逗子市の市民囲碁大会参加。   18,10,25

  第68回逗子市文化祭(10月26~11月12日)のイベントとして、逗子市文化協会が主催する
 市民囲碁大会が市民交流センターで行われた。市の広報に募集要項がのっていて、募集人
 員は100名とのことだった。

  家内が、「家でボーっとしていないでたまには頭の体操でもしたら」 とハッパをかけて、私の
 了解も得ずにかってに事務局に参加希望の電話をしてしまった。言われてみれば”サンデー
 毎日”の日々なので、しぶしぶ重い腰を上げて会場の市民交流センターに出かけた。秋晴れ
 の好天気だった。

  申し込みの時、棋力4段でエントリーしていたが、組み分けは、3~4段がAクラス、2段以下
 がBクラスで、会場に着いて初めて知ったことだが、今年から無差別級というのが新設されて
 5段以上が該当し、6人がエントリーしていた。私が入ったAクラスが最も多く40人ほどだった。

  参加枠は100名だが結局参加者は70名ほどで主催者は残念がっていた。ご多分に洩れず
 高齢化で常連さんの不参加が目立ち、若手の囲碁好きが少ないのが原因だろうと話してい
 た。釣りクラブも同様で、高齢化の波が押し寄せ定員に満たない現象があちこちで見られる。

  対戦方法は事務局が決めた相手と4回対戦する。勝ち進むにしたがって全勝同士が組み
 合わされる。3回戦を終わって全勝は私を含めて3名だけになり、最後の4回戦は全勝同士
 の決勝戦になった。ギャラリー達に取り囲まれての重々しい対戦になった。相手も4段で、相
 当に打ち慣れた仕草である。

  少々自慢めくので鼻持ちならないかもしれないが、対戦した相手は4段3人、3段1人。決勝
 戦を含めて4人すべてに中押し勝ちを収め、4戦全勝で優勝した。いうなれば柔道で4人相手
 にすべてを1本勝ちしたような圧勝であった。


    

  逗子市の囲碁愛好家の集まりは各地域ごとに囲碁クラブがあり、一堂に集まるのは例年
 秋のこの文化祭囲碁大会だけだそうだ。顔見知りの愛好家たちはこの大会を楽しみにして
 参加するのだそうだ。勿論隣町とはいえ、よそ者の私にはひとりとして知る人はいない。

  それにしても老人一色のオンパレードで、かくいう私もその一人。ただその中で異色を放っ
 たのは、小学5年生の男の子がお爺さんに連れられて参加して、なんと無差別級で4戦全勝
 で優勝した事である。聞けば現在アマ6段で将来はプロ棋士を目指すのだそうだ。対戦して
 敗れた猛者連は”強いし着手が早いよ。”と脱帽していた。

  私にも経験がある。横浜の宇宙棋院での年末囲碁大会で、決勝戦の相手が小学6年生の
 子供で、完膚なきまで打ち込まれ大敗を喫した思い出がある。彼は今は立派な青年プロ棋
 士になっていることだろう。とにかく早見えのする子供だった。

  講師の先生によれば、大人は理屈で着手を選ぼうとするが、子供はキャンバスに絵を描く
 ようにイメージして着手を選ぶのだそうだ。理屈ではなく感覚で選ぶからあれこれ考えない
 で済むらしい。そんな才能は残念だが持ち合わせていない。曰く”ヘボの考え休むに似たり”
 のヘボ碁である。

  久し振りの他流試合だったので、頭の芯がとても疲れてふらふらしたが、この疲労はまた
 心地よい疲れでもある。81歳もまだまだ捨てたものでもない。対戦した4人とも楽しい会話
 ができ、囲碁仲間になりそうな予感がする。また機会があったら来年もまた参加したい。

  逗子市の大会で数回優勝した今は亡き好敵手の96翁に、私も遅まきながら優勝しました
 よ、と報告したい思いで一杯である。