かわら版編集委員会は、おもに京王グループ多摩バス問題を取り上げ情報を発信しています。
多摩バス株式会社は、1999年4月1日、西東京バス株式会社が100%出資して設立した子会社であり、おもに八王子地区、五日市地区、青梅地区での路線バス事業を営む京王グループ傘下企業です。
この間、西東京バスは、子会社の多摩バスに路線の譲渡や運行委託等を行なうことによって、多摩バスの事業をどんどん拡大させてきました。
2003年10月1日には、西東京バスは不採算部門であった貸切バス・高速バス事業を多摩バスへ譲渡して貸切部門を清算しつつ、2008年には、西東京バスは、多摩バスへ青梅営業所・恩方営業所の2つの営業所を譲渡し、運行路線数は64系統、従業員およそ240名まで拡大させました。しかしながら、実質的に人事・労務管理等のすべてを担う西東京バスは400名を超える運転士を多摩バス「正社員」として採用したにもかかわらず、そのうちの200名以上の運転士を自主退職させてきました。
ところが2008年9月1日、西東京バスは、これまでの態度と一変し、突如、多摩バスを西東京バスへ運営統一したのです。その結果、運転士(正社員)を除いた路線やらバスやら営業所やら、すべてもとの姿(分社化以前の)の西東京バスにもどしました。これまで多摩バスで働いていた正社員はというと一部を除いて、9月1日以降、西東京バスへ出向させました。
一見すると労働条件も含め西東京バスが分社化する以前の状態に戻ったかのようにも伺えますけれども、決して、そうではありません。
現在、従業員の働き方・働かされ方の実態に目を向けてみれば、既存の西東京バスの運転士と、多摩バスから出向している運転士と、そして新たに採用されている西東京バスの運転士との間にはそれぞれ異なる3通りの労働条件が混在しています。ちなみに西東京バスが新たに採用している正社員(運転士)の労働条件は、既存の西東京バス正社員(運転士)の労働条件と比べ、まったく、別の低く安い労働条件で採用しています。
一方、西東京バス100%出資子会社の多摩バスから出向した運転士(正社員)の労働条件について3者間を見比べてみると、最も低く、賃金も安いです。
具体的に言えば、多摩バスで働く労働者には、盆暮れなし(特別休暇)、退職金もなし、一日の所定労働時間がなく時給の労働者(つまりパート労働者)、駅などで折返し運行待ちの時間はタダで待機、中休という6時間に及ぶ無償の待機時間、月300時間拘束されても賃金16万円・・・等々、既存の西東京バス労働者との格差に際限がありません。
京王=多摩バスには、設立当初から労働組合が存在しますが名ばかりであり、労働者自らが自立的に立ち上げた労働組合ではありません。繰り返しますが会社を設立するのと同時に労働組合をそもそも用意しているのです。言ってみれば会社の意思を鵜呑みにし、合理性を担保するために存在しています。つまり会社がやりたい放題合理化が出来る仕組みになっています。これが上記のような格差を生み出す根底となっているわけです。
そればかりか、多摩バスの正社員は何処から出向しているかといえば、実のところよくわかりません。多摩バスは路線やらバスやら事務所やら営業所やらその一切を所持していませんし、労務管理等は、実質的には統一以前から、もともとそのすべてを西東京バスが行なっています。なにより社長は西東京バス同様同一人物矢萩清です。
ペーパーカンパニーなんて言葉を聞いたことがありますが、実に奇妙なことが起こりまくっている京王=多摩バス・・・そもそも西東京バスで同じ営業所、同じバスの運転していて、いくつもの異なった働き方・働かされ方(階層化された働かされ方)が存在すること自体、とってもおかしなことです。
この社会を生き抜くため、明日への希望さえ抱かせる「正社員」という名のもと多摩バスで働く労働者に一体何が起きているのか―――かわら版編集委員会は、その悪辣かつ醜態極まりない京王=多摩バスのやり口をあばいてやるッ!!
かわら版編集委員会では京王=多摩バス問題等を取り上げたビラを定期的に配布しています。ここでは過去配布したビラ等をおもに発信しています。
2008年12月24日 かわら版「今こそ考えよう! 行動しよう!」編集委員会
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