1年ぶりのゴルフ。      22,04,20

   伊豆スカイラインゴルフ場は昭和42年に開場した伊豆を代表するリゾートゴルフ場と
  して一時は人気の高いゴルフ場だったが、ご多分に漏れずゴルフブームの衰退とともに
  客足が落ち、現在は経営権を韓国系のソーラー事業会社に売却し、経営者は18ホール
  全てをソーラー事業に転用する準備に取り掛かったが、メンバーの反対で訴訟問題に
  発展し、現在はインコースの9ホールのみで運営している。

   その為客足は遠のき従業員も削減していて、かっての面影はなく先々はどうなるか
  わからない正に斜陽ゴルフ場である。

   このコースのメンバーで釣り友達のSさんはこの事態を嘆いているが、ハーフだけで
  もゴルフができるというので、いつもの4人の仲間で1年半ぶりに伊豆スカに出かけた。
 
   私は腰痛を抱えた要支援2の介護老人なので、ゴルフどころではないが、カートに同
  乗して時々プレーをし腰痛が起きたらプレーをパスし、グリーン周りのアプローチとパ
  ターだけ参加することにした。つまり歩くことだけを目的に、ゴルフの雰囲気を楽しむ
  リハビリゴルフである。

   なにせ杖無しでは10分も歩けない身なので、どれだけついていけるかテストのつもり
  の参加で、期待と不安で一杯だった。

   ハーフの9ホールを2回回って1ラウンドとするのは珍しく、その昔茅ヶ崎ゴルフ場と
  いう政財界人がよく利用するゴルフ場が9ホールしかないゴルフ場だった。
  まだ40代のころ義父と一緒にここでプレーをして、当時の佐々木直日銀総裁や竹下登
  衆議院議員というその時代を代表する政財界人に風呂で出会った思い出がある。
  いずれにせよ9ホールのゴルフ場にはめったにお目に掛かれない。

   ゴルフ場に行くのは昨年3月3日以来1年1か月ぶりである。錆びついたクラブの点検、
  グリップとグローブのカビの清掃、持参するクラブからドライバーとアイアンを減らし
  5本だけにし、ボウルや予備の手袋などの中身を減らし、バッグを極力軽くしておいた。

   「春に3日の晴れなし」 というが、目まぐるしく変わる天気予報に翻弄されて予約
  日を数度変更してようやく19日にゴルフ場に向かった。

   ゴルフ場は予想通り閑散としていて、ウィークデーなのに入場者は6組のみで、前後
  ともプレーヤーに遭遇しないでのびのびとプレーができた。最初のハーフでは、クラブ
  を振ったのは5ホールだけで、あとはカートで見物、グリーン周りのアプローチとパット
  だけは4人で握り(ベット)があるので参加した。

   午後のプレーもアプローチとグリーン上のパットだけ参加した。それでもキャディさん
  に助けられながらおよそ1000歩を超えるほど歩いたろうか。望外のリハビリになった。
  懸念した腰痛も前半のハーフは何とか持ちこたえられた。ただし足腰が弱っているし
  腰痛もあるのでクラブをやたら振り回すのは控えた。それでも十分に参加した喜びを
  味わえた。

   帰路、いつも寄る干物屋で塩辛と干物を買い、ラーメン屋で握りの精算をして帰宅し
  た。同伴の仲間達には随分迷惑をかけたが、次回誘われる時までにはなんとかラウンド
  を歩いて回れるようにリハビリに精を出したいと思う。帰宅して入浴して腰痛止めの薬
  を飲み早々と就寝した。歩くことに少々自信がついたのが大きな収穫だった。