96翁との囲碁対局。 17,08,08

   翁から電話あり、長年可愛がってきた愛猫が亡くなって、家族を失った悲しさ
  と寂しさにくれていたが、ようやく気持ちも回復したので一局是非との事だった。

   早速車で逗子のお宅までお迎えに参上して、老夫婦を我が家にお招きした。
  夕食の支度を前夜から始めておいた。翁はことのほか肉料理が好きなので、
  腕によりをかけてビーフシチューを仕込んでおいた。

   奮発して買った最高級の葉山牛のブロックを前夜から赤ワインと塩こしょうを
  ふって寝かせておいた。これで煮込むと柔らかい極上のシチューになる。この
  肉に小麦粉を振って、フライパンで表面が軽く焼き色がつくまで炒めてシチュー
  鍋に入れる。水とスープの素とローリエを入れて煮込み始める。

   玉ねぎとセロリ、ニンニクをみじん切りにしてフライパンにバターを溶かし、飴
  色になるまで丹念に炒め、トマトピューレを加えて鍋に加える。これがシチュー
  の味の決め手になる。

   ジャガイモ、人参、玉ねぎ、マッシュルームを炒めて、秘伝のドミグラスソース
  と一緒にシチュー鍋に入れて、中火で3時間ほど煮込んで塩コショウをすれば
  極上のビーフシチューが完成する。横浜の料理教室で習ったレシピが役に立
  つ。秘伝のドミグラスソースとは、この料理教室の特製のソースのことで、気に
  入っていていつも常備している代物である。

   果たして、囲碁の後の夕食で振る舞ったビーフシチューはことのほか喜ばれ、
  私も大いに面目をほどこした次第。興に乗り話題は果てしなく、翁の持参した
  月桂冠の一升瓶もだいぶ減ることに相成った。

   翁ご夫妻の愛猫が亡くなって外出に制約が亡くなったというので、年内の秋
  ごろに箱根か伊豆の閑静な宿に宿泊して、温泉と旨い食事と囲碁を楽しもうと
  いう事になった。翁と温泉に浸かり思う存分囲碁を打ちたい。

   両夫婦4人の旅は五島列島の旅以来だから6年ぶりになる。翁ご夫妻は96歳
  と90歳だから、多分最後の宿泊旅行になるかもしれない。楽しみだ。

   囲碁は前回までの3連勝があるので、今回から待望の互先。握って私の白番。
  中盤までやや劣勢だったが、乾坤の勝負手が勝敗を分け、翁の大石が死に、
  私の中押し勝ちになった。白番で翁に勝ったはおそらく初めての事なので記念
  すべき今日の一局となった。

   実は明後日の10日に新横浜の碁会所で長年の囲碁友達K氏とほぼ10年振り
  に対戦するので、囲碁の参考書を、頭が痛くなるほど精力的に復習している。
  これが功を奏したのかも知れない。今日の翁との一局の勝利は嬉しいが、大本
  命は明後日のK氏との対戦である。まずは幸先の良い一勝を挙げたという事に
  なる。