開場記念杯。      12,07,22

   今年も箱根CCの開場記念杯の日がやってきた。日本中が炎天下の毎日だがこの日は
  一転して曇り空。気温が下界よりも3度ほど低い箱根CCは日中の気温が20度以下で、
  風もなく絶好のゴルフ日和になった。しかし1昨年の開場記念杯の時に熱中症に罹って往
  生したので油断はできないし、まして最近は家に引きこもり散歩もままならないのでゴルフ
  に対応できる体力・筋肉が萎えてしまっている。

   今年2度目のゴルフなのでスコアよりも完走することが目標だった。結果は何とかアウト
  は順調に廻れたが、後半は足腰がバラバラでクラブを杖代わりにしてよたよた歩く始末。
  辛うじて完走はしたがスコアはグロス100越え。順位は参加者120名中100位程度だった。 

   終始パートナー3人に迷惑を掛けっ放しだったので頭が上がらなかったが、さすが箱根の
  メンバーさんは紳士で、最後まで和気藹々として気持ちよくプレーすることが出来た。今日
  はそれで十分満足だった。恒例の屋台や出店がずらりと並び、和洋中華食べ放題飲み放
  題の無料サービスデーだから、あちこちで子供・孫連れの家族ぐるみが歓談していた。日
  帰り温泉を楽しんだ家内とゴルフ場で待ち合わせ、バイキングを少々食べて帰宅した。

   ゴルフの話はそれ位にして
   余談だが、箱根CC理事長の細川さんは湯河原で陶芸や書や絵画を楽しむ悠々自適の
  生活をされているが、政界引退後の処世訓に「跡なき工夫。」というのがあるそうだ。

   この意味は自分の過去の足跡を残さない。すべて消し去ることだという。真意の程は聞く
  べくもないが、自分の過去に未練のない私にとっては我が意を得たりと思わず膝を打ちた
  くなる。足跡を残す工夫をする人がいるかと思えば、私のように足跡を消そうとする人間
  もいる。思えばこの10年間、私は至る所で「跡なき工夫」を実践し、また仕掛けてもいる。

   細川さんは最近横浜国大の宮脇昭名誉教授たちと一緒に「瓦礫を生かす森の長城プロ
  ジェクト」を企画、今年の5月に財団法人の設立総会を開いて理事長に就任した。今回の
  震災を教訓に、青森から福島に続く海岸部300kmにわたって高いマウンド(盛り土)を築き、
  そこに瓦礫と地中に深く根を張る広葉樹を植えて、巨大津波から街を守る「緑の防潮堤・
  防潮林」を築こうという壮大で夢のあるプロジェクトである。

   「防潮の樹林300`構想」のミソは瓦礫を厄介者にせず有効な資源として活用すること、
  木材、コンクリート、レンガなどの瓦礫をマウンドと混ぜることによって地中に適度な空気
  層がうまれ、森の成長が促進されるのだそうだ。目標は10年間に9000万本。宮脇教授
  のこの壮大な素晴らしい着想に細川さんたちが共感してこのプロジェクトを立ち上げた。

   宮城県気仙沼市のNPO法人「森は海の恋人」理事長の畠山重篤さんもこのプロジェクト
  に参加しているようだ。云わずと知れた畠山さんはカキ養殖業を営むかたわら、森からの
  養分が川を通じて海を豊かにすることを重視し、森を育てる「森は海の恋人運動」を続け
  てきた人だ。

   被災地支援にしろ脱原発にしろ最近は悲観的な話がはびこる中で、数少ないポジティブ
  な朗報が「森の長城プロジェクト」だ。批判や非難を職業とする評論家たちの話や、自己
  弁護に終始する利害関係者、学者の話は聞き飽きた。今の世の中、眼からうろこの逆転
  の発想の提案をもっと聞きたいもの。このプロジェクトを支援する市民ネットワークも広範
  囲に立ち上がっている。

   1口500円の寄付や、シイ、タブ、カシなどの照葉樹の若い苗木を育てて寄付をする意
  義のある参加を求めている。せめてささやかだが協力の証を示したいと思う。

   なお友人S君から、「今日開かれた横浜市民レガッタで優勝した。ドジョウが2匹いた。」
  と速報が入った。ボートとゴルフの自慢話合戦は全くの完敗である。詳細は不明だがいず
  れ祝賀会を所望されることは間違いなかろう。