初春の珍事。     16,02,08

  41,42という近年稀な驚くべきスコアが出た。箱根CCの出来事である。

  恥ずかしい事だが、3日前に生まれて初めて左胸の肋骨にヒビが入っている
 ことが判り、医者から暫らくは安静にするよう診断されたばかりである。

  激しいくしゃみをして体を前かがみに折った時に左胸にビビッと電気が入った
 ような痛みを感じた。心筋梗塞とも違う痛みなので筋肉痛かと思ったが、どうも
 痛みが尋常ではないので整形外科でレントゲンを撮って調べたら、肋骨に小さ
 なヒビがあると診断された。

  ゴルフどころではなかったが、約束を反故にするのも嫌だったので、無理をし
 て迎えに来た仲間の車に乗り込んだ。言い訳をしながらのゴルフだったが、当
 然痛みを気にしてのスイングだから力が入らず、コンパクトにならざるを得ない。

  結果的にそれが功を奏して、件のスコアとなった訳である。1パットが7回と
 いう偶然やまぐれもあったにせよ、83というスコアはほぼ30年ぶりの快挙だ
 った。

  無理なスイングがミスショットを生み、スコアを乱すのは長年の経験から熟知
 している。コツをつかんで過去何度もゴルフ開眼(?)をしているが、すぐ元の
 木阿弥になってしまう。ゴルフ人生はその繰り返しで、もはや上手になる事は
 とうの昔に諦めている。グロス100叩きは近年当たり前のことで、悔しいと思
 ったこともない。

  それが突然83という望外のスコアである。それも寒さ対策の為に分厚く着ぶ
 くれしてプレーしてのスコアである。まして数え年80歳になった初のゴルフの
 出来事だから、驚くべき異変というほかない。

  もうあるまいと思っていたが、再び訪れた何度目かのゴルフ開眼である。
 体が記憶した生々しいこのコツを、願わくば忘れずに次回も記憶して再現して
 くれればありがたいが、往々にして幸運のキューピットはいつもするりと逃げて
 いくものだ。

  かって、軽井沢の手前の安中のゴルフ場で、ジェフ山口という超一流のレッ
 スンプロに、泊まりがけで2日間、みっちりと8番アイアンだけで、スイングを
 矯正されて、ゴルフ開眼した事があったが、その時のフォームはとうに忘れて
 しまっている。

  悪いフォームはしつこく残り、良いフォームは直ぐに忘れてしまうものらしい。
 その前歴があるので多分今回も同じだろうが、とにかく異変というか初春の
 珍事であった。