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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』307号
2006年1月30日
『声と眼』
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2006年 2月定例議会の日程
開会
31 9時 代表者会議
9時 議会運営委員会
一般質問の通告締め切り(午後3時)
14 9時 本会議開会、市長の施政方針演説、議案提案、説明
27 9時 市長の施政方針に対する代表質問
(1)新政議員団・岡崎、(2)市民力21・須藤、(3)公明党・角田、(4)大地・春山、(5)共産党・木村
28 9時 市政に対する一般質問(1日目)
(1)原、(2)須藤、(3)松村、(4)福垣、(5)井上、(6)岸
9時 市政に対する一般質問(2日目)
(7)石川、(8)猪股(9)荒井、(10)稲木、(11)砂川(12)木村
9時 市政に対する一般質問(3日目)
(13)春山(14)岡崎、(15)戸ヶ崎、(16)角田、(17)柿沼
9時 議案に対する質疑
9時 総務委員会(1日目)
9時 健康福祉委員会(1日目)
13時 総務委員会(2日目)
10 9時 健康福祉委員会(2日目)
13 9時 建設文教委員会
14 9時 市民経済委員会
22 9時 委員会審議の報告、討論、採決

幸手総合病院の移転問題
JAから、50億円の財政支援要請

 幸手総合病院の新築・移転問題で、田中市長が久喜市内への誘致を明言し、幸手市やみずほ農協管内の町は「反対」の姿勢で対立しています。これまでにJAでは、久喜市と幸手市の“条件”次第でどちらに建設するか判断するという方針を明らかにしていました。
 1月11日には、JA埼玉厚生連から久喜市に対して、『新病院新築移転にかかる財政支援要請について』の文書が提出され、「幸手総合病院の移転、新病院整備にあたって、50億円の財政支援を求める」という要請がありました。
 なおJA厚生連と久喜市は、9月以降、4回の「事務打合せ会議」を重ねてきています。その中ですでに久喜市側から、“誘致に際して相当額の財政負担をする”ことを申し入れていた模様です。
 JA側では移転整備にかかる総事業費の見こみ150億円の内、「50億円を久喜市からの財政支援でまかないたい」ということですが、幸手市に対しては19日になって同じ内容の『要請書』を提出しており、どちらの市が、“要請”に応えられるかで、移転(建設)場所を決める方針のようです。

JA厚生連からの要請書の概要

▲幸手総合病院は、現状では救急の対応がむず かしいことや高度医療ができないなど、公的医療機関としての役割を果たせなくなっている。
▲また、建物の老朽化、関連大学からの医師派遣もむずかしくなっており、新病院の建設が緊急の課題となっている。
▲新病院は、久喜市、幸手市、宮代町、白岡町、菖蒲町、栗橋町、鷲宮町、杉戸町の2市6町を圏域とし、新病院の病院機能としては、急性期の入院医療に特化して、救急、救命、周産期、ガン治療を3本柱とした病院が必要である。

病院整備計画

@計画では、
   18年度に基本計画の策定、
   19〜20年度に基本設計と実施計画の策定、
   21〜22年度に建設工事、
   23年度に開院
A規模は当面は192床とし、今後の地域医療計画見直しの中で、300床までの増床を予定する。
B診療科目は12科…内科、小児科、神経内科、外科、整形外科、脳神経外科、産婦人科、眼科、耳鼻科、泌尿器科、リハビリテーション科
C敷地は4万u、4階建て、市街化調整区域で、道路や駅からのアクセスの便利な場所
D総事業費は、土地、周辺整備を含め,150億円

財政支援の要請金額

 新病院新築移転にかかる費用の内、50億円の財政支援を要請する。
  回答希望期日…2月15日

財政など、検討課題は多い

 総合的病院誘致への市民の期待はますます大きくなっています。一方で久喜市の財政状況にも考慮しながら、今後、総合病院実現までに、多くの課題を検討していかなければなりません。
@JAからの支援要請額である50億円全額を支援するのか。−いつ頃、(何年間で)、どのように支出するのか。
A久喜市の財政計画との整合性はどうなるのか。50億円満額の負担ができるのか。
 現在の久喜市の財政見通しは、05年度から3年間の財源不足額(赤字)が53億円にのぼると試算され、現在、「行財政緊急改革計画」や第4次行政改革実施計画などを策定して、徹底した財政の見直しを進めていますが、これにさらに50億円の負担が加わって、久喜市の財政が耐えられるのか。
 財源をどのように確保するか、明確な財政計画のもとに進める必要があります。市民税の増税や、他のサービス低下と引き替えにすることは許されません。
BJAの整備計画では「用地費や周辺整備費を含めて、総事業費150億円」となっていますが、その内訳、積算根拠は明記されていません。
 はたして150億円でできるのか。実際には、建物の建築費と医療機器の整備だけで150億円はかかるのではないかという見方もあります。
Cまた、用地費と周辺整備費をいくらと見込んでいるのでしょうか。
 以前、理科大誘致の時は、用地買収費は実質的に市が負担し、周辺整備も市が実施。合わせて市の支出が60億でした。
 今度も、実質的に市が用地確保と周辺整備(ほぼ50億円程度?)を行ってJAに協力する形になるのか、それとも久喜市が50億円をJAに提供して、用地買収も周辺整備もJAがやるのでしょうか。
D新病院は将来は300床まで増やす予定としていますが、県の医療計画で増床はたいへん厳しい状況です。
 現在の幸手総合病院は192床ですが、200床程度では病院経営は成り立たないといわれ、新病院開設後も相当期間は赤字経営は必至です。
 それらの経費に対して、久喜市が“財政支援”負担を求められることはないのでしょうか。その見通しも明らかにしておかなければなりません。
E「50億円の支援」が、幸手総合病院を久喜市内に移転する「条件」なのでしょうか。
 JA側は、「50億円を約束すれば移転する。さもなければ移転しない」、あるいは「久喜と幸手とで、多く出す方に建設する」ということでしょうか。こうした「てんびんにかける」やり方に対して、幸手市などからは強い反発も出ています。
 また、みずほ農協管内市町(幸手、杉戸、鷲宮、栗橋)の理解を得ずに進めてしまって、久喜市が近隣市町の反感を買い、将来的に広域行政に悪影響を及ぼすのではないかと懸念されます。
F久喜市が50億円の財政負担で、総合病院を誘致した場合、久喜市民は救急の際などに、他へ回されたり、夜間などに「体制がないから受け入れできない」というような事態は解消できるのでしょうか。
 JAと久喜市との間でそうした保証や協定を結んでおくことも必要ではないでしょうか。
 市民の期待に応えられる、真に健康を守ることのできる医療体制の整備、そのための総合的病院の実現が求められています。



「ヤスクニ」探検 その@

 1月8日、靖国神社へ行った。ヤスクニとは何なのかを確かめたい、4回目の訪問である。
鳥居をくぐると、拝殿の手前に“神門”がある。
これは他の神社にはない、靖国独得のもの である。
金色に輝く直径1.5mの菊紋が付いてい て、ここが天皇家の私的神社であることを表す。
そして境内に配置された,軍馬、軍犬、軍鳩の像、特攻兵士の像、兵器の数々。本殿の裏手には“軍人勅諭の碑”が鎮座している。
この位置は、拝殿 → 本殿 → 霊爾簿奉安殿の真後ろに当たる。明治以来の戦争で天皇のために死んだ人々が靖国の神々とされて、その名簿を“霊爾簿”という。
 だから靖国に祀られた人々は、死してなおいまだに軍人勅諭の碑に背後から睨み付けられている。
そしてまた、拝殿に参拝する人々は軍人勅諭の方向に向かって頭を垂れることになる。ところで靖国神社の案内図に、この軍人勅諭の碑だけが載っていないのはなぜか。
これが世を憚る、靖国の秘密だからであろう。



★「ヤスクニ」とはどういう場所か。死者を悼む場か。どういう死者をか。「軍人勅諭」は『我が国の軍隊は世々天皇の統率し給ふ所にぞある』の一節から始まる。★ 


久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』306号
2006年1月16日
『声と眼』
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「鉄道輸送力増強に関する決議」を否決
議会最終日、2時間の空転に怒りの声

 11月議会に、石川議員が「久喜駅の鉄道輸送力増強に関する決議」を提案しました。しかし3月の東武鉄道のダイヤ改正でこの「決議」の一部が実現する見通しとなったため、石川議員が『文章の一項目削除』を求めたところ、新政議員団と公明党が『決議自体を取り下げるべきだ』と言い出して混乱…、代表者会議や議会運営委員会が断続的に開かれ、本会議は2時間も空転しました。
 この決議は当初は全会派の議員が賛成の署名をし、署名した全員が『文章の一項目削除』を了承していたのですが、新政と公明の議員が急に『署名を撤回する』と態度を変更してきました。−決議の要望事項5項目の内、一部が「実現の見通し」になったからといって、要望そのものを否定するというのは理解できません。『今回のダイヤ改正で十分。もう改善は必要ない』ということになるのでしょうか。−ある議員は「東武にお礼を言うべきで、(これ以上求めるのは)失礼だ」とヤジを飛ばしていました。
 結局、採決では賛成12・反対12で“可否同数”となり、議長が「反対」に回って否決されました。

 この日、10数名の市民が本会議の傍聴に来ていましたが、説明もなく、延々と続く“休憩”に、当然のことながら、怒りの声があがっていました。

★最終日、傍聴の市民から「何のための休憩か、全く理解できない」と。−ーただ、傍聴者も、事務局や議員に説明を求め、議会運営委員会も傍聴してほしかった…。★


11月市議会・全議案と各会派の賛否

政府に対する意見書の内、共産党提出の2件と、大地の石川議員が提案した決議が、賛成12:反対12で賛否同数となった。この場合は、議長が裁定する規定になっていて、新井議長が『反対』に回り否決された。−新政議員団と公明党の「ためにする反対」としか思えない。


12月定例市議会   いのまた和雄の一般質問

積極的な市民活動支援策を

 市は「行財政緊急改革計画」の中で、「ボランティア育成事業の見直し」「補助金の見直し」を打ち出しています。現に、17年度のボランティア団体に対する補助金が年度途中になって削減されてきたため、すでに予算に計上して事業を実施してきた団体に影響も出ています。
 市が社会福祉協議会に委託しているボランティア育成事業補助金は17年度は200万円(40万円減)ですが、補助金を一律に削減するのでなく、ボランティアや市民活動の育成はむしろ積極的に進めるべきです。当局も「必要性は十分認識している。(育成のための補助金は)福祉基金から計画的に充当していく」「ボランティア補助金は現在の水準を下回らない形で基金を活用していく」と答弁しました。
 また、団体に対する補助金は、運営費補助から、事業費補助に移行していくことについても、新年度に市民活動支援条例を策定していくので、その中で検討していく考えを明らかにしました。

総合病院の誘致、具体的検討は

 「幸手総合病院の移転・誘致」問題について、さまざまな動きが出ています。−特に11月4日には、みずほ農協管内の幸手・杉戸・鷲宮・栗橋の首長・議長に対して、JA埼玉厚生連の会長が「説明」に訪れ、『久喜市への移転ありきではない』『幸手総合病院の経営が厳しく、なくすか、どこかに作るか』『当然ながらコンペになりますから、…どの位どこかの援助があるのか…』などの話もされています。……つまり、JAとしては、幸手市や久喜市の援助、「誘致の条件」によって、いい方に持って行くという考え方のようです。−出席した首長からは「久喜の市長選挙に利用されてしまった」「現在地での調査をまずやるべき」などの厳しい反発の声も出たそうです。
 一昨年に策定された「新病院整備計画基礎調査」では、経営主体について「一般会計からの毎年度、相当額の繰り入れを前提にした市立病院」以外の経営では事実上経営困難と記されています。さらには用地費を除いて、建物建設費、医療機器等で72億円、その財源は市債を充当するなどの記載もあって、幸手総合病院の移転なのか、久喜市立病院の建設なのかわからない文書です。しかし実際には、1ベッド1億円、200床の病院建設であれば200億円というのが常識とされていて、72億円程度ですむ話ではありません。
 私はこうした経過について、久喜市の見解を求めたのですが、市は「11月4日の“説明”の内容は把握していない」「基礎調査はJAで作成したものであり、久喜市ではその内容の分析はしていない」「市立病院の検討はしていない。幸手総合病院の移転と理解している」という答弁で、具体的な構想や費用などについてはまったく検討されていないらしい(!?)ことがわかりました。
 なお、9月からすでに3回、JA厚生連と久喜市とで「事務打合せ会」が行われ、11月の打合せ会では「一般的に病院を整備していく場合におけるスケジュール」として、1年目に用地確保、2年目に基本構想・基本計画策定、3年目に基本設計・実施設計、4年目に建設工事・開院準備という「スケジュール(案)」も示されています。
 今後、幸手総合病院の移転が現実化すれば、久喜市が相当の財政負担をしなければならなくなるものと思われますが、市はその財源措置も含めて
明らかにする責任があります。

病院問題の最近の動き

◆私は1月6日に、市に対して《12月以降のJA厚生連と市との協議経過。「誘致の条件」について、市はどのように検討しているかが記された文書》の情報公開請求をしました。

◆11日になって、16日(月)朝9時から、市議会全員協議会を開くという緊急連絡がありました。内容は、【幸手総合病院の誘致にかかるその後の経過について】となっています。JAからの「条件の打診」、久喜市としての検討方針など、新たな状況が報告されるものと思われます。

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