【順序】
普通の手順としては
研究が完成したとき
まず口頭発表します
口頭発表は10分ぐらい
話すだけですから簡単で
予稿も短い物で済みます
口頭発表の済んだ後
その際の質疑応答や
発表後に寄せられた
意見なども参考にし
て論文にまとめます
要するに口頭発表は
論文を出すときの
中間ステップです
【審査】
学会に口頭発表の申込をしたとき
拒否されることは普通ありません
申込書に書いてる事が簡単な概要
だけなので、適切/不適切を判定
することが事実上困難だからです
それに対し、論文誌に掲載したい
場合は、論文を学会に提出します
学会側はそれを受理し、査読者を
選定して、論文誌に掲載するのが
適切か否か、審査してもらいます
不適切と判定されれば返却します
【速報性】
研究者にとって口頭発表は
気軽に利用できて便利です
たとえば、速報の手段として使えます
(対比)
論文は、投稿しても、査読で待たされ
コメントがついて書き直させられたり
掲載の順番待ち、特集号まで待機とか
組版、校正、印刷にまた時間がかかり
論文誌に載るのは約1年先になります
口頭発表は非公式という面があるので
ある会合で発表、別の会合でまた発表
というような事をしても、それぞれの
場所の性格に合わせて、説明の内容を
変えれば、認められることがあります
特に、大きな学会の全国大会で発表し
地方支部で詳細報告をし、専門委員会
も発表、というのは公認されています
それに対し、論文の2重投稿は厳しく
禁止されているので、注意が必要です
【ご利益】
論文には厳しい審査があるので
学会誌に掲載されれば世間では
「専門家に認められた論文」
として高く評価されます
研究者が移籍するとき、たとえば
大学院や研究機関に転職するとき
「論文を何本書いたか」
を質問されます。昇格する場合や
科研費などを申請する場合にも
「その分野の論文の本数」
が問われます
口頭発表は、あまり評価されません
「口頭発表5本を論文1本に換算」
のようにしてくれる事もありますが
全く無視するケースが多いようです
連名で発表する場合の名前の順序も重要で
「筆頭者」が高く評価されます
【提出先】
論文をどこに投稿するかも要検討事項です
2重投稿できませんので、できることなら
高く評価される(当該分野の)一流学会に
載せることを考え、無理なら次の可能性を
狙います
学会側から見ると、その反対で
できるだけ優れた論文を載せて
学会の評価を高めたいわけです
お互い様ですね
口頭発表は、そういう事よりも
関心のある人に聴いてもらって
実のある議論をしてもらいたい
必ずしも、学会でなくても良い
両者をうまく使い分けましょう