寿会19. 19,09,02 8月28日(水)から3日間、箱根CCでは、世界21か国のジュニアのゴルファー64名 が集まってジュニア世界大会が開かれた。アジア太平洋ゴルフ連盟(APGC)が主 催する大会で、APGC Junior Championship Mitsubishi Corporation Cup 2019とい う大会名だった。 各国のジュニア2名がペアとなって戦う国別団体戦と、個人戦が行われ、日本か らは全国から選抜された高校生6人が2名ずつの3チーム編成で参加した。 Europe Golf Associationは、ノル ウェー、フランス、オランダ、ドイツによるTeam Europeを派遣していて、国際色豊かな大会となった。 ローエストハンディキャップは+6.4、プラスの選手が 20人もいるのでレベルの高 い試合となった一方、ハイエストはモンゴルの選手の 36なので、APGCの基本理 念の一つである「ゴルフの窓を広く開ける」という主旨が実現された大会だった。 この大会期間中、我々箱根のメンバーはパトロンとして大会運営に協力できる が、プレーができないので、協力関係にある名門ゴルフ場、例えば来年の東京オ リンピックで使用される霞が関GCなど数か所でメンバー料金でプレーできる。 私のゴルフ仲間と相談して、近場の箱根湖畔GCを予約しておいたが、当日あい にくの雨模様の為、やむを得ずキャンセルする羽目になってしまった。 さて今年も箱根CCでは、数え歳80歳以上が参加する「寿会」の季節がやってき た。春と秋の2回、プレー費や食事など一切が無料の招待ゴルフなので、これを 楽しみに老骨に鞭打って参加するオールドメンバーが多い。 今年は例年より若干少ない12組、35名の参加だった。ゴルフ場から無償で支給 された赤のベストと帽子を着用して全員で記念写真を撮るのが恒例となっている。 もちろんゴールドティーを使用するが、距離が短くなっても飛距離の出ない我々に は、スコアは白ティーの時とあまり変わりはない。 年寄り集団なので、プレーはスリーサムに決まっていて、のんびりとしたプレー が許される。それでも90歳近いのにシングルプレーヤーがいるのには驚きもする し感心もする。彼等は一様に体幹がしっかりしているからショットに安定感があり、 よく飛ぶのには脱帽するしかない。 照りつけるような夏の暑さもようやく収まりを見せているとはいえ、それでも残暑 が厳しい中を、何とか36ホールをプレーすることができた。最近では朝30分の散 歩もままならず、そそくさと家に引き返すことが多く、ゴルフも途中リタイアを心配 しながらのラウンドだったが無事に完走できたことはうれしい。 一緒に回ったパートナーの一人は私より5歳ほど年上の方だが、ハンデ6という 方で、よく飛び小技も抜群で、もちろん80台で回られた。この方に引きずられるよ うに、私も快調に回ることができ、いくつかの不本意な失敗はあるものの、珍しく グロス98と久しぶりに100を切り、ネット68で35名中6位に入賞できた。 プレー終了後は小食堂で、成績発表、賞品授与、懇親会が行われたが、私は 家内との別の予定があるので、名物の「箱根いちごジャム」と記念写真をもらっ てお先に失礼した。 箱根CCではメンバー全員カートはめったに使用しない。フラットなコースだから 歩くには足腰が鍛えられて運動にはもってこいなのだが、用心してカートを利用 した。 最近は、スコアはもとより、36ホールを歩き切る自信もなくなりつつある。三途 の川(飛ばず、寄らず、入らず。)が当たり前で、スコアは100叩きどころか除夜 の鐘も珍しくない昨今である。 80歳を過ぎると急速に体の衰えが感じられる。満82歳、いよいよゴルフも最後 かなと思いつつのプレーとなっている。 伊達政宗の 「馬上少年過ぐ、世平らかにして白髪多し、残躯天の赦すところ、 楽しまざるをこれ 如何んせん。」 を引用して、うそぶいていたつい数年前まで の意気軒昂たる遊びの志が遠い夢のようである。 明治の洋画家、中川一政が歌会始の召人に選ばれて召歌を詠進した歌は、 「若き日は、馬上に過ぎぬ残る世を 楽しまんと言いし伊達の政宗あはれ 」 だった。 老いが忍び寄る正宗のやせ我慢の心意気を、「あわれ」と謳った中川一政の 感性が少しは判る年齢になったきたとつくづく思う。 ”老兵は死なず、ただ消え去るのみ。” マッカーサーも同様、この世と現役に 未練たっぷりのやせ我慢の心境だったのだろうか、その声が何かしら虚しく響く。 |