明月院ブルー。 19,06,29 早いもので、あっという間にもう今年の半分が終わり、今年の後半戦に入る。 久しぶりに箱根にゴルフに行こうと予定を立てていたが、この所天候が不安定 でゴルフをやる気分ではないので、例会の出席をキャンセルした。 箱根の日帰り温泉とランチを楽しみにしていた家内ががっかりしていたので、 急遽北鎌倉の墓参りと明月院のアジサイ見物に切り替えた。 明月院はアジサイ寺ともいわれ、特に6月の明月院はアジサイ見物の観光客 でにぎわう。どんよりとした梅雨空だが、やはり沢山の見物客で賑わっていた。 若い男女のカップル、外人客、ご婦人達が多く、盛んにカメラのシャッターを切 っていた。 明月院のアジサイのほとんどはヒメアジサイで、その青さは明月院ブルーと 呼ばれ人気が高く、日を追うごとに青さを増していく。今が最盛期で数千本の アジサイが妍を競うように咲き誇っていた。所々にピンクや白のアジサイが咲 いていた。 明月院ブルーのアジサイ 本堂のわきに真っ赤なノウゼンカズラ、気が付かないと見逃してしまう岩肌 にイワガラミが咲いていた。そういえば明月院に来る途中の民家の庭にヤマ ボウシが咲いていた。今頃の箱根のゴルフ場はヤマボウシがきれいに咲いて いるはずだ。 ヤマボウシとハナミズキはよく似ているが、花びらの先端が尖っているのが ヤマボウシで、先端が丸いのがハナミズキ。我が家の庭に咲いているのは ハナミズキである。 本堂とノウゼンカズラ イワガラミ アジサイの咲く小道の所々に青地蔵と花想い地蔵、六地蔵が置かれて いて見物客の目を癒してくれる。60年前の明月院は、当時からアジサイで 知られた寺だったが、今のように整備された庭園ではなかった。しかし閑静 な趣のある寺だった気がする。昔と今とは隔世の感がある。 花想い地蔵 明月院はもともと永暦元年(1160年)山ノ内經俊によって創建された最明寺 の塔頭で、その後北條時頼・時宗によって最明寺→禅興寺と名を改めてか ら寺域を拡大し、寺格も高く、歴代住持も蘭渓道隆はじめ第一級の名僧がつ とめた。 五山十刹の制度が整うと、禅興寺は関東十刹の第1位に格づけされ、長く 栄えたが、足利以降は衰微し、遂に明治初年廃寺となった。残された塔頭が 「明月庵」で、その名を「明月院」に改めて今に存続している。 今は跡形もなく場所も特定できない幻の禅興寺だが、その場所が明月院 に隣接していたと伝えられていて、その場所を求めて、付近を探索したこと があったが、ついにその痕跡を探し当てることができなかった。今から50年 以上も昔のことである。 こんな数奇な歴史を持つ明月院だが、時代の栄枯盛衰の片鱗を感じさせ ることもなく、何事もなかったかのように我々を迎えてくれた。 梅雨時らしく小雨が少し降り始めた。 |