三浦海岸の河津桜。     12,03,10

    春の風物詩・桜の季節には少し早いが、それに先駆けて、早咲きの桜として知られる河津桜を
   楽しむシーズンがやってきた。その名の通り、発祥の地である伊豆の河津では、2月5日(土)から
   3月10日(木)まで「河津桜まつり」が開催されているが、今年は寒さの影響を受け、開花が大幅に
   遅れていて、祭りも1週間ほど延期になっている。河津桜は花の寿命が長いのが特徴だ。
    ソメイヨシノのようにパッと咲いてパッと散っていくというのではなく、長い期間を楽しめる。色合い
   も他の桜とは微妙に異なって少し赤が強い。以前は無名の桜だったが、近年有名になり、多くの
   花見客で賑わうようになった。

    本家筋の伊豆の河津桜に比べて規模が小さいが、ここ数年三浦半島も河津桜の名所になりつ
   つある。京急電鉄の三浦海岸駅から線路沿いに小松ヶ池公園までの約1kmには、約1,000本の
   河津桜が植えられている。線路沿いには桜のほか、菜の花も同時に咲き並び、色とりどりの景色
   や春の香りを楽しめる。天気の良い日だと、青空と桜と菜の花のコントラストが素晴らしい。

    3月7日、友人S君から電話があり、「天気がいいから河津桜を見に行かないか。」と誘いがあっ
   た。先月末に文化財研究会の観桜会が開花遅れで中止になったばかりなので、そろそろ咲き始
   めたろうと勝手に決め込んで誘いに乗った。

    三浦海岸駅前には特設テント村が開かれていて、地元産の野菜、海産物、大根焼酎などの特
   産品販売ブースが威勢よく営業していた。駅前の桜は3分咲きというところか。やはりまだ早そう
   だ。道案内に従って歩道を歩く。歩道沿いの河津桜は寒さの影響を受け、開花が大幅に遅れて
   いた。木によって開花の進み具合が異なっているがまだ2分咲きにもなっていない。あと10日ほ
   ど先の3月中旬が見頃だろう。

    京急線の線路沿いを小松ヶ池公園まで歩く。桜は駄目だが歩道には菜の花が満開で見頃だっ
   た。公園を過ぎて小松ヶ池まで歩く。満開時にはここは桜見物客が弁当を広げるスポットだが、
   今日は見物客もまばらで立ち止まる客は少ない。野鳥を観察するバードウォッチングの客がいた。
    公園付近に咲く紅白の梅の花が満開だった。今日は桜見物の筈なのに、梅と菜の花が主役を
   務めてくれた。

    少し花曇りだが、気温は春めいた暖かさだから散歩にはもってこいだった。2時間ほど歩いて
   海岸駅まで戻り、テント村でマグロを買い、友人と別れて帰宅した。多少は疲れたが8千歩ほど
   歩けたので体力も回復に向かっているようだ。帰宅して夕食にマグロのヅケ丼を作って食べさせ
   た。菜の花のお浸しを添えて昼間見た一面の菜の花を偲んだ。


    三浦海岸駅前の河津桜。

 数本の桜の木のうち、一番
 咲いている花の木を撮った。