徳島鉱石クラブをご覧の皆様、明けましておめでとうございます。今年もお引き立てのほどよろしくお願いいたします。
だるま朝日が昇って1時間くらい経った頃、私は自宅で石割りをしていました。後で割ってみようと持ち帰った石がちょっと溜まっていたので、この休日に整理しようと思ったからです。寒い中ですが、高越や関川、国領や加茂川、そして眉山の石もありました。石英質の石を割ると先端部が鋭く尖ります。危ないので軍手を履いて、防護用に傷だらけになった眼鏡を付けて次々割っていきました。
6個目を割ったとき断面に板状の鉱物が含まれていました。灰黒色で金属光沢があり、高越山や関川でときどき見かけるチタン鉄鉱です。昭和40年代の保育社発刊の鉱物図鑑には、眉山のルチルとともにこの鉱物が掲載されています。言うなれば銘柄標本であった訳ですが、これの産地はまったく知られておらず、ルチル以上に産地不明の鉱物でした(ルチルの産地は知られていますが、現在は某病院のコンクリのよう壁に埋もれています。)。
・・・さて、困りました。眉山の石は間違いないのですが、どの場所から採取してきたかが思い出せません。旧年中に行ったことのある場所をもう一度見て回る必要が出てきました。別の石から黄白色のくさび状結晶が見つかりました。これも見たことがある鉱物で英名スフェーン、和名はチタン石です。透明な物は宝石にもなります。これで眉山のチタン鉱物3種がすべて出そろいました。
採集についてはK様をはじめとして、県森林局や登山道ですれ違った名も知らない方々にお世話になりました。ありがとうございました。次は鉱物の質のレベルアップを目指します。頑張ります! |
チタン鉄鉱 FeTiO3
灰黒色板状結晶、弱い磁性あり
金紅石(ルチル) TiO2
赤~黒色柱状結晶、稀に双晶
チタン石 CaTiO3
黄白色結晶、別名くさび石
主な産地
関川・五良津河又、銅山川、
白滝鉱山、高越山など |