野毛の大道芸
  
  例年今頃になると横浜の野毛を中心に昔懐かしい大道芸の芸人達が集まってお祭りが開かれます。
 最近は外人の芸人も華麗な演技を披露して目を楽しませてくれます。私を含む昔仲間の遊び人数人は毎年
 日を決めて野毛の商店街の一角にあるおでん屋「いわき」に集まり女将の手料理で一杯やりながら芸人を
 店の中に呼んでは持ち芸を披露して貰っています。
  今年は10月22日夕方、示し合せて6人の元粋人が集合しました。今年も「いわき」に呼んだ芸人はいつも
 の二人。1人は津軽三味線の湯浅大吾くん。彼は6年前に津軽三味線に惚れ込みこの道に入った若手の有
 望株です。4年前から毎年この店に呼び演奏を聞いては「おひねり」を渡し激励しています。今日の演奏は
 「よされ節」「じょんがら節」「あいや節」「すなやま」の4曲。どの演奏も成長著しいものがありました。奥さん
 の歌う民謡は抜群ですが今宵は都合で来ることができませんでした。
  もう1人は野毛山節保存会の片山波さん。彼女は端唄、長唄、民謡、都都逸、何でもござれの芸人で「波
 の会」という勉強会のお師匠さんでもあります。毎年彼女の三味線で「野毛山節」を歌わされるのには閉口
 しますが話し上手で憎めないお姐さんです。変わったところでは彼女の相撲甚句は男と違ったなんとも艶っ
 ぽい雰囲気があって、ついつい「おひねり」も少しはずんでしまうことになりました。

 津軽三味線の湯浅君です。
 若手の有望株でとても素直な
 好青年ですのでいつかは大き
 く羽ばたくに違いないと贔屓に
 しています。
 色香褪せぬお波お姐さん。
 啖呵を切らせたら並の男達は
 ○○が縮むこと必定。

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