こぶしの会。   14,04,10

   箱根CCのゴルフ仲間に「こぶしの会」というユニークな会がある。植物学の泰斗
  の学者先生が会長を引き受けていて、年に4回集まってゴルフをやる傍ら、毎回
  草木の講演をして、会員がゴルフ場に咲く四季の草木の知識を深め、ゴルフ終了
  後には小田原市内の某所に繰り出し懇親を深める会なのだそうだ。私も入会を
  誘われているがゴルフ場までの足に車を使っているので入会は控えている。

   「こぶしの会」と命名した謂れは、箱根CCには多くの辛夷が咲いているが、春先
  (ちょうど今頃)に辛夷についての先生の薀蓄を聞いたのが命名の所以だと聞いた。
  また会員はみな老人ばかりなので、「古武士」(こぶし)に掛けているとも聞いた。
  いずれにせよ老人の趣味の会である。

   2月初めにタイで今年初めてのゴルフをやってから2か月ご無沙汰していたが、
  先月中旬、釣り仲間の誘いで彼のホームコースの伊豆スカでプレーして90前半
  という好スコアを出し大いに気を良くしていた。

   この所好天気が続いているので、今年初めて箱根CCに出掛けてプレーをして
  きた。いつものように家内同伴で、家内は湯本で車を降りて日帰り温泉めぐりと
  某ホテルでの昼食という単独行である。

   箱根CCはコースがフラットで、特別に頼んだ老人以外はカートを使わないから、
  全ホール歩くので健康保持にはもってこいだし、だいいち芝生を歩くのはすこぶ
  る気持ちがいい。早川の源流がコースを横切っているが、澄んだ水が温み春が
  輝いている。「壺中天地」と称される箱根CCの豪快な自然美を十分に堪能できた。
  コースの随所に咲く辛夷の花は今年は花芽が少なめで、少し盛りを過ぎたように
  色があせ始めていた。

   私のゴルフ同伴者に例の辛夷の会の常連メンバーが2人いて、同伴の1人は
  今年90歳に近い方だが、ゴルフ終了後は今日も小田原の19番ホールに行くそ
  うで、何ともうらやましい気力の持ち主だと感服した。私のスコアは50,50、の
  100だから可もなし不可もなしというところ。

   帰りはホテルで家内と合流し134号線沿いにある窯焼きピザが評判のファミレ
  スに入り、相模湾に落ちる夕陽を眺めながら軽食を食べて帰宅した。

   明日から白内障の手術で1週間入院する。しばらく海を眺めることはできない。
  しばしの見納めだった。