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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』326号
2006年 12月 18日
『声と眼』
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11月定例市議会 
市民参加条例に質疑が集中


 12月7日の本会議で、10人の議員が議案に対する質疑に立ちました。特に市民参加条例については6議員から質疑が集中しました。

 私は、
@条例案では市民参加の方法として、審議会等での審議、市民意見提出制度、市民説明会、ワークショップ、市民政策提案制度が規定されているが、最大の市民参加である“住民投票”の制度についても規定しておくべきである。
A審議会等の委員について公募委員、男女委員の割合を30%以上と規定しているが、全体でなくそれぞれの審議会等ごとに30%以上とすることを明確にすべきである。
B条例では“市民”の定義を、市内に居住する人だけでなく、通勤・通学者、市内で事業を営む者、市内で活動する者も含むとしているが、審議会等の委員に応募する資格は「18歳以上で市内に居住、通勤、通学する者に限る」としているのはなぜか。事業経営者などをはずす必要はないのではないか、などをただしました。

 当局は、
◆「住民投票制度については自治基本条例で規定しているので、この条例で規定する必要はない」と答弁しましたが、審議会等や市民意見提出制度は自治基本条例、市民参加条例の両方に明記しているのに、住民投票制度についてだけはずす理由にはなりません。もしかして、久喜市のホンネは住民投票をやりたくない?
◆審議会等の委員の割合は、現在は公募委員が30%未満の審議会等は24、男女のいずれかの委員が30%未満は10ありますが、公募委員、男女委員とも「各審議会等の委員を選任する際にそれぞれ30%以上とする」と各審議会ごとの割合であることを確認しました。
◆審議会等の委員は、「市内に居住、通勤、通学し、常時久喜市に関わりを持っている人に限った」と、応募資格を狭めた理由を説明しましたが、それが理由になるのか疑問が残ります。

市民政策提案制度は“13歳以上”に制限

 市民政策提案制度は、「13歳以上の市民5人以上の連署」で提出することができるという新しい制度です。また、市民参加推進員は13歳以上の市民を対象にして公募し登録する制度です。

 これに対して、岸議員は「子どもは大人になるまでの準備期間であり、責任能力がない子どもに政策判断させるのはどうか」と疑問を提起。
また鈴木(松)議員は「日本の社会では20歳未満は子どもである。
子どもは責任が取れない。保護の対象である」として、政策提案制度に子どもの市政参加を認めることに反対を主張しました。

 一方、松村議員が、子どもの権利条約第12条で子ども自身がみずからに関係する事項についての意見表明権を保障していることをあげて、「政策提案制度を13歳以上の子どもだけ認めて、13歳未満は制限するのはどうか」と質疑しました。

 日本は1994年に子どもの権利条約を批准しており、「条約」は国内においても発効・適用されますから、当然、すべての子どもに「意見表明権」が保障されています。
したがって子どもの権利条約を遵守する立場に立てば、政策提案制度や市民参加推進員の「13歳以上」という制限ははずすべきで、なぜ年齢制限を設けたのか疑問です。
−そもそも、子どもも一人の市民であって、大人と同様にあたりまえのこととして、学校のことや久喜市政に対して意見を言う権利を持っています。
選挙権の有無や年齢によって区別されることはありません。
(もちろん、その意見を採用するかどうかは内容によって判断されます。それは大人でも同じことではないでしょうか)。

★日の総務委員会で、市民参加条例の4月施行後に「早期の見直し」を求める付帯決議が可決されました。条例が施行されてもいないのに「見直し」を求める、というのは異例です。★

障害者施設の指定管理者を変更

 これまで知的障害者施設いちょうの木(定員40人)は久喜市社会福祉協議会、けやきの木共同作業所(19人)は社会福祉法人啓和会に管理運営を委託してきましたが、この2つの施設の管理者を入れ替えることになりました。

−来年4月からは、啓和会がいちょうの木の管理、社協がけやきの木の管理運営にあたることになります。
管理者を交換する目的は“コスト削減”です。
 いちょうの木は今年度は市職員1人、社協職員9人と臨時職員7人を配置していますが、啓和会に変更すれば正職員8人と臨時6人になり、市からの管理費支出を1900万円削減できるとしています。
一方、けやきの木は今年度は啓和会の正職員4人と臨時4人ですが、変更後は社協の正職員8人となり、市からの管理費は1000万円増額となりますが、両施設で差し引き900万円の削減という計算です。(当面は暫定的にいちょうの木に臨時職員を増員配置するので2007年度の削減額は900万円)。
−こんなに経費を削減できる理由は、いちょうの木の管理運営にあたってきた社協の職員給与は市職員に準じていて減らすのは困難ですが、啓和会の方は市の支出の範囲内で人件費などの大幅な削減が可能となるのだといいます。

 職員を低賃金労働者に入れ替えることによって管理費削減を図るというやり方でいいのか。
施設で働く人や入所者にしわ寄せさせることになるのではないか。
またそれぞれの施設に通う障害者とこれまで介助にあたってきた職員との信頼関係や人間的つながりはどうなるのか。
行財政改革とはいえ、割り切れない思いが残ります。


11月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

公民館等の“有料化”はどうなる

 市は「第4次行財政改革実施計画」で、公民館等の公共施設の「有料化」を打ち出しました。
現在は、市民団体等が使う場合は基本的に使用料免除となっていますが、市では今後は「経費について適切な費用負担を求める」としています。
しかしこれまでの検討経過はまったく明らかになっていません。
そこで、当局の検討内容や減免の考え方などの方針を明らかにするよう求めました。
また、減免の基準などを市民団体、関係団体と協議していくべきだと主張しました。
 当局は、「全面的に有料とするか、免除をどうするかなど、まだ結論が出ていない。実施時期も決まっていない」
「来年の3月くらいまでに市の方針を決定し、その後、市民活動団体などに説明し理解を得ていく」と答弁しました。

 “原則有料化”はやむを得ないとしても、利用の目的によって“減免”規定を設けるべきです。
たとえば子育て支援やボランティアなどの活動の場を保障して市民活動を促進していくために配慮するのはあたりまえではないでしょうか。
ーまた、市は“市民に対しては、決定してから説明すれば足りる”と考えているようですが、そういうやり方は「市民参加」に反します。
決定前に市民と協議するよう、強く求めました。

市外の障害者も循環バス“無料”へ

 市内循環バスは、障害者は事前に申請すれば無料乗車証を交付されます。
しかし現在は市外に住んでいて市内の障害者施設や病院などに通っている障害者は対象外で有料になっています。
−たとえば久喜養護学校に通う生徒たちがいっしょに循環バスに乗る場合、市内に住んでいれば無料、市外から通学している生徒は有料となってしまいます。
本来は障害者の社会参加の機会を拡大する人権保障のために、公共施設や公共交通機関の減免制度があるわけですから、障害者は住んでいるところに関係なく、等しく無料とすべきです。
 9月議会に質問したときには、田中市長が“他市の循環バスを久喜市民の障害者に無料にしてもらえれば、久喜市の循環バスも無料にする”という「互恵主義」を主張していました。
その後、周辺市町とも協議した結果、私が当初から求めていたように、市外の障害者にも対象を広げ、申請すれば無料乗車証を発行することになりました。
来年4月から実施することになります。

★公務員動員、日当付き、やらせ発言、台本・謝礼付き、好ましくない人を事前に排除、エレベーター操作2万円、総額20億円、世論操作・偽装のインチキ芝居。政府のタウンミーティング。★
久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』325号
2006年 12月 4日
『声と眼』
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11月定例市議会始まる
市民参加条例、市民活動推進条例

 2005年に施行された久喜市自治基本条例に基づいて、2つの条例が提案されました。

市民参加条例

「市民」は市内に居住・通勤・通学する人、市内で事業を営む人、活動する人すべてが対象です。
主な内容は、
▼市民全体の利益のために、自分の発言と行動に責任を持って市民参加する「市民の責務」、情報提供、情報共有、説明責任、市民の意向を尊重する「市の責務」を定め、
▼基本構想、基本計画、市の基本方針を定める条例、市民に義務を課し市民の権利を制限する条例、市民生活に重大な影響を及ぼす条例などは市民参加で進めていくこと。ただし市の機関内部の事務処理に関するもの、市税や手数料条例などは市民参加の対象外となります。
▼市民参加の方法は、審議会、市民意見提出制度(パブリックコメント)、市民説明会、ワークショップ、市民政策提案制度などで、
▼審議会等の委員は公募委員を30%以上、男女いずれも30%以上。
▼市民政策提案制度は、市が募集を実施する他、13歳以上の5名以上の市民の連名で、「自発的に」提案することもできます。
▼13歳以上の市民から公募し、市民参加推進員を登録する、
▼毎年度、市の市民参加計画を策定することなどです。

市民活動推進条例

▼市民活動は「市民がコミュニティを通して公共的課題を解決することを目的にして行う自発的かつ自主的な活動」と定義して、市が市民活動を推進するために、
▼財政的支援、場所の提供、情報提供・学習の機会の提供、人材の育成、交流と連携、市民活動の実態調査と把握の施策を実施する、
▼市民と市が協働して事業を推進する場合、協定を締結し公平性、透明性を確保して進めることなどを定めています。


市の機構改革、たった2年で?

 久喜市では2年前の機構改革で企画財政部を新設したばかりですが、来年また組織改編するための部設置条例改正が提案されました。
▼企画財政部を今度は「財政部」に変更し、
▼企画政策課が総務部に移行、
▼財政部に改革推進課を新設。
▼総務部の税務課が財政部へ移行し、納税課を新設。
▼生活安全課を分けて市民参加推進課を新設。
▼教育委員会の市民スポーツ課が生涯学習課に統合。
▼係制を廃止し、グループ制を導入します。

コンピュータシステム変更に430万円

 組織改編に伴って、コンピュータシステムの変更が必要になるそうです。
税務課・納税課、企画政策課の部の異動などにより、システム上の部課名や決裁区分の変更をしなければならないということで、そのためにかかる費用はおよそ430万円!
たった2年で機構改革をして、そのためにこんなに税金を使わなければならないのでしょうか。


衛生組合と消防組合の議員定数削減

◆衛生組合議会の定数を、現行20名から14名へ削減。2007年5月の市議選後から、久喜市と宮代町それぞれ7名ずつとなります(現在各10名)。
◆消防組合議会の定数を、現行24名から18名に削減します。久喜市は来年の改選後から6名(現在8名)に削減し、鷲宮、菖蒲、栗橋、宮代町はそれぞれの選挙後から各3名(現在4名)とします。


★地方自治法の改正で、「助役」は来年4月から「副市長」に名前が変わります。★


久喜市議会 各会派の政務調査費の使途報告書
大地の支出明細

市民が作る「議員評価」とは何か

 11月25日、東京の豊島区民会館で、「議員評価」をテーマにした公開シンポジウムが開かれました。
主催は開かれた議会をめざす会という市民団体で、各地の市議会で、議員の活動を市民の目で監視し、「議員の通信簿」を作成して選挙に生かしていこう、という取り組みです。

 「議員評価・そのあり方と使い方」と題した講演の後、「つくろう!使おう!『議員の通信簿』」というパネルディスカッションが行われました。
相模原市議会をよくする会、多摩市議会ウォッチングの会、千葉県議会議員の吉川ひろし氏、そして私もパネリストとして招かれ、『声と眼』やホームページで、「議員の発言実態調査」、議会ごとの「全議案と会派の賛否」、「政務調査費の使途報告書」など、議会と議員の活動実態を市民に知らせていることをお話ししてきました。

 相模原市議会をよくする会と多摩市議会ウォッチングの会は、議会傍聴を続け、議員1人1人の活動状況や公約、質問内容を精査して、市議選の時に「議員の通信簿」を作って公表しています。
−全議員について「◎」「▲」「評価不能」などの総合評価。「説明・説得力」「改革姿勢」「意欲・態度」「知識・調査力」の採点表。
各議員の公約と質問、質問内容、時間などの一覧表。
これらの客観的な“評価”に加えて、ウォッチャーたちの討論によって、『会議中の居眠り』『政治センスに疑問符』『会派お仕着せのテーマの一般質問』『市側が安堵する議員』『勉強や意欲に欠ける』『議員特有の特権意識だけは高い』『一般質問の回数は最低』『議会改革意欲なし』『原稿棒読み』など歯に衣着せぬコメントも掲載しています。

 実際に、こうした「通信簿」を公開することによって、選挙の際の市民の選択に影響を与えていることもあるといいます。
確かに、こういう市民が毎回議会を見に来ていれば、議会や議員もみずから改革せざるをえなくなるでしょうね。

 シンポジウムでは、議会の機能の向上、議員評価の客観性の確保、議員の“通信簿”の活用、議員評価の運動を各地の自治体議会にも広げていくことなどが話題になりました。


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