日陰に荷物を置いて採集開始です。K君は手前の川原、H氏はズリ、そして私は上流の気になる場所です。遠目にも青く見える場所がいくつか確認できました。近寄ってみると銅(Ⅱ)イオンがにじみ出ているようでした。緑青というよりはクリソコラか白い石こうが混じっているような感じです。石の表面に青白い膜が付着して余り触りたくはありません。それでも気を取り直してサンプルを回収しました。後日この青い物質をアンモニア水に溶かしてみました。すると、深青色とよばれる群青色の水溶液ができました。テトラアンミン銅(Ⅱ)イオンの色です。これにより銅が含まれていることがわかりました。
割れ目が新鮮なキースラーガーや濃い色の紅簾石、薄い紫石英やチタン石、黄鉄鉱や黄銅鉱、緑簾石やルチルなどが見つかりました。しかし、ここの名物の斑銅鉱がまだです。2時間経過したところでお開きにしようと声をかけました。すると、K君が「あったぁ~!」と声を上げました。小さいけれどきれいな斑銅鉱でした。しかも曹長石に含まれています。一般的には石英に含まれた状態で見つかりますが、これは見慣れていないパターンのでとても新鮮でした。K君も大喜びでした。粘り勝ちです。お疲れ様でした。 |
岩の間から銅がにじみ出ている
この日は5カ所ほど確認した
緑色の膜状の孔雀石もあった |