされる)。

“徴収効率”の向上が目的

 これらの天引き=特別徴収とした目的について政府は、「徴収効率の向上、高齢者に関わる納税利便性の向上」と説明しています。
しかし税金や保険料は、納税者や被保険者がみずから「税(など)を支払う」という意識をもって納めるのが本来のあり方です。それに対して年金からの天引きは、納める側の負担感を減らし、徴収する際の事務や手続き、滞納者に対する通知や徴収の事務量を減らすという、徴収する側の都合で徴収しやすくするというのがねらいと言わざるをえません。

 国保と後期高齢者医療の保険料は、介護保険料と合わせて1/2を超えた場合は天引きしないことになっていますが、それ以外の所得税や市民税、介護保険料はそうした規程はありません。
高齢者の納税利便性の向上といいながら、少ない年金支給額から次々に天引きにされていった場合、高齢者の生活基盤を崩すことになります。

 天引きなら取りっぱぐれがないからといって、本人の意志に関係なくいつのまにか差し引かれているという形ではなく、「天引き」か、みずから納付するかを選択できるようにすべきではないでしょうか。また、年金から勝手に差し引くのではなく、公共料金などと同様に本人の意志によって口座振替で納付できるようにすべきです。


久喜小に独立の学童保育施設

 久喜小学校の学童保育施設は当初、校舎内の余裕教室の活用を検討してきましたが、希望する児童が80人くらいと予想されていて、必要な2教室分が確保できないため、校舎の北側に新たに鉄骨プレハブで建設することになりました。
児童福祉課は、学童保育事業だけでなく、空いている時間は少子化対策で、保護者と子どもたちの交流を行う“つどいの広場”事業など、子育て支援事業の拠点施設としても活用する方針です。

 清久小学校、江面1小は利用者20人以内と想定して、空き教室を改造して他の教室と区分できるようにして活用する計画です。清久小の施設は今年秋、久喜小と江面1小は来年4月オープンをめざします。


6月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

身障者用駐車場利用証の制度

 市内の公共的施設などにはだいたい身障者用駐車スペースが設置されていますが、『ちょっとの時間だけだから』『空いているからいいだろう』と、対象外の人が駐めてしまうことがよくあります。
車いすなどでは通常の広さでは乗降がスムースにできないので、身障者用駐車場は普通よりも1.5倍くらい広くなっています。
それを歩行困難でもない人に占有されて困っています。

 これを防止するために、「身障者用駐車場利用証」制度が広がっています。
障害者や高齢者、妊婦やけがをした人など、歩行困難な人からの申請で「利用証」を発行して、車の前面に置いてもらい、利用証のない車は駐車を禁止するというものです。行政が公共施設をはじめとして病院、スーパー、金融機関などと協定を結んで、利用証で駐車できる身障者用駐車場を設置してもらいます。

 これは単なる“規制”ではなく、運転者と駐車場管理者双方に対する理解の促進と意識改革を通じて、身障者用駐車場の設置拡大にもつながっていくと期待されています。

 久喜市でこの利用証制度を採用し、市内の公共的施設に身障者用駐車場に適用を拡大していくよう求めました。
市は「有効な制度なので導入を検討していきたい」「市の公共施設から取り組みを始めて、民間施設にも拡大し、周辺自治体にも拡大していく必要がある」と答弁し、積極的に制度を創設していく方針を明らかにしました。今後、できるだけ早く実現させていきたいと思います。

職員や市長の退職金制度、見直しを

 久喜市では職員の退職手当支給は独自の制度でなく、県内市町村で構成する「埼玉県総合事務組合」で共同事務を行っています。これに加盟している市町村は毎年負担金を拠出し、事務組合の基金から退職金が支給されていますが、最近、団塊の世代の退職者急増に伴って負担金も急増しています。負担金と支給額の合計は次の通りです。

負担金 退職金支給額
2003年 3億0647万円 2億1086万円
2007年 4億3026万円 4億9734万円
過去20年間の合計 43億1943万円 37億8126万円
2011年(試算) 5億1600万円 5億1000万円
今後10年間の合計 50億5900万円 50億9800万円

 一方、市長等の特別職の退職金もこの事務組合で扱っています。
過去5年間の特別職の分の負担金2744万に対して退職金支給額4506万、過去10年分の合計では負担金4598万に対して支給額9080万円で、退職金支給額が負担金を大幅に上回っています。
これは市長等特別職の退職金は[給料月額×在職月数]を基準として算定され、4年の任期満了ごとに支給される規程になっているためです。
(市長の1期ごとの退職金は推定約1900万円)

 長期的に算定してみると、久喜市職員の退職金支給額は負担金額を下回っていて、事務組合を脱退した場合、今までの積立金から5億3900万円が還付されることになります。
また市長等特別職の退職金支給率は事務組合で決められていますが、本来は各自治体の実情に応じて独自に決められるようにすべきではないでしょうか。

退職金支給事務について、総合事務組合にこのまま入っていた方がいいのか、脱退して独自に退職金を積み立てていったらどうかなど、メリットとデメリットを検討していくべきではないでしょうか。
市では「脱退したら独自に事務をやらなければならなくなる。市単独の退職金制度を、事務組合に準じて作るとすれば収支は変わらない」として、このまま継続していく方針です。

審議会等の委員報酬の基準は

 市の審議会等の委員には報酬が支給されていますが、今年設置された市内循環バス検討懇話会の委員報酬は無償とされました。
他に、健康体力づくり市民会議、道路愛称選考委員会の委員も無償となっています。
報酬の判断基準について質問しました。
市は、委員報酬は個別に判断するとしていますが、今後、行政と市民の協働や専門性などを考慮して、有償・無償の基準を作っていくべきではないでしょうか。

★今議会は議長を除いて21名全員が一般質問に立った。3日間とも朝9時から午後5時半頃までみっちりだった。★



久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』357号
2008年 6月 2日
『声と眼』
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久喜小などに学童保育所建設

 これまで太田小、東小、青毛小、青葉小、本町小、北小に学童保育施設が設置され、運営は久喜市学童保育運営協議会に委託されています。
清久小でも保護者らの運動によって今年10月から学童保育所を開設することが決まり、今年度当初予算に1400万円の工事費が計上されました。

 その他の小学校では、江面1小の近隣に江面児童クラブが昨年開設され、久喜小、清久小などの児童は久喜児童クラブで学童保育事業を実施していて、いずれも社福法人・春洋会(はるみ保育園)が経営してきました。
ところが昨年、県の監査で“不適切な運営”が指摘されて、過去5年分の県からの補助金1350万円を返還するとともに今年度の補助金が出ないことになってしまいました。
このため、久喜児童クと江面児童クの運営も学童保育運営協議会に委託替えすることになりました。

 施設も久喜小と江面1小の敷地内に自前の学童保育所を開設することになって、6月議会に設計・工事費4193万円の補正予算が提案されました。
来年度からは新しい施設でスタートします。


市議会活性化を推進します

 久喜市議会活性化対策特別委員会は5月19日までに9回の会議を重ねました。これまでに合意した議会改革の主なものは次の通りです。

【開かれた議会の促進のために】

◆年1回、2月定例市議会の代表質問の日を日曜議会とし、来年2月議会から実施します。…大地は定例会ごとに一般質問の内1日を休日に開催し、市役所以外の会場で開く出張議会とするよう提案していましたが、当面は年1回の日曜議会を開催することで合意しました。
さらに回数を増やすかどうかはその後の検討課題となりました。
◆子どもたちの議会への関心を高めるために、教育委員会を通じて小中学生の議会傍聴を働きかけることになりました。
◆会派が政務調査費で実施している視察の報告書(概要)を市議会のホームページに掲載することにしました。
◆年間の議会の経過や審議内容をわかりやすくまとめたパンフレットを作成して学校や図書館などに置くことになりました。

【議員の政策立案機能の向上のために】

◆現在は年2回の議員研修会を増やすことになりました。日帰りの先進地視察または講師を依頼しての勉強会です。
◆年4回の定例会で開かれる委員会に、所管の審議会等の開催や審議状況を報告させるようにしました。
◆閉会中にも常任委員会を開催して調査活動を行い、委員会の活動を強化します。これらによって委員会が行政の動きを日常的に把握できるようにしていきます。

【政務調査費の透明性を高めるために】

◆議会内に使途などのチェック機関を設置します。
◆年1回、監査委員に全体を通してチェックしてもらうことにしました。
◆さらに、議長に政務調査費の使途や領収書などの調査権限を付与して、適正な使い方を徹底していきます。

本会議のネット中継など継続協議

 この他、下記の提案事項についてはまだ合意に至っていませんが、さらに継続協議していくことになっています。
第10回活性化委員会は6月18日(水)午後1時から開かれる予定です。だれでも自由に傍聴できます。

▲議会の監視機能を強化するため、市の基本計画などを議会の議決事項とする
▲議会基本条例の制定
▲政務調査費の増額
▲本会議をインターネット中継および録画で家庭などのパソコンで見られるようにする
▲市役所ホールなどに議員の在庁プレートを設置し、議員の所在が確認できるようにする
▲会議と同時進行で会議録を作成できるシステムを導入し、会議録を短期間で作成、公開する

久喜市議会各会派の政務調査費、2007年度分報告書が出そろいました

 市議会の各会派に、議員1人あたり月2万円の政務調査費が交付され、使途報告書を提出しています。
2007年度(市議選後5月分から)の各会派の最終報告書が出そろいました。
大地、公明党、改進は支出が交付額を上回り、超過分は自己負担していますが、新政議員団、共産党、無会派の3議員は余剰金が生じたので市に返還しました。

 久喜市議会では報告書にはすべて領収書が添付されていて、だれでも議会事務局で閲覧できます。
各会派の年間の収支は以下の通りです。

2007年度の政務調査費の使途、各会派の報告書

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