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久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』286号
2005年2月21日
『声と眼』
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2月定例市議会
機構改革、市民参加条例の策定

 2月定例市議会に市長が提案した議案は35件。
◆機構改革で、これまで市長直轄だった秘書政策室を分割して、▼総務部秘書課と、▼企画財政部を新設し財政と政策企画部門を統合します。しかし秘書政策室は、重点政策を市長の直轄で推進するという目的で、前回の市長選挙後に設置されました。わずか3年で廃止するというのでは、組織の一貫性が問われます。また今回の機構改革で1部1課が増えることになります。
 人事面では、市職員の中で団塊の世代の層が厚くなっていて、管理職ポストの配分の問題も出てきています。職員数400人中、課長補佐以上の管理職が100人。職員数は減、給与費も減少していますが、管理職手当は10%以上も増えています。
 新設された企画財政部の政策課は、◆自治基本条例の実施・進行管理、◆市民参加条例の検討(策定)、◆将来的な合併問題の調査研究、◆医療体
制の検討などを担当します。

新規に、医療体制の検討など

◆“医療懇話会”を設置して、将来的な医療体制について検討します。【委員15名、会議5回分】
◆衛生組合で発生する焼却灰を溶融固形化し、道路資材として資源化します。
◆市民参加条例、市民活動支援条例の策定
◆LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)等の児童生徒が在籍する学校に臨時教員を配置。【補助的な臨時教員の配置。本来は少人数学級・少人数指導が必要ではないでしょうか。】
◆06年度には、総合振興計画の後期計画、総合福祉計画、障害者福祉基本計画、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画、男女共同参画行動計画な
ど、各種基本計画の策定が進められます。

行政改革、事業の見直し・廃止など

 “財政難”を理由として、多くの事業の見直し、廃止や縮小が予定されていますが、★これまでのムダ遣いをただす当然の行政改革か、★公的に進めるべき事業なのに、安易に行政の責任を放棄してよいのか、よく見極めなければなりません。
【05年度から実施】
▼市長交際費、議長交際費の削減、▼職員福利厚生事業の大部分を廃止、職員調整手当の削減、▼管理職手当の削減、▼市営駐車場(第1)の廃止、▼各種施設維持管理の見直し、清掃回数の減、▼『広報くき』はカラー刷りから2色刷りへ、▼日本女性会議への市民派遣補助を廃止、▼敬老会の廃止、▼審議会等の委員報酬の削減、▼ボランティア育成事業費の削減、▼ふれあいセンター印刷機の有料化
▼太陽光発電設置補助金の削減、▼合併処理浄化槽設置補助金の削減、▼大気汚染調査、ダイオキシン調査の回数、調査地点の削減、▼小中学校の就学援助費の削減、▼在宅重度心身障害者手当支給の削減……“財政難”でも、福祉と環境問題、生命と健康、生活安全は最優先すべきではないでしょうか。また、単なる「弱者へのしわ寄せ」であってはなりません。
▼総合文化会館の自主事業の縮小、プラネタリウム一般投影の中止、▼市民プールの利用期間短縮(8月だけの営業)……“赤字→事業規模縮小するだけでいいの? お客さんが増えるように営業努力は? また、1年に1か月しか利用しない(!)プールをこのまま維持していく必要があるの?

05年度中の検討、来年実施も

★有料化を検討……公民館・集会所等、高齢者福祉センター(いきいき温泉久喜)、学校開放・体育館使用料、★市営釣場使用料の値上げ、★高齢者大学、市民大学の授業料徴収、★総合文化会館の閉館を検討、★市内循環バスの縮小、★障害者の福祉タクシー、ガソリン代補助事業の削減

★行政改革の名の下に、安易な「受益者負担」=有料化ばかりが目立つ。有料化しても「客」が減ることはないというお役所的発想。民間なら簡単に値上げとはいくまい。★


各国市民の草の根交流に参加
アジア太平洋みどりの京都会議

 2月11日〜13日、京都市内で、「アジア太平洋みどりの京都会議2005」が開かれました。−16日の地球温暖化防止京都議定書発効を前にして、アジア太平洋諸国における環境問題の取り組みを交流し、草の根から地球温暖化防止の運動を進めるもので、500人以上が集いました。特にアジア各国の緑の党や政治・環境運動、NGOなど約100人が来日し、意見交換できたことは画期的なことです。−参加国は、オーストラリア、バングラデシュ、カンボジア、韓国、モンゴル、ネパール、ニューカレドニア、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、ポリネシア、スリランカ、台湾、バヌアツ、東チモール、フィジー、インド、インドネシア、パキスタン、ソロモン諸島、タイ、トンガ、そして日本。23か国・32団体にのぼりました。

自然エネルギーの利用促進を

 1日目は京都市国際交流会館で、日本の環境エネルギー政策研究所とドイツのハインリッヒ・ベル財団の主催で、『自然エネルギー2005−ボンから京都、そして中国へ』と題したシンポジウム。
 「気候変動に対する先進国・途上国の果たす役割」の問題提起、ドイツのエネルギー政策、韓国やフィリピンにおける自然エネルギー促進運動などを、各国の環境NGOが直接に報告し、また、「中国の自然エネルギー開発の見通し」に関わる興味深い報告もありました。これを受けて、今後、再生可能エネルギーのいっそうの必要性と普及に向けた戦略、市民運動の進め方などを討論。アジア開発銀行や世界銀行などへの自然エネルギー転換の働きかけの必要性や、自然エネルギーが急速に普及したドイツからは、税制や補助金などで新しいエネルギー分野を発展させれば雇用の拡大にもつながるとの報告もありました。
 アジアではいまだに30%の人々が電気なしで生活しています。大規模な化石燃料や原子力発電よりも風力、太陽光、バイオマス、小規模水力発電などの地域分散・小規模な自然エネルギーの方が効率もよく、可能性があります。一方、日本の新エネルギー促進法については、「電力会社優遇の仕組みになっており、自然エネルギー促進につながらない」との根本的批判も提起されました。

北東アジアの平和をどう作るか

 2日目は、◆平和と安全保障、◆アジア諸国の人種・民族問題と人権問題、◆アジア太平洋地域の気候変動の3つの分科会と、◆先住民族の権利、◆自然エネルギー、◆日本とアジアの巨大ダム問題、◆アジアから問う『ごみ問題』などのワークショップが開かれました。
 私は「市民がつくる平和と安全保障」、「北東アジアの平和」のコーナーに参加。▼フィリピンの米軍基地撤去の成果、▼南北朝鮮の融和への流れと、日朝の対立激化を韓国の人々がどう見ているか、▼台湾に向けられた中国のミサイル、▼太平洋諸国に遺棄された旧日本軍の兵器による有害物質汚染、▼モンゴルでも旧ソ連軍の遺棄兵器と汚染、▼韓国でも米軍基地からの国土汚染などの報告。−▼スリランカNGOは「各国の軍事支出を、ツナミの復興支援に向けてほしい」と訴えました。
 また、韓国や台湾のNGOから「EUのような北東アジア共同体を展望して、歴史問題と未来への共通理解を形成し共有していこう」「9条は日本だけの憲法ではない。東アジア全体の犠牲の上に作られた悲願でもあり、北東アジアの人々にとっても共有財産」「各地域の紛争予防の手段として、未来へ向けて平和保障のメカニズムでもある」という視点が示されました。−また、日本では『北朝鮮問題』『中国・台湾問題』が平和への脅威とされていますが、アジアから見れば、『日本問題』…日本民族主義の高揚がクローズアップされてきていることも指摘されました。
 3日目には、今後、参加各国・各団体がアジア太平洋グリーンズ・ネットワークを設立して、相互交流と情報交換を強めていくことを決めました。


★2日目の夜、『京都議定書発効・地球温暖化防止』をアピールして、国内外の参加者全員が京都市街をパレードしました。★




久喜市議会議員 いのまた和雄
市政報告『声と眼』285号
2005年2月7日
『声と眼』
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2月予算議会が開会します

 定例議会は10日から3月18日まで開かれます。初日に市長の施政方針演説で、合併破綻後の久喜市政・財政運営についてどのような認識を示すか、注目されます。代表質問は22日、@新政・鈴木、A公明・岡崎、B市政・須藤、Cみらい・鈴木、D共産・砂川、E大地・石川の順に行います。
 新年度の一般会計予算は182億円。前年より31億円(14.6%)減の緊縮予算となりました。歳入で、市税は1億5200万円の減にとどまるものの、国の財政難のしわ寄せで地方交付税が4億円減、市債発行は23億円の減と見込んでいます。一方、国の地方方財政計画では地方税や交付税は昨年度よりも増の見込みであり、地方財政に今後どのように影響してくるのかは不透明です。−歳出では、市役所通りなどの主要道路整備がほぼ終了したため、道路新設事業の縮小や下水道整備事業の先送りなどで土木費が8億円減、教育費も3億円の減、借金の返済にあてる公債費も16億円減となりました。

市長らの給与、費用弁償のカット

 今後、本格的な行財政改革を取り組んでいきます。
▼市長ら特別職給与の引き下げ(市長20%、助役10%、収入役と教育長8%カット)、
▼管理職手当の10%カット、
▼審議会委員など非常勤特別職の費用弁償の廃止(これまでは会議に出席すると報酬とは別に日当が出ていました)も提案されました。
 これらは、幸手や鷲宮ではすでに臨時議会を開いて決定していますが、久喜ではなぜこんなに対応が遅いのか、批判が強まっています。

★国による財政圧迫を受けて行財政改革が検討されています。人件費、各種事業や補助金見直しの他、受益者負担で市民にしわ寄せしようとしていることが気になります。★


議員の費用弁償廃止を提案します

 市長から、審議会委員等の費用弁償の廃止のための条例改正が提案されましたが、その中に議員の費用弁償の廃止は含まれていません。議員も当然、非常勤特別職職員と同様に廃止すべきです。当局は議員のことは議会で自主的に決めてほしいという態度ですが、いまだに議会では協議も行われず、このままでは議員の見識が問われます。
 議員の費用弁償を廃止する条例改正案を、猪股、石川、砂川、鈴木(精)の連名で提出しました。


2005年度一般会計予算案と前年比

2005年度 2004年度 増減比(%)
総 額 182億2400万 213億3000万 ▲14.6
収入 市税 101億4177万 102億9396万 ▲ 1.5
地方譲与税 4億6500万 2億1000万 +121.4
地方消費税交付金 5億6000万 5億1000万 + 9.8
自動車取得税交付金 1億8000万 1億5000万 + 20.0
地方特例交付金 3億7460万 3億7440万 + 0.1
地方交付税 9億5000万 13億5000万 ▲29.6
分担金・負担金 1億8894万 1億9689万 ▲ 4.0
使用料・手数料 2億3313万 2億4301万 ▲ 4.1
国庫支出金 14億3422万 15億1035万 ▲ 5.0
県支出金 5億8011万 6億3937万 ▲ 9.3
繰入金 5億3971万 9億2917万 ▲41.9
繰越金 4億0000万 3億0000万 + 33.3
諸収入 8億4426万 10億9353万 ▲22.8
市債 11億4860万 34億5670万 ▲66.8
支出 議会費 2億5117万 2億5817万 ▲ 2.7
総務費 25億0986万 27億8512万 ▲ 9.9
民生費 53億4894万 51億7663万 + 3.3
衛生費 16億1764万 17億4114万 ▲ 7.1
農林水産業費 4億5946万 4億6315万 ▲ 0.8
商工費 1億1789万 1億2764万 ▲ 7.6
土木費 26億0223万 34億2583万 ▲24.0
消防費 8億9889万 9億2136万 ▲ 2.4
教育費 19億9819万 23億4070万 ▲14.6
公債費 22億9964万 39億3402万 ▲41.5
(1億円以上の費目のみ、掲載しました。)

久喜の成人式、意外と静かでした

 1月10日、久喜総合文化会館で成人式が行われました。今年の新成人は男性458人、女性424人で合計902人。出席者は670人でした。
 会場入口には、酒の会場持ち込み禁止、酔っぱらってる人も入場禁止と書かれていて、会場は意外と静かでしたが、私語やケイタイメールを打ったり、式の最中にも会場内で写真を取り合ったりしていて、市長や来賓の話など、ほとんどだれも聞いていない(?)ように見えました。
 開会前の実行委員の自己紹介で、1人目が「君が代の伴奏をします。皆さん、歌ってください」、2人目が「君が代の指揮をします。ご協力ください」、3人目も「前の2人が伴奏と指揮をするので、皆さんご協力ください」と、しつこいくらいに念を押していたのが印象的でした。−司会者の「国歌斉唱。皆さん、ご起立ください」の声に、ほとんどの人が起立。会場の中にちらほらと数人が座っていました。演壇上では、私と共産党の木村議員の2人が着席のままでした。−歌声はほとんど聞き取れませんでしたが、それにしても皆さん、ずいぶん素直に立つんだなあと感じました。
 それと、演壇上の市長はじめ教育委員会の人たちや来賓が、会場の方(つまり参加者の方)でなくて、正面に掲げられた「日の丸」の方に、わざわざ向き直って歌っています。また、あいさつに立った人たちが、会場の参加者に礼をする前に、いちいち「日の丸」に向かって頭を下げていたのも、“この式典を天皇と国家に捧げる”という意味を持っているということでしょうか。

私は「君が代」を歌いません

 ある政党議員団のホームページで、私への直接の批判が掲載されました。

(参加者の新成人たちが私語がひどくうるさかった)……
もっとひどいのは、式の始めに国歌斉唱を行ったが、壇上の来賓の議員2人、猪股議員と共産党の木村議員が立たなかったことである。
……(略)……議員は法律を決める役割を担っている。その法律を決める役の者が、法律を守らなくて良しとするものなのか。

 論点は2つ。−第1には「君が代」を歌わなかったのはけしからんということであり、第2には、議員は法律を守るべきだということです。

「国旗・国歌法」って知ってますか

 『国旗及び国歌に関する法律』は1999年に制定されました。『第1条 国旗は、日章旗とする』、『第2条 国歌は、君が代とする』と定めた、2条だけからなる法律です。
 この国旗国歌法制定の際に国会でも、法律の条文の中に、国旗・国歌を尊重する規定を盛り込むかどうかの議論がありましたが、結局、思想信条の自由を侵しかねない、“尊重する義務”は規定しない、国民にそのような義務を課さないことになりました。したがって私たち国民は、みずからの信条に基づいて、「日の丸」や「君が代」を尊重しなければならない義務は負わされていません。(たとえば戦前のように、天皇を敬う“義務”や、学校行事などで教育勅語を校長が奉読するときに、頭を垂れて不動の姿勢で聞いていなくてはならない“義務”もないのです)。
 「国旗・国歌法」によって、「君が代」を法律で“義務的に”尊重しなければならないわけではなく、歌うかどうかも、個人の心の中の問題です。このことは、法や条例に携わる議員であればわからぬはずはありません。“君が代を歌わないことが法律を守らないことになる”などというのは、とんでもないカン違いでしょう。
 にもかかわらず、成人式のはじめに、実行委員8人の内の3人までもが、わざわざ、「君が代斉唱に協力してください」と求めたのは、これまでになかったことでした。いよいよ私たち1人1人に、“君が代を歌う”ことを迫り、事実上の強制になりつつあるようです。
 これは人間の“内心の自由”“信条”に関わる問題です。−「君が代」は、『君』、つまり天皇とその治世を讃える歌であるわけですが、ということは、過去から今の日本にまで残存する身分制度の残滓に他なりません。私は天皇の権威をも含めて、いっさいの身分的権威を認めない立場から、君が代を歌いません。ましてや、強制されて歌うなんて、まっぴらごめんと言うしかありません。

★どうしてもわからないのです。政府や一部の政党、久喜市当局と教育委員会、式典主催者たちは、参加者に「君が代」を歌わせることに、なぜ、あんなにこだわるのでしょうか。★


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