筑波宇宙センター訪問。    09,10,12

   かっての仕事仲間の会の企画で茨城県つくば市の筑波宇宙センターを訪問する機会を得た。種子島や 
  NASAの人工衛星打ち上げをテレビで見ることがあっても、打ち上げロケットや人工衛星の実物を見るの
  は初めてなので興味津々の見学だった。筑波宇宙センターの正式名は宇宙航空研究開発機構(JAXA・・
  Japan Aerospace Exploration Agency)筑波宇宙センター(Tsukuba Space Center)という独立行政
  法人。JAXAとは日本版NASAのことである。宇宙センターの正門を入ると正面に53mもの実物大の巨
  大なロケットの模型が鎮座している。H-2A型の模型だそうだ。

   見学して得たにわか知識を要約すると、
  @人工衛星を打ち上げる国産ロケットの性能は世界の主要ロケットに肩を並べる水準に達していて、A
  宇宙開発事業団(いまのJAXAの前身)と三菱重工がロケットの研究開発〜製作を受け持ち、B純国産
  初のN-1ロケットを1975年に完成させ、その後、H-2、H-2A型、現在は最新のH-2Bロケットまで改良
  されている。H-2Bロケットは今後の主力ロケット。CH-2A型は現在わが国の基幹ロケットとして気象衛
  星など各種人工衛星の打ち上げに活躍していて、D今年種子島から打ち上げ成功した最新型H-2Bロ
  ケットは全長56m、直径5,2m、重量551トンという巨大なもので、エンジンの出力はなんと1分間で東
  京ー大阪間を飛ぶスピードを持っている。E構造は、本体と2〜4個の発進用のブースターからなり、本
  体には2段ロケットなので第1段、第2段エンジンと、燃料となる第1段、第2段の液体水素タンクと液体
  酸素タンク、ロケット先端の衛星フェアリングを内蔵している。E筑波宇宙センターにはこのロケットの実
  物や、今までに打ち上げた気象衛星「ひまわり5号」などの人工衛星の実物と実物大の模型、世界14
  カ国が参加した国際宇宙ステーションの50分の1模型、これに参加する日本初の有人施設「きぼう」
  日本実験棟の実物大の模型などが展示されていて、Fこの「きぼう」の船内実験室に入って見学する
  こともできるし、宇宙飛行士の若田さんなどが訓練を重ねた無重量環境試験棟や宇宙飛行士養成棟
  などの施設も見学できる。Gロケットの偉容さに比べて人工衛星は意外に小型である。
  概略はざっとこんなものであった。

   今、盛んに独立行政法人や特殊法人などの見直しが進められていて、法人自体の存続の是非、予
  算額の見直し、天下りの根絶が検討されている。この宇宙航空研究開発機構(JAXA)も例外ではな
  い。ただ、この宇宙開発技術や、先端生命科学、量子物理学などの基礎研究、先端技術の研究開発
  は、少しでも怠たれば激烈な世界的競争に立ち遅れることは自明の理である。国費の無駄の排除と
  国民生活の支援は当面の喫緊の課題には違いないが、将来の日本の発展のための重要な投資は
  避けるべきではない。要は選択する先見性と果断な実行力ということだろう。

      守るべきものを守り抜く冷静さと、
          切り捨てるべきものを切り捨てる勇気と、
               そして いずれを守りいずれを切り捨てるかを
                       判断する知恵を与えたまえ!     
                                 ラインホルド ニーバー (米国の神学者)


  翌日、霞ヶ浦国際CCで小雨決行の親睦ゴルフ。仲間16名。グロス101の惨憺たるスコアであった。
  筑波宇宙センター入り口に展示されている
  H-2Aロケットの実物大模型。全長53mある。  

  
  左手前のH型から最新型のHー2B(右端)
  までの模型が展示されている。


  エンジン本体。これがロケット内に二つ配
  置され、打ち上げごとに一つずつ切り離さ
  れて宇宙に放出される。やがては燃え尽
  きる。