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香川県・高知県の旅行記
私は2005年から主に四国内の鉱山跡を訪ねています。地元の方と知り合えたり、新しい発見があったりでとても充実しています。一緒に行きたい方はメールして下さい。
お問い合わせは、 fe26-co27-ni28-cu29-zn30@ymail.plala.or.jp (事務局)までどうぞ!
鉱山訪問や鉱物・化石採集など、石に関する記事はタイトルの色を変えています。


2024年8月8日(木)
塩飽諸島本島(8)

 前から気になっていたことがありました。職場の壁に大きな油絵が掲げられていて、タイトルは「塩飽(しわく)諸島」です。細い路地からなる漁村の一画が描かれています。その家屋の真っ白な漆喰の土壁がとても印象的でした。じゃあそれ見に行こうか!思い立ってから8年もかかりました。

 帰り道でふと後ろを振り向きました。向こうに続く道の上に、瀬戸大橋の橋げたが揺らいでいます。陽炎が出るくらい暑いのです。

 白壁に何かいました。よく見れば、キリギリスのメスでした。この場所も日陰になっているから過ごしやすそうです。シャッターチャンスを逃さず、何枚も撮りました。

 港の近くのひまわり園です。朝のうちは元気でしたが、昼過ぎになるとちょっとダウン気味です。その向こうにギャラリーがありました。イヌやネコのイラストがかわいらしかったです。

 こうして初の塩飽の旅を終えました。この島は毎年アート展をやっていて、島のあちこちにそれらの作品があります。笠島のまち並み保存センターの方にはお世話になりました。頑張ってください!








2024年8月7日(水)
塩飽諸島本島(7)

 前から気になっていたことがありました。職場の壁に大きな油絵が掲げられていて、タイトルは「塩飽(しわく)諸島」です。細い路地からなる漁村の一画が描かれています。その家屋の真っ白な漆喰の土壁がとても印象的でした。じゃあそれ見に行こうか!思い立ってから8年もかかりました。

 勤番所の裏にある八幡神社です。塩飽諸島全島の産土神(うぶすながみ)だそうです。でも建物自体が古くなっていて、境内には人気もありませんでした。

 廃寺の惣光寺です。山門が今にも倒れそうで、境内は竹林と化していました。人口の割にお寺や神社が多く、檀家も少なくなって、手入れをする余裕がなくなっているようです。寂しい限りですが仕方ないこともあります。

 さっき勤番所で麦茶を頂きました。日陰の縁側に腰かけて一息つきました。フッと一筋の涼風が駆け抜けていきました。ゴールは間もなくです。








2024年8月6日(火)
塩飽諸島本島(6)

 前から気になっていたことがありました。職場の壁に大きな油絵が掲げられていて、タイトルは「塩飽(しわく)諸島」です。細い路地からなる漁村の一画が描かれています。その家屋の真っ白な漆喰の土壁がとても印象的でした。じゃあそれ見に行こうか!思い立ってから8年もかかりました。

 笠島まち並みの間を通って海岸に出ました。海水面の向こうに瀬戸大橋が見えます。手を伸ばせば届くかのような至近距離です。与島PAがあります。

 時刻はもう昼下がり。太陽が容赦なく照り付けて、自販機のジュースも5本目。とにかく顔がじりじり焼けている。シルエットのアオサギも暑そうでした。恋人の聖地がここにもあります。 








2024年8月5日(月)
塩飽諸島本島(5)

 前から気になっていたことがありました。職場の壁に大きな油絵が掲げられていて、タイトルは「塩飽(しわく)諸島」です。細い路地からなる漁村の一画が描かれています。その家屋の真っ白な漆喰の土壁がとても印象的でした。じゃあそれ見に行こうか!思い立ってから8年もかかりました。

 黒い壁の多い区画は海に近いところでした、炭を塗ってあるような感じでしたが、よく見れば表面を焼いて炭化させています。確かにこうすれば湿気に強く、家を長持ちさせることができるでしょう。

 窓にも一工夫があります。壁から引っ込ませて、おしゃれな模様入りでした。窓枠にも細かい造作が見られます。さりげなく本当にさりげなく造られていて、それらが積み重なって大きな作品となります。まち全体が巨大な展示物となっているかのようでした。

 小さな資料館がありました。もうここでは風鈴一つ、庭木一つが文化です。昔の船がありました。これで瀬戸内海の島々を巡って生活を営んできたのです。先人に敬意を表します。 








2024年8月4日(日)
塩飽諸島本島(4)

 前から気になっていたことがありました。職場の壁に大きな油絵が掲げられていて、タイトルは「塩飽(しわく)諸島」です。細い路地からなる漁村の一画が描かれています。その家屋の真っ白な漆喰の土壁がとても印象的でした。じゃあそれ見に行こうか!思い立ってから8年もかかりました。

 笠島まち並み保存地区に入りました。港から徒歩30分ですが、乗り合いバスなら5分です。周回道路を歩いていると、30分くらいでバスとすれ違いました。

 山側からゆっくりとまち並みの中へ降りていきます。道幅は3mくらいで、車が通れるけれど対向は無理でしょう。側溝には澄んだ水が流れています。やはり目立つのは「白壁」と「黒壁」です。

 漆喰(しっくい)を塗って防水性を持たせた白い壁は、まち並みの中をどこまでも続いています。とても保存に気を使っていて汚れ一つもありません。それそろお店が開くようで、白布の暖簾(のれん)が架かっていました。

 まだ朝が早いため地元の人の姿もポツポツです。ましてや観光客なんかは私一人のよう・・・。でも裏路地からは、にぎやかで元気そうな子供たちの声が聞こえてきました。過疎化が進んでいると言われる場所で、、そのような声を聴くとホッとします。








2024年8月3日(土)
塩飽諸島本島(3)

 前から気になっていたことがありました。職場の壁に大きな油絵が掲げられていて、タイトルは「塩飽(しわく)諸島」です。細い路地からなる漁村の一画が描かれています。その家屋の真っ白な漆喰の土壁がとても印象的でした。じゃあそれ見に行こうか!思い立ってから8年もかかりました。

 専称寺に立ち寄りました。港から徒歩20分で、島の周回道路より内側の細い道を通ります。笠島まち並み保存地区の山側にあるお寺です。

 参道が荒れていました。境内も草がポツポツ生えていて、管理する人がいないようです。家屋はまだしっかりしていますが、どことなく傷んでいるみたいでした。

 年寄りの一人、吉田家のお墓です。このときは何の気なしに撮ったのですが、後から調べてなるほどと思いました。専称寺と道を挟んで反対側の高台に立てられています。

 道中の廃屋に「こてえ」があります。金偏に曼と書く漢字に絵を付けてそう詠みます。当時の左官屋が面白半分に作成したものだそうですが、今でもしっかり残って観光スポットになっています。表情が味わい深く何だかほっとしました。








2024年8月2日(金)
塩飽諸島本島(2)

 前から気になっていたことがありました。職場の壁に大きな油絵が掲げられていて、タイトルは「塩飽(しわく)諸島」です。細い路地からなる漁村の一画が描かれています。その家屋の真っ白な漆喰の土壁がとても印象的でした。じゃあそれ見に行こうか!思い立ってから8年もかかりました。

 港から歩いています。バスもありますが、待ち時間がもったいない。今日はこの島だけしか行かないので時間はたっぷりありますが、それでもわずかの時間を惜しんで効率よく回ります。

 15分歩いて塩飽勤番所跡(しわくきんばんしょあと)にやって来ました。江戸時代に4名の「年寄」が交代で政務を執る役所でした。勤番所と呼ばれる建物は、全国でもここにしか現存しないそうです。

 正面玄関は大きく開かれており、重厚な佇まいを醸し出しています。左手に白い小石を広げた広場があり、まるでお白洲の場です。縁側が光っています。

 内部には様々なものが展示されています。時の権力者であった織田信長・豊臣秀吉・徳川家康らが、この島の領有を認めた御朱印状や、塩飽水軍に関する資料、花やカニが描かれた瓦など面白いものがいろいろありました。

 特に、津軽から九州までを網羅する海図は、当時としても貴重で素晴らしいです。玄関の両脇の壁に飾られていました。暑くなってきましたが、次の場所へと移動します。








2024年8月1日(木)
塩飽諸島本島(1)

 前から気になっていたことがありました。職場の壁に大きな油絵が掲げられていて、タイトルは「塩飽(しわく)諸島」です。細い路地からなる漁村の一画が描かれています。その家屋の真っ白な漆喰の土壁がとても印象的でした。じゃあそれ見に行こうか!思い立ってから8年もかかりました。

 塩飽諸島は香川県丸亀市の沖合にある大小32の島々からなる。そのうち4つは埋め立てなどで四国本土や他の島と繋がっているため、残り28の島からなると言われています。その中で本島は人口が最も多く、諸島内では中心的な島です。

 朝5時に丸亀港に着き、朝一番の船に乗りました。乗客は20人くらいで、車とバイクが数台載っていました。瀬戸内海は穏やかで余り揺れません。船酔いすることなく快適に過ごせました。

 あいにく空が曇っていました。朝日はとっくに上っていますが、雲の上の方で橙色に光っているだけ。水平線のかなたにオレンジの筋が走っています。ちょうど瀬戸大橋と重なってきれいです。

 船舶の銀座みたいに、多数の大型貨物船やタンカーが往来しています。その合間を縫って小型船、特に漁船がひっきりなしに通ります。これから出漁する船ともう一仕事終えてきたフナが交差して、早朝からとてもにぎやかでした。

 こうして海の様子を楽しんでいるうちに、40分ほどで本島に着きました。下船するのは車を積み下ろすタラップからです。車道端の黄色い線を伝って降りました。この島での第一歩を踏み出しました。








2023年10月7日(土)
崩れゆく下川鉱床

 足が遠のいていたこの鉱山跡に、実に8年ぶりにやって来ました。近くの集落が消滅し、落石が多くて道が悪くなり、その上に渡河しないと行けないし、最後は粘土質の滑りやすい急斜面を下り上りしなければならない。要するに余程のことがない限り行く気がしない。そんな場所でした。

 しかし、身体が動くうちに行かないとおそらく一生行かないでしょう。そこで気持ちを奮い立たせて、今日を迎えました。

 現地には10時頃到着しました。ちょうど杉丸太の伐採中で、悪路だった行程はかなり進みやすくなっていました。また、薄暗かった森が伐採されて明るくなっていました。これはラッキーでした!

 久しぶりなので少し道に迷いましたが、無事に盆地状になった谷底へ。色のくすんだ緑色片岩が積み重なっています。この産地のメインは金色のキースラーガー。他にルチルやチタン石、マラカイトやサービエリ石、そして紫色の光沢がある斑銅鉱などです。

 しばらく見ないうちにズリが崩れて土が見えていました。このズリに上って探すと斑銅鉱が見つかるのですが、ちょっと無理なようです。小さな塊のキースはすぐに見つかりますが、かつての20kg近い塊はありませんでした。

 足がガクガクしています。しばらく運動から遠のいていたので、筋肉がびっくりしているみたいです。結局仕事で使う分だけ採取して納竿しました。

 帰りに汗見川にも立ち寄りました。こちらでも何も収穫はありませんでした。ひょっとしたらもうこれで見納めかもしれません。川田川・関川・銅山川に続いてここもオワコンかも。

 昔を知っている者からすれば寂しい限りです。しかし、またどこかに新しい産地が見つかるでしょう。それを期待してまだまだ活動を続けます!








2023年5月31日(水)
土佐と言えば鰹でしょ!

 昼食は、めじかでカツオのたたき定食でした。それなりの値段はしますが旨かった!焼き加減とタレとニンニクやネギの取り合わせが良かった。

 夕食はなぶらで再びカツオのたたきでした。こっちも旨かった!マヨネーズも口に合いました。ご飯がすすみます。

 ついでにカツオのカツカレーも頼みました。カツオを油で揚げたカツがのっています。これも面白かった!徳島から車を走らせてきたかいがありました。

 M様、ご飯ごちそうさまでした。
 K様、ガソリン代ありがとうでした。
次はどこへ行きましょうか?行ってみたい産地が目白押しです。
 食べ物+石採りのコースが人気になってきました!






2023年5月30日(火)
何度目かの柏島

 ある釣り映画のロケ地です。四国本土と橋がつながってここもにぎやかになりました。鯛の養殖が盛んです。

 海峡が狭いためまるで入り江のようになっています。波が穏やかなので、レジャーにも最適です。

 島の集落は北東部にまとまっています。かつては小学校がありましたが、今は門柱が寂しく立っています。

 向こうには鵜来島が見えます。有人で小さな漁港があります。また、柏島の南西にも沖の島があります。宿毛港から渡船が出ているそうです。いつかは行ってみたいです。






2023年5月28日(日)
水晶を探せ!

 満を持してこの日を待っていました。週末ごとに悪天候になり、ずっと行かれなかった場所に今日は立っています。徳島から300km。四国の最南端のここは足摺岬・・・の近くです。

 この辺りにはトンネル工事のときに出た残土を捨てていました。その中に水晶を含んだ石が混ざっています。花崗岩の表面に小さなクラスター(群晶)が見られたり、頭付きの柱状結晶がコロンと山土に入っていたりします。

 サイズは大きくても2~3cmですが、透明度は高いです。慣れてくるとあちこちで見つかりました。20個くらいありましたが、そのうちきれいな物を選んで持ち帰りました。残りは君たちのものです(笑)。




2023年5月27日(土)
ホタル石を探せ!

 満を持してこの日を待っていました。週末ごとに悪天候になり、ずっと行かれなかった場所に今日は立っています。徳島から300km。四国の最南端のここは「足摺岬(あしずりみさき)」です。

 徳島県から見れば、四国内で最も遠い地になります。高知道を走り、旧大窪町で降りて国道56号線を通ります。旧大方町や旧中村市を経て土佐清水市に入り、そこから海岸線に沿って進むと産地に着きます。

 この辺りの岩盤には、ホタル石やチタン石が含まれているそうです。白い花崗岩に黒い玄武岩が含まれているのが特徴です。適当な転石を拾って表面を観察しました。

 シャンパンカラーの透明なチタン石はすぐに見つかりました。ミニトマトくらいの石に2~3個入っています。でもそれは拾わず、そのまま置いてきました。

 次に、主目的のホタル石を探しました。土に埋もれている面をひっくり返して、表面を拭きながらしっかり見ていきます。しかし、さすがにこれは見つかりません。結局、それらしい物はあっても断定できる物はありませんでした。

 ホタル石は主成分がフッ化カルシウムで、製鉄の際に鉱石の融点を下げる働きがあります。国内ではもう稼働している鉱山はなく、この産地の物は量も少ないので使えません。しかし、産地としては珍しいので人気はあるようです。






2023年2月27日(月)
うどんの腹ごなしに

 帰りは満濃池の傍を通って美馬町に抜けます。その途中に有名な木戸の「馬蹄石」があります。「ばてい」とは馬のひづめのことですが、別にウマの化石が出る訳でもありません。ここに出るのは「牡蠣」の化石です。

 「カキ」の化石が大量に出て、岩盤の表面に密集しています。それがまるでウマのひづめの跡のように見えるのです。ぬかるんだ地面を、だく足でぐちゃぐちゃになるまで走り回れば、こんなふうになるんでしょうね。

 対岸や中州だけでなく足下にもありました。長径は大きい物で20cmくらい。奈義町のビカリア探索で見つけたオオカキくらいはあります。でもここのは採ってはダメです。見学だけにしましょう。・・・どうやらウマく腹ごなしができたようです。








2023年2月26日(日)
サヌカイトと讃岐うどん2

 今日は三十代がおらず、残りは四十代から六十代です。しばらくその辺りの道ばたや斜面に陣取って、サヌカイトを探していました。後に残された形になったので、先に下山することにしました。滑りそうになるのをこらえながら、駐車していた神社まで戻ってきました。

 神社でいろいろとよもやま話をしました。缶コーヒー片手に、近況や昔行った石採りのこととか話題は尽きません。これが一番楽しいひとときなのです。石を取らないと時間がもったいないとか、そういった考えの人はいません。これが私たちのスタイルです。

 神社の参道から社まで散歩しました。すると、土台や石垣もサヌカイトでした。確かにこれは理にかなったことです。他から持ってこなくても、そこら辺に立派な石材がいくらでも転がっているからです。

 似たようなケースは多数あります。関川が流れている土居町の役場や民家には、柘榴石を含んだ石が壁に埋め込まれています。庭にもたくさん置かれていて、日中でも仕事の間に拾ってくるそうです。三好や三縄などキースラーガー鉱山があった地域では、硫化鉄鉱の鉱脈を含んだ石が石段に使われていました。

 1時間くらいして二十代たちが帰ってきました。ギブス石を探していたようです。ボーキサイトと同様の成分だから、アルミニウムを豊富に含んでいる鉱物です。見た目はパッとしない土の塊だからわかりにくいです。

 そろそろ腹が減ってきたので二杯目に行きましょう。次の店はやや混んでいました。頼んだのは普通のかけうどんですが、よく見ると大根おろしにレモンがのせてある。一口すするとほのかな酸味が食欲をかき立てます。菜の花のかき揚げをトッピングしました。これが意外に絶品で、うどんをすする度に春の息吹が感じられました。もちろん、がっつり二玉ですよ。

 こうして同行者の皆さんから大盛況のうちに、今回の旅を終わりました。次を楽しみにしていると言われたので、できるだけ早いうちに企画しましょう。他にもこうした小旅行に参加されたい方はメールしてしてください。乞うご期待!








2023年2月25日(土)
サヌカイトと讃岐うどん1

 今日はいつもより仲間が増えました。それもそのはずで、目的が石採りと美食だからです。きれいな石を拾いたいのは皆一緒だし、美味しいものを食べたいというのも皆同じ気持ちです。そこで企画しました。

 坂出市の金山はちょっと傾斜のある山ですが、手軽なハイキングに向いています。今日も何人かとすれ違ったり、追い越したりしていました。足下は枯れ葉に覆われて滑りやすく、気をつけないと転びます。そういったことに気力や体力を使うのですが、今は大丈夫です。なぜでしょう?

 さっきカロリーを補給したからです。朝早くに開店する店をリサーチして、まずは駆けつけ一杯です。私が頼んだのは「しっぽくうどん」です。鶏肉のダシで大根・人参・里芋などを煮込んだ汁に、茹でたばかりのアツアツうどんが入っています。がっつり二玉を平らげると、身体が内側からポカポカしてきました。これなら寒い戸外でもしばらく大丈夫でしょう。

 山道に入るとすぐに斜面を見ます。すると、白く風化した割れ目が黒くテカテカしている石が目に入ります。持ってみると意外に重い。2つの石どうしを打ち合わせてみると、キンキンと音がします。これが目的のサヌカイトです。

 讃岐石とも古銅輝石安山岩とも言われ、通称は「カンカン石」。文字通りにお互いをたたくと、キーンという澄んだ音がします。硬くて重いですが、ハンマーでたたくと一定の方向に割れます。刃物のように薄くできるので、黒曜石の代わりに石器として用いられたこともあります。

 早速、若い人たち(二十代)が斜面を上がり始めました。そう言っても道ばたにいくらでも転がっているから、大して難易度は高くないです。ただし、自分の好みの標本サイズや形状、見た目などを考えるとかなりたくさん見ていかないと・・・。

 その後、この2人(F君とY君)は山頂まで駆け上がって行きました。果たしていつ頃に帰って来るのやら。








2022年10月28日(金)
足摺の山砂鉄2

 足摺岬の住宅街の裏山で、砂鉄が採れることを知りました。そのとき採取した土を比重選鉱すると、比重(密度)の大きい物が沈みます。パンニングをすると、かなり黒い粒子または粉末が残りました。ところが、磁石に対する反応が鈍く、磁鉄鉱よりチタン鉄鉱や赤鉄鉱が混じっているようです。これは後ほど瓶詰めにされる予定です。
 ところで、何気にひっかいたこの跡は何に見えますか?勝浦で発掘中のアレです。き○うり○うのフォッシルみたい。


2022年7月3日(日)
黒南風吹く白滝鉱山

 さっきまで天気が良かったのに、急に鉛色の雲が空を覆いました。かなり速い動きで、山の稜線に絡みつくように纏わり付いてきました。そして、ついにポタポタと雫が落ち始めました。こうなってはお手上げです。

 神社の鳥居が刷新されていました。茶色が景観にマッチしています。裏手北側に旧の坑道を利用した地震計があります。南側の坑道からは地下水が蕩々と流れ出していました。

 野球場よりも広いイベント広場でキースラーガーを探しました。錆びて赤茶けて重い石を探します。金色の黄銅鉱や黒色の磁鉄鉱がありました。ここの定番です。

 ここで1時間ほどのんびりとさせてもらいました。暑かったけれどアイスクリームが美味い!M様のクーラーボックスに感謝です。






2022年7月2日(土)
旧役場の屋上が見えた


 汗見川から西へ。大川村を訪ねました。離島を除けば国内で2番目に最小の人口で、2022年5月現在は363人!2年前より少し減っていますが、若者の移住政策により多少の改善が見られそうです。

 ダム湖がかなり干上がっていました。貯水率は30%を切りかけています。湖底から当時の木々が生えているのが見えました。魚津の埋没林みたいです。岸の斜面にも段々畑のような筋が見えて面白いです。

 道の駅から昔の役場が顔を覗かせているのが見えました。屋上がすっかり見えています。ここで15分ほどのんびりとさせてもらいました。暑かったけれどさんぴん茶が美味い!

 その後台風などが来て水量が持ち直しましたが、再びの干ばつでまた役場が現れました。これを見る人で駐車場はごった返していました。一時的に人口が増えたみたいです。

 定住して欲しいですが、仕事や子育てができる環境が望まれます。何かよいアイディアがないものか・・・。






2022年7月1日(金)
2年ぶりの汗見川

 梅雨明けの炎暑の中で行ってきました。ここで2時間ほどのんびりとさせてもらいました。暑かったけれど冷えたコーヒーが美味い!

 四国の鉱物産地としては有名で、この川は南北に流れています。地質が帯状に東西に走っており、この地質帯をぶった切るように流れているから、下流から上流に向かえば時代が古くなってきます。柘榴石は下流から中流くらいまでで、そこから更に遡ると見つかりません。その代わり、上流では透緑閃石があります。

 いつものポイントをじっくり見ていきました。今日は暑いせいか川遊びをする家族連れもいました。その傍らで石をじっと見ていきました。表面をなめるように観察したり、石をひっくり返したり・・・。それを子どもたちが怪訝な顔をして覗いてくるのが面白かったです(笑)。

 ザラメ状の石英にルチルが付いていました。ちょっと小さいですが結晶の様子がよくわかります。サンプルとしていくつか回収しました。

 次の場所にもルチルがありました。石英ではなく点紋曹長石角閃石片岩に含まれるタイプです。ルチルは一般的に石英などによく含まれていますが、角閃石にも稀にあります。しかし、関川でもあまり見返られない取り合わせなので、しっかりゲットしました。

 夏本番になってきました。背中に照りつける日差しが痛いです。本当に刺されるような感じです。これにて当分は石採りもなしです。






2021年2月21日(日)
雨滝山に柘榴石を求めて

 道幅の広い所に駐車して現地へ向かいました。山を迂回するこの道は、道幅こそ狭いですが抜け道として意外と通行量が多いです。この日は地元の歩こう会と行事がブッキングしていました。元気なお年寄りが大勢歩いていました。
 さて、私たちは景色よりも焦点が短くて道端の安山岩露頭を見ています。風化して表面がぼろぼろになりつつある石ばかり。それらの中に黒い粒子が点在しています。お目当ての満礬柘榴石(まんばんざくろいし)です。満はマンガン、礬はアルミニウムを表し、両者を含んだざくろ石という意味です。マンガンの代わりにいくらか鉄を含む物もあります。
 石の表面のホクロみたいな物がそれです。形状は丸いですが、ひしゃげたゴムボールみたいな粒もありました。頭を出している石は先行するM様とK様に叩かれてしまいますが、枯れ葉の中にも隠れています。S様と私はそれら落ち穂拾いをしながら、ゆっくりと進んでいきました。
 ふと前方を見ると、M様とK様が立ち止まって何やらもめています。大きい石を見つけたけれど、持っているハンマーでは歯が立たないようです。そこで、私の大ハンマーの出番となりました。もちろん割るのはM様です。振り上げ方が良くないと腰を痛めるかもしれません。皆遠巻きにして割るのを見ていました。・・・が、上手いこと割れない。端の方が削れたような感じでした。
 残りは私が割らせていただきました。やや純度が高い粒子が見つかりました。本日の成果はまずまずです。何よりも柘榴石が出てきやすい場所がわかっただけでも儲けものです。産地情報はそこへ行きたい者にとっては、石以上に貴重なものです。このブログではそれらを惜しげもなく公開しています。皆さんが石の採集を楽しんでくれたら幸いです。






2021年2月20日(土)
火山は沸石の山

 津田の松原に集合して現地へ向かいました。香川県は太古の火山地帯で、地質は領家帯に属します。細かいところは無視して、堆積層である和泉層群のすぐ北側にあり、火成岩がごろごろしている地域です。
 火山に登ってみました。山の斜面や登山道が、まるで焼けたレンガような赤茶けた石に覆われています。持ってみると意外に軽かったりするので、内部は気泡が抜けて空洞になっているかもしれません。
 足下の石を割ってみました。高温石英のような結晶を含んでいて、かなり緻密です。柱状のものはハリ長石でしょうか?思いつくままに言っているので、この辺りは間違っているかもしれません(笑)。軽石のような物を見つけました。割ってみると、白い筋状の塊が出てきました。沸石だと思います。別の石にもカビの胞子みたいな黄色い粒が付いています。S様のガイドによると束沸石のようです。
 登山道から外れて山の斜面を上がってみました。こちらもゴツゴツした熔岩でした。割ろうとするとかなり硬い!大ハンマーで数回たたかないと罅すら入りません。苦労して何個か割った中から、黄色い沸石が出てきました。また、白くて四角い物もあり菱沸石かもしれません。そう言えば、鷲の山でも似たような物を見ています。
 上下100mくらいの範囲を探して、今日は納竿となりました。成果は沸石10個とよくわからない鉱物数個でした。機会があれば分析してみたいです。M様は讃岐うどんを食べて帰るそうです。S様は四国88ヶ所のお寺を回ります。K様は・・・不明でした。私は高速料金がもったいないので、国道から県道に入り峠を越えて帰りました。ゼロ密を達成しました!






2020年12月14日(月)
四国東部の海岸線

 道の駅と海の駅が混在してて道がわかりにくいです。室戸市には「キラメッセ室戸」と「とろむ」という駅があります。どちらもいろいろ売っているので、必ずどちらかに立ち寄ります。ちなみに、徳島の宍喰と高知の白浜にも駅があり、前者が「道」で後者が「海」でした。互いに5kmくらいしか離れていないので、競合しているような気がします。
 キラメッセの海岸に降りてみました。まず、カメノテみたいなものが棒の端にくっついていました。まるで花びらのようです。面白かったのでついでに立ててきました。魔法のステッキ?いやどこかで発見されたモノリスでしょうか?・・・後からこれを拾ってきたら良かったのにと後悔しました(涙)。
 白いモノはサンゴです。キクメとかウチワみたいなタイプがありました。これらはもちろん現生種ですから、センスガイと比較すれば面白そうです。岩石の表面に白いモノがありました。こちらは石英脈が擦れたもので、ぎりぎり水晶と呼べなくもないです。石の間にはさまっていたモノは、丸まった発泡スチロールの浮きでした。これだけは環境汚染につながるので、ちょっとだけ・・・な気持ちになりました。




2020年12月13日(日)
子どもたちは化石も好き

 安田町の唐浜駅に着きました。御免奈半利線の駅で、単線だから線路は1本だけです。駅前はかなり広く、観光バスが十台くらい駐車できそう。実際にここを団体で訪れる学校が利用しています。
 さて、ここに訪れた目的は化石採集です。270万~230万年前に堆積した地層が広がり、その中に貝やサンゴなどの化石を含んでいるからです。静岡県の大日砂層と時代が同じですが、こちらではサメの歯はほとんどありません。しかし、それ以外の貝類は同様のものを産出し、ウニとかカニの爪などもあります。
 水晶キッズたちも化石採りを体験しました。砂層といっても堆積した上の地層からの圧力により、がっちりと固まっています。また、海水や貝殻から溶け出した塩分が接着剤の役割をして、ノジュールというダンゴのような塊ができています。スコップではなかなか歯が立たない。しかし、ここのルールではツルハシなどの使用が禁止されています。表面の薄皮をはぐように、少しずつ掘っていきました。
 間もなく大人チームが、丸ごと貝が入ったノジュールを発掘しました(貝が具に見えるのはなぜだろう?)。中にはリュウグウホタルが埋まっていました。次はキッズの出番です。ウミニナやベニグリを丸ごと採集していました。また、大きめのセンスガイもゲットしました。単体サンゴともいい、よく見ると何種類かあります。
 細かい貝や断片は多いですが、ホタテガイとかキヌガサガイなどの大型はなかなか見つかりません。個人的にはタカラガイを見つけたいですが、かなり難しいです。じっくりと時間をかけて探さないと無理のようです。
 この日の成果は、貝類ばかり十数種類でした。12月で北西風が吹いていましたが、日差しが強くて日焼けしました。でも、新鮮な山風と海風によって心も体も洗われていくようでした。あなたも南国高知へぜひどうぞ。その前に徳島にも寄ってネ。






2020年12月12日(土)
子どもたちは水晶が好き

 水晶またはクォーツ。組成式SiOで表される二酸化ケイ素の結晶。鉱物世界の案内人とか何とか、誰かが言っていた気がしますが、柘榴石とタメをはるくらいにポピュラーな鉱物です。
 試しに水晶を含めて同等の鉱物を並べ、「どれでも1つだけ好きな石を持って帰って良いよ」って言うと、初心者の大部分が水晶を選びます。これ実は某学校で実験したことで、数ヶ月にわたって様々な産地の様々な鉱物を袋に入れて、箱に入れて自由に持って帰らせました。結果は先のとおりです。
 高知県のT様から丁寧なメールがありました。お子さんと一緒に水晶などを採集してみたいとのことでした。そこで、いくつかプランを提案したのですが、コロナのせいで高知県外に出向くのが不可になりました。そこで、急きょ第二案に移行して今日の開催となりました。
 高知県の南側には、太平洋に洗われる海岸線が200km以上続いています。そこでは砂鉄や蛍石、チタン石などを産出する場所もありますが、何といっても水晶を産出する石英脈が発達している場所もいくつかあります。私自身も数ヶ所で水晶を拾っていて、地域により透明度が高いものや真っ白なもの、緑色のもの、クラスター(群晶のことでコロナじゃない!)が発達しているものなど様々です。・・・ということで、親子連れをご案内しました。
 白っぽい石をじっくり見ていくと、表面に摩耗した水晶の柱が見られます。日にかざすとキラキラ光ってきれいです。歩く度にあちこちから歓声が上がっています。どうやら良い物が見つかったようです。最初は手取り足取りでしたが、すぐにコツをつかんだようです。自慢顔で見事なクラスターを披露してくれました。それを見ると、私もお連れして良かったと思います。こうして最初の採集会は成功のうちに終わりました。






2020年11月25日(水)
冷水流れる汗見川

 またまた汗見川に立ち寄りました。夏場は暑くて文字通りに汗ばむところですが、紅葉も大部分が落ちるほど寒くなってくると、熱い飲み物が恋しくなります。
 さて、この産地の名物はルチルとアクチノライト、ピーモンタイトです。前者は石英を片っ端から割っていけば、運が良ければいつかは見つかります。ほんの少し赤みのある黒い柱状結晶で光沢があり、縦方向に筋が入っています。まれに結晶が交差したV字双晶もあるとかで、それ目当てに来る人もいます。
 中者は緑色の柱状結晶で、滑石などを伴います。黒っぽい緑から薄くて白っぽい緑までいろいろあります。含まれる成分によって青紫色もあるそうです。桑ノ川から流れてきます。後者は赤紫色の柱状結晶で、一般には繊維のように細いものが多いです。しかし、念入りに探すとマッチ棒くらいの太さの結晶が目に付き、さらに珍しいと割り箸サイズも見つかります。
 ザラメのような石英中に、小さなルチルがたくさん含まれていました。標本というより何とか持っていますよ・・・というレベルですが、この石のパワーストーン効果はズバリ金運です。もっとも結晶が小さいので、小銭程度の儲けしかないでしょう。それでも貴重な物には間違いありません。しばらくは楽しませてくれそうです。
 深い谷間にいるので早々と陽が陰ってきました。肌寒くなってきたので、この辺で納竿しましょう。本日の獲物はそこそこでした。石採りは道楽ですから金銭的な収支決算なんか気にしません。・・・というのは建前で、ペイした交通費等の出費に対して今日は元を取ったように思えました。
 毎回このように成果があれば良いのですが。でもそれが楽しくて通うんでしょうね。






2020年11月24日(火)
北風吹く白滝鉱山(2)

 上流のそのまた上にはとても広い広場があります。謝肉祭が行われるときは会場になりますが、野球とかサッカーもできそうなくらい広いです。標高は800mくらいだから空気が少し薄いので、打球は少し遠くまで飛んでいくでしょう。
 工事車両の間をぬって広場に停まりました。鉱山神社まで急な石段を登ります。修理する人もいないため石段の浮き沈みが激しく、落ち葉が積もって滑りやすくなっていました。途中から角度が急になり、苔むしているためやっぱり滑りやすい。注意が必要です。
 神社はすっかりぼろぼろになっていました。廃城とかが好きな人には面白いかもです。ご神体は別の場所に保管され、門番の狛犬たちも地盤がめくれて倒れかけでした。昭和9年に建てられたようです。鉱山が閉鎖されてから50年くらい。だんだんここも自然に帰っていくんでしょうね。・・・という感傷にめげず、やれることはやる!奮起せよ!
 再起動して過去に戻ってふと足下を見ると、デッカイ緑色の石(というか岩だよね?)がありました。さっき(1)で書き忘れましたが、これも白滝名物の透緑閃石(とうりょくせんせき)です。アクチノライトとか陽起石とかよばれ、パワーストーン効果もあるそうです。第六感を研ぎ澄まして集中力を高めてくれるので、これからの受験シーズンにはぴったり!大きいけれど持ち帰ることに決定しました。
 長径70~80cm、短径40~50cm、厚さ20~30cmで、推定重量60kg!とても丸ごとなんて無理です。仕方なく端から徐々に割っていき、半分くらいにしてやっと持ち上げられるようになりました。結晶は濃い緑色で、長いのは20cm以上もありました。四国の真ん中のアクチノライトなら、さぞかし御利益があるでしょう。後日、知り合いの受験生たち6
0名にお裾分けしました。頑張って受かれよな!






2020年11月23日(月)
北風吹く白滝鉱山(1)

 コロナのせいで仕事がチグハグになり、まともな休みが取れませんでした。しかし、ようやくフリーの日ができたので、石仲間を誘ってゼロ密遊びに興じました。
 四国山地のど真ん中に位置する大川村に行きました。離島を除けば国内最小の人口で、2020年10月現在は380人!うちの子どもの学校の生徒数より少ない。イベントやブランドで活気を取り戻そうと、一生懸命やっている姿勢に好感が持てます。
 しらたき王国から東にある朝谷の上流には、かつて銅山だった白滝鉱山がありました。毎年護岸工事がされて、採集できる石は少なくなっていますが、それでも私たちを楽しませてくれます。道端に駐車して少し歩くとそこが産地です。流水があるので、長靴に履き替えて出発しました。
 ここで採れるのは、キースラーガーという層状含銅硫化鉄鉱の鉱石です。主成分は鉄と硫黄からなる硫化鉄鉱ですが、数%の銅を含んでいるのが特徴です。緑色または黒色の母岩に、金色の鉱脈が走っている様は見事です。訪れる人が多いのでめっきり少なくなりましたが、小さい破片なら拾えます。
 他の鉱物として、紅簾石の結晶や黄鉄鉱の四角い結晶、黒色板状のチタン鉄鉱、やや赤っぽいメタリックな金紅石、金色の細かな粒子の黄銅鉱、黒色柱状結晶の角閃石などが見られます。また、二次鉱物として緑色の孔雀石もありました。銅を多く含んでいる証拠です。
 川原に降りて白滝の方まで登りました。昔の坑口から地下水が流れ落ちて、本当の「白滝」になっています。ここで2時間ほどのんびりとさせてもらいました。寒かったけれどホットコーヒーが美味い!






2020年11月22日(日)
土佐さめうらの朝


 早明浦ダムの南方にある道の駅です。急に寒くなってきたためか、楓や公孫樹が色づいていました。すでに一部は落葉して、裸になった枝や落ち葉のじゅうたんが見られました。寒暖の差が激しくなると紅葉します。
 こんなに寒いのに、小さい子どもが出てきて遊んでいました。ソフトクリームのオブジェ?がミスマッチです(笑)。でも寒くても食べたいときってありますよね。
 大宮ナンバーの車中で寝ている人がいました。荷物が多いので国内を渡り歩いているようです。状況が飲み込めたので、何とも言えない気分になりました。気持ちの方でも寒暖の差が激しくなりました・・・。


2020年8月2日(日)
魚梁瀬ダムを訪ねて

 馬路村にある四国最大のロックフィルダムです。コンクリやセメントの代わりに土砂を盛り上げ、積み重ねてダムを造りました。最初は水漏れしますが、石のすき間を土が埋めていくことでそれがなくなっていきます。あいにくダムの上に行くことはできませんが、横から見てもその巨大さに圧倒されました。下方には、発電機のある円柱状の建物や送電線などがあります。「やなせ」と読める樹木が茂っていました。
 貯水池はほぼ満水状態でした。湖上には小さな島が2つあり、大きな松が生えています。ボートでも出してフィッシングすれば楽しいでしょう。北岸には造成された集落があり、ここには学校もあります。静かな湖畔が広がっていました。
 帰りは北川村を経て東洋町へ向かいました。493号線を走ると四郎ヶ野峠に差しかかります。昔の街道が残されていて奈半利町まで続きます。立派な案内板が設置されており、M様の知り合いが製作したそうです。体力不足なので行かれた方は教えて下さい(笑)。




2019年12月1日(日)
汗見川で石採り(4)

 簡易郵便局のある集落の農道を進むと川に辿りつけました。大きな岩がごろごろしています。降りてみて小一時間ほど探しました。特に狙っている石はありませんが、余り良い物は見つかりませんでした。
 次に、子ども広場みたいな所から川に降りてみました。石段は急でちょっと危ないです。子どもは無理ですね。橋の下に近い場所まで中州を辿りました。黒色と黄色のマンガン鉱物がありました。品位は低そうです。先行者がいるようで割り跡が残っていました。めぼしい物はすでにかっさらわれた後かもしれません。仕方ないですね。
 更に北上していつもの場所にやって来ました。桑の川との合流点より少し下流です。今回はそこから林道を走って「赤滝」が見える展望所まで行きました。誰も住んでいないような集落を抜けて、未舗装のダートを数百m進むと案内板があります。岩肌のコケが赤く見えるから赤滝と呼ばれるとのことです。確かに赤い地衣類が見えました。滝は思ったより細くてちょっと貧相でしたが、落差はかなりありました。対岸なのでそこまで行くことはできません。この辺りに透緑閃石(アクチノライト)や紅簾石(ピーモンタイト)の露頭があるそうです。しかし、そのときは知らずに行ったのでわかりませんでした。
 いつもの場所に戻って石探しを再開しました。ザラメのような石英表面に小さい金紅石(ルチル)が残っていました。ピーモンタイトの結晶もありました。太くて色が濃いのは鉄分が多いのでしょうか?また、薄くてピンク色のタイプもありました。ちょっと風化しているけれど、滑石(タルク)もありました。よくアクチノライトを含んでいるので見つけたら要注意です。
 こうして現地滞在6時間にも及ぶ石採りが終わりました。徳島から2時間半なので、ちょっと頑張れば来られるでしょう。後はその気になるかどうかです。






2019年11月30日(土)
汗見川で石採り(3)

 再び仕切り直しで訪問しました。今回の同行はM様とK様です。足回りが良いので、M様の車に同乗させて頂きました。さて、高知自動車道の上りが復活してスムーズに走れるようになりました。つい最近まで一部対向が残って減速区間があり、ちょっと足が遠のいていました。ようやくの全開通で皆さんお疲れ様です。
 大豊ICで降りて本山町に入りました。実はここまで私はしゃべりっぱなしでした。ドライバーが眠たくなるからです。自分が運転しないなら寝ていてもおかしくないですが、ドライバーだけに責任を押しつけるのは何とも言えないので、私は努めてそうしています。最近の話題(当然のことですが石がらみ)をおもしろおかしく話すのがカギです。
 もう一つは時間稼ぎでした。谷は深く日が差し込むまで時間がかかります。薄暗がりの湿気たっぷりの空気の中にいるのは気分がローになります。そこで、谷底に陽が当たる時刻まで待っていました。ようやく石採り開始です。
 まず、蛇紋岩がたくさん落ちていました。クロム鉄鉱をよく含むのはわかっていますが、きれいな色とか模様になっているのは見つかりにくいです。しかし、じっくり探せば表面がすべすべしていて、風化しているようでかなり硬さがある良い標本が見つかります。私は、緑色のカンラン石の部分がかなり残っている石を拾いました。
 ここは柘榴石を含む地質帯ではないため、関川や銅山川で見られるような粒子はありません。変成岩が多く、角閃石を含んでいました。
 中流域に潜水橋(沈下橋)がありました。途中で壊れて渡れなくなっていました。少し下流に立派な架橋があるため放置されたのでしょう。犬が吠えているのが聞こえたので、対岸にも人家があるようです。水深は浅いので膝くらいまで浸かれば渡れそうです。






2019年7月23日(火)
汗見川で石採り(2)

 先の地点では、緑色が見えるクロム鉄鉱を採取しました。岩の表面で割りにくかったので、私は断念しようとしました。しかし、欲しそうにしていた私を慮って友人のH様が代わりに割ってくれました。よく見れば紫色の部分もあり、菫泥石(きんでいせき=カメリライト)のようです。クロムを含む緑泥石(りょくでいせき=クローライト)のことで、あちこちの河川でたまに見られます。
 次の地点は空振りでした。川原が小さかったです。いくつか回って最後に桑の川合流点に来ました。ここはアクチノライトの良い産地でしたが、すっかりとられてネットで販売される始末です。期待薄で行きました。結果はやはりそのままでした。
 マンガンやルチルを拾いました。苦灰石や磁鉄鉱もありました。もちろん柘榴石もたんまりです。でも多く採っても必要ないため、持ち帰るのは10個くらいにしました。かかった費用に対して成果が少ないようですが、損得勘定を考えたらこんなことできません。これは道楽なのでそんなのは無視です。
 昼過ぎで石採りを終わりました。ちょうどまた雨が降ってきました。ナイスタイミングでした。白髪山へのルートは今も繋がっているようで、そっちの蛭石(ひるいし=バーミキュライト)も面白そうです。また計画してみましょう。


2019年7月22日(月)
汗見川で石採り(1)

 四国の河川において、鉱物採集できる場所は限られています。ランクが高い順に愛媛県の関川と銅山川、同じく国領川と加茂川が続き、そして高知県の汗見川になります。何れも柘榴石の宝庫で、数種類ほど確認されています。最も多いのが赤褐色の鉄礬柘榴石で、次が黒色の満礬柘榴石です。これと同じ傾向は他の河川でも見られます。
 早明浦ダムから北上し、汗見川の入口に来ました。ここから遡ります。この辺りの地層は東西に延びており、それを南北にぶった切るように川が流れています。源流は愛媛との境界にあり、その向こうは銅山川です。移動するにつれて地層が変わり、見られる鉱物も違ってきます。論文を見れば、川を上るだけで異なる年代の地層が観察できる希有な場所だそうです。
 まず、第1地点に着きました。道が広くなって駐車できます。川原に降りられる道があり、アクセスが容易です。丸くて大きな石がごろごろしています。蛇紋岩や結晶片岩などの変成岩が多いです。
 実は、この変成岩に様々な鉱物が含まれます。元の石にはなかったのに、高温高圧を受けて変成することで、新しい鉱物が生成します。それらを目的に、私たちのような者が遠路はるばるやって来るのです。どなたか、ご一緒しませんか?


2019年7月21日(日)
曇天の早明浦ダム


 四国の水がめと呼ばれる大きなダムです。高さは107mあり、上から下をのぞき込むとまるで吸い込まれそうになります。汗見川の入口にあり、毎回これを見ながら遡ります。ダムの西側に駐車場があり、案内や説明の立て看があります。白滝鉱山へ向かうときも、ここで待ち合わせになるのです。
 大雨のときは放水するのでかなり水量が増えます。大丈夫とは思いますが、ちょっと心配にもなります。サイレンが鳴ったときは速やかに川原から離れましょう。自分の身は自分で守るのが鉄則です。


2019年7月7日(日)
高知朝市をぶらつく


 今日も元気に家族タクシーをやっています。今は朝の8時です。高知城から見て真東に延びる通り道に朝早くから多数の露店が並び、その間を大勢の客が行ったり来たりしています。ちょっと遅かったので仕方なく有料駐車場に停めました。無料の所もありますが、路肩に不法駐車している不届き者も多いです。
 この季節はフルーツがお勧めです。マンゴーとか小夏とか、面白そうな果物が出回っていました。こんな所にドラゴンフルーツまであって南国ムードが漂います。また、コンニャクイモとか赤いサツマイモとか、どこで採れたのか多様な作物が見られます。地元のブランド米も売っていました。
 海産物は干物が多く、四万十の青のりや干しエビもありました。ちょっとつまみ食いしましたが良い味です。少し買いました。お菓子は芋けんぴやビスケットです。歩きながらでもつまめるので食べやすいです。
 私の目当てはサンゴや石です。と言ってもほとんど店がなく、お気に入りはないので冷やかしばかりです。パワーストーンの腕輪なんかに興味ないので、それらを遠目に見ながら何かお宝はないか探しました。でも何よりもこの程よく賑わっている雰囲気が楽しいです。1時間半くらいの散歩となりました。


2019年7月2日(火)
東でなくても香東川


 高松市の南方から出て、市街地の真ん中を通って瀬戸内に注いでいます。上空を航路が横切っており、ときどき飛行機の音が聞こえます。低空を飛んでいるのは高松空港に降り、高空のは大阪行きか九州・沖縄行きでしょう。
 実は空港帰りに立ち寄っています。化石を採るつもりはなく、ただ周囲に変化がないか確認だけしました。行くのならもっと気合いが入ってからです。どうも化石になるとやる気が出ません。恐竜の化石を目の前にぶら下げられても、ふ~んくらいで終わりです。


2019年6月30日(日)
雨の金比羅温泉郷


 ヒマなのでぶらついています・・・。
 家族の研修のためアッシー君と化しています(笑)。晴れていればどこかへ石採りに行ってたはずが、この天気では動きが取れません。まず、川原が増水していたり鉄砲水の危険性があること。足場が濡れて滑りやすいこと。そして、石が濡れているのでいつもと見た目が異なり、鉱物がわかりにくいからです。・・・ですから、ヒマなのです。
 暇つぶしに来てひつまぶし食べてヒマつぶす。う~ん、座布団1枚かなって自画自賛の最中です。なお、もなかは食べていません。土産屋のどら焼きみたいなのが美味そうでした。駐車スペースがないため入店できませんでした。ちょっと困りました。
 琴平には金比羅神社があり、千段以上の石段があるのが有名で、私も登ったことがあります。入口で杖を借り、エッチラホッチラと途中から這いずるように進みました。山頂から瀬戸内海の青い海が・・・見えませんでした。それが心残りです。
 街中は道が複雑でちょっとした迷路でした。ナビは当てにせず、事前にマップで確認した方がよいでしょう。屋根付きの橋とか、よくわからないけど古い物が残っていました。鄙びた感じの雰囲気が漂う街でした。


2019年6月23日(日)
奈路の隘路を抜けて


 穴内ダムから高知市への県道を走ってみました。初めての道は緊張します。しかし、楽しみでもあります。
 山をいくつか越えると天候が悪化しました。大粒の雨が降ってきて前が見づらいです。ここはどっしり構えて、車を道端に停めてゆっくりと回復を待ちました。小一時間ほどで雨が小降りになりました。
 ふと南側を見ると、どんよりした分厚い雲の下に市街地が見えます。遠くに見える細い筋は太平洋でしょう。ここは夜景を見るのに最適です。次は夜に来てみようと思いながら、車をスタートさせました。


2019年6月22日(土)
穴内ダムでマンガンを探す

 穴内の奥に黒滝という地所があります。小さな集落でキャンプ場とかあったりして、隠れたスポットとなっています。その集落で伺いました。
 穴内ダム周辺にはたくさんの坑口が残っています。どれもマンガンを目的に採掘した場所で、二酸化マンガン鉱、菱マンガン鉱、ケイ酸マンガン鉱などを産出しました。掘る場所ごとに種類が違うため、マンガン鉱石の見本みたいな鉱山でした。
 私はここを何度も訪れていますが、最近はご無沙汰でした。坑口を確認して多少のサンプルを採取したので、自分なりに満足しています。それでも何年か来ないと、そこがどうなっているかわかりません。他者からの情報もありがたいですが、近くまで行く機会があったので、自分の目で確かめることにしました。
 マンガンが拾えた場所は、すっかり様変わりして草ボウボウでした。博物館クラスも見つけたのですが跡形もありません。あのとき無理してでも持って帰れば良かったと嘆きました。
 鳳ノ森坑も静かでした。相変わらず内部まで入る人もいるようですが、大変危険でまるで自殺行為です。ストロンチオ緑簾石とかチンゼン斧石とか、今は採れません。絶対に無謀なマネはしないでください。
 長原坑とかマンガン谷はそのままでした。辰砂を狙いの割り跡がありました。ちょっとだけ赤い物が付いていました。だんだん寂しくなったので、そこを辞して家路に就きました。


2019年6月21日(金)
赤荒峠を越えて


 本山町から穴内ダムに抜ける道を通ってみました。距離は20kmくらいで舗装もされており、狭いけれど走りやすかったです。小さな集落を2つ過ぎると、そこからは水田や畑が段々に広がり、さらに進むと雑木林になります。青々とした新鮮な葉っぱがまぶしいです。
 まもなく最高地点になりました。脇道の林道もいくつか見られました。次第に下りが急になり、眼下にダム湖が見えました。見晴らしが良いのでちょっと停めて、しばらく景色を堪能しました。悪天候の一歩手前の天気で心配しましたが、何とか無事に戻れました。


2019年6月17日(月)
四国の端のアンチモン

 四国のアンチモン鉱山は、市ノ川を代表として20ヶ所くらいありました。そのうちもっとも南西に位置するのが、日吉鉱山です。ここも遠いので訪ねるのに苦労しました。
 地元の方の話では、2つの谷に挟まれた山脈に鉱脈が走っているとのこと。西側に坑口が1つと、東側に2つはあったそうです。残念ながら道路工事のため不通になっていて、結局そこまで辿り着けませんでした。後のことは友人のH氏に頼みました(押しつけました?)。吉報を待っています。


2019年6月16日(日)
竹の花が咲いた


 山帰りに竹藪を通りかかると、何かよくわからないものがありました。同行者によると、これは竹の花らしいです。確か数十年に一度咲いて実がなって、それから竹が枯れてしまうという話を聞きました。
 この後で本当に実がなるのでしょうか?戦時中の話では、食糧不足のときに竹の実がちょうどなって助かったといいます。小さなごま粒のような実ですが、栄養価は高いそうです。一方で、野生のネズミが増えて困ったみたいです。自然が激変すると困るのはそこに住む生物です。心がけておかないといけません。


2019年5月25日(土)
海水からの蛍石?

 四国では採れないと言われていた蛍石が見つかった場所です。四国で産出する鉱物は500種類を超えましたが、まだまだ未知の物があるでしょう。その良い一例だと思います。
 表面がはがれ落ちかけた岩盤を観察し、ぽっかり開いた晶洞を探します。運が良ければ100個に1つくらい、蛍石の小さな結晶が見られます。しかし、紫外線では光らないそうです。無色がほとんどで、稀にピンクやブルーもあるようです。
 海岸線近くでは、海のしぶきが陸に上がって岩塩が形成されるそうです。陽イオンは別として塩素とフッ素の違いだから、海から蛍石はできないでしょうか?


2019年5月24日(金)
足摺の山砂鉄

 昭和時代の月報に掲載されているこの鉱山は、30年以上前から砂鉄以外に様々な鉱物が採れることで有名です(ちょっと場所が違うけど・・・。)。ジルコン・ウラノトール石など、大変細かな結晶が含まれています。採取してきた砂を少しずつ白い紙に載せて、後は根気よくルーペとピンセットで取り出すのです。私はすぐに根を上げてしまいましたが、友人のT様は淡々と作業をこなす感じで、数日かけてサンプル管3本分の種を得ました。おこぼれを頂いて脱帽です。
 山中にあるため、日当たりが良くなく湿気もあります。亜熱帯性の樹木が生い茂り、昔の畑の跡が残っています。住宅地から沢沿いに登るルートと、ぐるっと迂回して寺から登るルートがあります。範囲全体に砂鉄が含まれていますが、層がわかりやすいのは数ヶ所だけです。ある大木の根元辺りが狙い目で、木の根に邪魔されず採取できます。
 落ち葉をかき分けると黒い土が出てきました。磁石を近づけるとびっしりと付着してきます。磁性が強いのは磁鉄鉱で、弱いのはチタン鉄鉱だろうと思います。赤っぽくないので赤鉄鉱は余り含まれていないでしょう。磁石で何度も精選して純度を上げると、やや紫がかった黒光りする粒子がたくさん採れました。教えてくれた地元の方に感謝です。


2019年5月23日(木)
平野の浜の朝日

 徳島を出発して5時間。高知県西部の旧中村市東方の海岸線にやって来ました。ただ今の時刻は5時過ぎくらいかな?朝日がまぶしくなってきました。
 早起きのサーファーが波乗りを楽しんでいます。大阪や広島ナンバーも見られました。ここは太平洋に面して、形の整ったきれいな波が押し寄せます。海岸も比較的遠浅で、かなり岸から離れることができます。駐車場で仮眠してこれからってところでしょう。
 さて、私は仮眠せずに早速行動に出ます。ほぼ海水面と同じ高さの砂浜に下り、童心に返って砂遊び(?)です。シャベルで砂を掘り返すと、黒い砂鉄層が現れました。大体10cmくらいの間隔で暑さ1~3cmの層が見られます。そうした部分を狙って砂を集めました。
 この幡多砂鉄鉱山へ来るのは何度目でしょうか?とても遠いですが、車で数時間くらいなら走ってしまいます。以前に水晶を拾いました。どこかに石英層があるはずです。しかし、調べるのはまた次回(?)にして先にすべきことがあります。
 ちょっと頼まれて、砂鉄の分布調査と採取をしています。鉄からなる骨董品の身元調査です。そのために日本各地の砂鉄を比較するそうです。お役に立てれば幸いです。


2018年11月11日(日)
屋島も溶岩台地

 麓から見た屋島の南嶺です。何十年も前にはケーブルカーが走っていました。今は東側をぐるっと回る道路により、山頂と繋がっています。途中には展望所があり、八栗山や瀬戸内海を遠望できます。ただし、山頂には有料の駐車場しかなく、景色を見に来ただけの人は無理です。
 駐車場のある南嶺から北へ1kmに、もう1つの屋島である北嶺が見えます。そちらには人工物もなく豊かな自然環境が残されています。後世のためにも大事にしましょう。
 では、うどん県に来たので豪州産小麦粉から作られた麺を食べに帰ります。


2018年10月10日(水)
八栗山の採石場


 対岸の屋島から見た庵治石の採石場です。緻密できれいな花崗岩で、石碑や墓石として高級品です。八栗山西部にはこうした採石場がいくつも稼働しています。
 花崗岩の隙間に長石や黒水晶などが生えている物があります。ペグマタイトです。墓石としての価値はありませんが、標本としての価値はあります。しかし、ほとんどが面倒くさがられて廃棄されています。
 知り合った方に一度お願いしてみたのですが、現場は危ないということで断られました。ちょっと残念ですが、向こうの立場なら当然です。こうしたことがわからないマニアや学生がいるのが残念です。


2018年7月21日(土)
安田町化石体験場


 全国的にも有名な唐浜(とうのはま)の新生代化石の産地です。約270万年前の地層で、灰色の砂または赤褐色の土からなります。山を削って道を造ったとき余らせた土手をそのまま残して、誰でも自由に化石採掘の体験ができるようにしています。子どもたちに興味を持ってもらうとか、学習の場を設けるとか、安田町の方々の厚意と先見性には頭が下がる思いです。
 さて、どこへ行くにも「初めて」の場合はなかなかその気が出ず、行くまでに時間がかかります。しかし、一度行けばハマってしまって何度も出かけるようになります。ここもそんな場所でした。国道を4時間も走るのにすでに10回を超えています。私的には正木ダムに次いで2番目に多い訪問回数です。
 さて、現地は津波避難地の高台にあります。集落に避難タワーもありますが、こちらの方が標高があります。食えず貝からコンクリの階段をかなり上ると、ようやく地層にたどり着きました。貝の白い破片が散らばっています。それらに混じって完全体もチラホラ見え隠れしています。
 ウミニナのような小さい巻き貝やセンスガイ(貝ではなく単体サンゴの一種)、丸っこいベニグリ、細身のスダレガイ、サルボウのようなアサトウガイもあります。草が生えていて見えにくいですが、ゆっくりじっくりと見ていきました。
 ここではノジュールのような丸い塊をよく目にします。砂が硬く固まったもので、貝などを含んでいます。以前に、小学生がこの研究をして私も関わったのですが、全てのノジュール(便宜的に呼ぶ)に化石が含まれていました。採取した50個のうち小さい物で5g、大きい物で2kg超ありました。なお、これらは採取可能な西側の地層から転がり落ちていた物を拾いました。
 1つのノジュールには30個以上の破片が含まれ、完全に近い単体もありました。特にキヌガサガイが丸ごと入っていたのには驚きました。マテガイみたいな細長い貝やボラの仲間、カニの爪らしき物もありました。一方で、静岡県掛川市の遊家(ゆっけ)のようなサメの歯は見られませんでした。
 このノジュールは「芋石」とも呼ばれるそうです。確かに雰囲気はサトイモで形状はジャガイモみたいな感じです。面白いネーミングだと思います。


2018年7月20日(金)
食わず貝は食えず貝?


 真言宗を唱えて四国八八ヶ所を歩いた弘法大師の伝説が各地にあります。総延長1200kmで、30~40日かけて歩くのが一般的だそうです。私はまだ歩きはないですが、20ヶ所くらい回っています。
 唐浜駅の北側の断崖に看板がありました。当時の地元民が弘法大師さんに食べられる貝を供出しなかったので、この辺りの貝は全て食べられなくなったとの伝承が記されています。おそらく砂層から貝が出土することに人々が驚き、しかもそれが食べられない貝ばかり。そうした不思議さからこの話ができたと思います。
 ちょっと突っ込みを入れさせてもらうと、「食わず」ではなく食えない貝だから「食えず」だと思うのですが、皆さんはどう思われますか?


2018年7月19日(木)
室戸の海岸はごつごつ


 小さい頃に一度だけ来たことがあります。そのときの記憶は僅かですが、初めての家族旅行で高知に泊まりました。初めて黒潮を見て、岸から色がグラデーションのように緑白→緑→青→紺→黒っぽい青の順に変化するのがきれかったです。それから○十年が経ち、その間にここを度々訪れています。徳島からは遠いですが何か惹かれるところがあるようです。
 半島を回って道の駅の海岸に来ています。ごつごつした岩場が続き、白い波しぶきが立っています。小型のボートが停泊しているのは、素潜り漁をしているためでしょう。アワビやウニ、トコブシなどが捕れるようです。岩の間に白い物が挟まっていました。ブイに使っていた発泡スチロールでした。細かく割れると海洋の汚染物になります。本当に困った物です。
 サンゴも多く見られました。最大の物は長径1mもあり、重量は30kgはあったでしょう。どうしようか迷いましたが、国立公園内は採集禁止なのであきらめました。他にもタカラガイやサクラガイなどきれいな物がありました。
 公園から少し外れた浜に水晶が転がっていました。砂岩を母岩として,暑さ2cmの石英層でした。結晶は1cm内外で透明度が高いです。目が肥えてきたのか、浜のあちこちで見つかるようになりました。白くて不純物が少なくて形が良いので、「羽根(はね)水晶」と名付けました。この名が定着するでしょうか?


2018年7月9日(月)
五色台は溶岩台地

 高松市西部と坂出市東部に広がり、特殊な安山岩からなります。いわゆるカンカン石のことでサヌカイトとも言います。ただし、ここの石はあまり質が良くなくて、粒子が粗いように見えます。
 スカイラインの景色が良いところに、巨大なサヌカイトの岩塊がありました。表面が風化して灰色になっています。試しに金属棒でたたくとキーンという音がしました。石の厚みの違いで音程が変えられるので、石琴が作れます。でもこれからは暑くなるため、熱中症対策をしていくこと。ご用心!


2018年7月8日(日)
讃岐富士は死火山

 坂出JCTのすぐ南側に見える「飯野山」のことで、平野の真ん中にそびえています。標高は500mもないですが、急斜面なので登るには苦労するそうです。山頂まで続く道ははっきりせず、南麓をぐるっと回る道がもっとも標高が高い。山頂まで林が繋がっているため、展望を期待するとちょっと残念かも。
 こんな山でも沸石などの鉱物が確認されています。ゼオライトともよばれ、50種類以上もあります。太古には火山だったから、他にも鉱物が期待できそうです。


2018年7月7日(土)
丸亀城と骨付き鶏

 家族の用事(病院の研修)に付き合って、ボートレースとうどんの本場「まるがめ」にやって来ました。隣県とはいえ阿讃山脈を越えるのはちょっと難儀します。以前に軽トラがイノシシをはねた猪ノ鼻峠を突っ切って、一気に瀬戸内海へ進出しました。
 丸亀港で塩飽島(しあくじま)への航路を確認しました。離島巡りも私の趣味です。まだそんなに経験していませんが、将来はじっくりと回りたい。一応は調べておこうと思いました。レンタサイクルもあるので楽しそうでした。
 いよいよ地元シンボルの丸亀城です。水をたたえたお堀で城郭を囲い、高く築かれた石積みの上に天守閣がスッと立ってました。城の駐車場が満杯だったので、少し離れた場所に停めました。
 橋を渡り坂道を上り、途中で寄り道しながら30分で到着しました。ちょっと時間をかけ過ぎたかもしれません。天守閣には萌えキャラがいました。城郭を擬人化したようです。フェアでもやっているのかたくさんいました。中学生や高校生には大人気のようです。ネット投票もされているのかな?
 カップルの彼女が彼氏に「骨付き鶏食べよっ!」って言ってました。讃岐の女性は肉食系なのかな?まあ確かに美味しそうですが・・・。


2018年7月4日(水)
木場の化石のおこぼれ

 仕事帰りに立ち寄りました。その2です。どれだけ山奥なんだろうか?と思っていましたが、実際には国道や民家のすぐ近くでした。車が数台置ける駐車場も看板もあります。ちょっとわかりにくくて通り過ぎることもしばしばです。
 岩肌に牡蠣の化石がびっしりと付着しています。また、川中の岩には馬のひづめ、つまり馬蹄(ばてい)によく似た化石があります。もちろんここの化石を盗ってはいけません。子どもであっても子どものふりをしてもダメです!
 それでも欲しい人はずっと下流へ行ってみて下さい。琴南支所前の川原にはたまに落ちています。


2018年7月3日(火)
江畑の化石層

 満濃池の東南、江畑地区では亜炭を採掘していました。周辺の土地は褐色で有機物が多く、植物化石を多く含んでいます。当時は大型の種子などが見つかり話題になりました。
 十数年前に国道とこの地区を結ぶ隧道が廃止され、山を切り崩して道を通しました。おかげで交通の便が良くなりました。その際に掘り返された土から、様々な化石が出土したそうです。
 今も同質の土が分布しています。しかし、ポイントがわからないので化石探しは難儀しています。道の両側から細い枝や細かな種子なら出ます。草ボウボウなので探しにくいです。


2018年7月1日(日)
消えつつある三豊層

 香川の三豊層は三豊(みとよ)市の名を冠する地層で、200万年前くらいの新生代化石が産出します。しかし、これが露出している場所は少なく、工事や自然災害などにより失われていきます。もっと西部ではトンネル掘削時に見つかりましたが、そのような幸運はもうないでしょう。今は完成したので観察は不可能になりました。
 化石の会長のK氏に教わったこの地層も、この数年間ですっかり縮小してしました。毎年のように大雨により崩れて、化石層が失われていくためです。今のままなら後十年くらいでなくなってしまうかもしれません。どうしようもないのが歯痒いです。
 同じ地層でも産出ポイントがあります。何度も通っているとこの辺りは枝が多いとか、あの辺りは種子が多いとかわかります。種子は松ぼっくりを平べったくつぶしたような形状や、黒い碁石をちょっと小粒にしたような物などが見られます。枝や根の見た目は現生種と区別できません。化石も現生種が枯れた物も似ているからです。那須塩原のように昆虫の化石が出ることも稀にあるそうです。私はまだ見たことがありませんが、ここで見つけたいと思っています。
 大きな木の皮が出てきました。種子ポイントのすぐ横です。先人が掘っていた横穴のすぐ近くでした。とりあえずキープです。湿っている状態でチャック付きの袋に入れました。ここの化石は、乾燥させるとぼろぼろになってしまうことがよくあるのです。百均に行けば購入できるので常備しています。今回も役に立ちました。
 大水が出るとここは採集不可能になります。水が引くまでずっと待つのですが、その間に地層がなくならないか心配です。早めにじっくり時間を取り、この産地を調査してサンプルを含めて情報を後世に残そうと考えています。
 讃岐平野と阿讃山脈の境界辺りを東西に亜炭層が分布しています。また、東部には和泉層のアンモナイト、平野部の小山には沸石などのケイ酸鉱物、北部の領家帯には水晶や長石などのペグマタイトが見られます。調べてみれば、以外にも鉱物や化石の宝庫なのです。



2013年11月3日()
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