赤外線送受信機

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実用レベルに達するかどうか見当がつかない中での新たな挑戦
 前回作ったマグネットアクチュエータドライバは飛行機に搭載して素晴らしい働きをしてくれている。自分が勉強した成果がきちんとその働きとして反映されるのはとても気分がいい。気をよくして少々困難とも思える赤外線ラジコン送受信機の実用化を模索しながら勉強をしていくことにした。

 海外で、軽量な R/C インドアエアプレーンを赤外線送受信機を使って飛ばしているのをみかける。赤外線受信機は 2g ほどしかない。使われているのはその軽さにある。そこでこれから PIC を使った超軽量赤外線受信機と赤外線送信機の製作を目指す。

 赤外線受信機は受光部が赤外光の陰になると動作しないと言う欠点がある。その欠点を補うためには受光素子をダブルで使うとか、送信機の赤外光を強力に送り出し、建物からの反射光も受信できるようにするなど、実現するには困難な課題も多い。

 狭い体育館で飛ばすことを考えても 30m ほどの通達距離が必要になる。一般家庭で利用しているテレビのリモコンはおよそ 7m の通達距離だ。 1 個ないし 2 個の赤外発光ダイオードが内蔵されている。受光面に到達する赤外光量は距離の二乗に反比例することから、その距離を倍に延ばすには単純に計算して赤外光の光量を 4 倍にしなければならない。 4 倍の距離約 28 メートルの通達距離とするにはさらにその 4 倍の光量、つまり 16 倍もの光量が必要になる。実際には赤外受光素子の感度、壁面からの反射等が作用すると思われるので計算通りにはならないだろう。最近使われている Z-TRON 赤外線ラジコン送信機の画像を見ると 15 個もの赤外発光ダイオードが使われている。

 電波を使うラジコン送信機は、 およそ 3W ほどの電力を消費している。赤外線受信機が軽量にできるなら、赤外線式送信機の消費電力が現在使用している R/C 送信機と同程度の電力を消費しても、赤外線送受信機を試してみる価値は十分にある。

 現在手元にある FM 受信機で一番軽いのは 2.6g 。それ以下で赤外線受信機が作れなければ、わざわざ赤外線による送受信機を作る意味がないのだ。そうはいうもののそう簡単に軽量な受信機ができるとも思えない。これからの実験で何とか飛行機に搭載できるようなれば素晴らしいが、今のところできるかどうかについては未知数だ。

 赤外線受光素子はテレビ受信機等大量に使われているので小型で軽量なものが入手できる。赤外発光ダイオードもある程度高輝度のものがあるようで、赤外投光器などで使われているものが利用できそうだ。あとは PIC で受信したチャンネル出力をデコードできればいいことになる。

 受信機の仕様としては、スロットル出力とラダー出力があればとりあえず実用になる。 CO2 モータを搭載するなら 1 チャンネルあればいい。とりあえず 2 チャンネルの赤外線ラジコン送受信機の製作を目指す。赤外線受信機は 2g を目標とする。

 一般的に使われているテレビ等のリモコンは、その発射する赤外光が代表的なもので 38KHz 程度の周波数で変調されている。変調された赤外光は、受光素子で復調されて元の波形に戻される。一般的に TTL レベルの出力だが、今回使用する電源は Li-Ion 電池になるので 3.6V が電源電圧となる。赤外線受光素子のほとんどが定格電圧 5V となっている。一部 3V 定格の受光素子もあるが、今のところ入手するのは難しそうだ。

 私が知る唯一の赤外線ラジコン送受信機は、緒方さんが Dynamics Unlimited から調達したもので、送信ユニットをラジコン送信機にトレーナケーブルで接続して使うタイプ。送信機内部で作られたシリアルパルスに変調をかけて、送信ユニットから赤外光を発射していると思われる。残念ながら緒方さんの赤外線送受信機は通達距離が短く、うまく飛んでくれなかった。そのためかどうか判らないが、今はもうそのシステムは発売されていない。

 受信機は新規に作るが、送信機はとりあえず手元にあるものを赤外線式の送信機に改造するのが手っ取り早い。使わなくなった JR の送信機があるので改造を試みる。

 今回のような実験ではオシロスコープがあるととても便利だ。幸い古い二現象オシロが再び活躍の場を得た。 PIC の勉強に大いに役立つ。

 早速実験に必要な部品と、 PIC 関連部品が一部不足してきたので赤外受光素子と合わせて、今後必要と思われる部材を秋月電子通商に注文した。


  • 赤外受光素子、PIC、ユニバーサル基板、発光ダイオード他調達出費10,460円
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    2002/07/08