今年2度目の囲碁対局。 16,05,12

   お誘いがあったので会津の銘酒「中将」1升瓶を土産に逗子のK翁宅を訪問し、
  今年2度目の囲碁対局をした。先月訪れた水戸の偕楽園や福島二本松の旅の
  話などしばらく歓談し、対局前に少々「中将」を試飲して碁盤に向かった。

   何度も書くが、K翁宅の碁盤は実にすばらしい。今では市ヶ谷の日本棋院でも
  めったに見られない高さ7寸もある柾目の本榧(かや)碁盤だが、この盤に向か
  うと不思議に背筋がピンとする。まさに気品あふれる名盤である。

   今年の2月に拙宅で対局して1敗しているので今日はリベンジ対局である。
  聞けば94歳になる翁は先月逗子の老人囲碁大会に最長老、最高段位で参加し、
  昨年に引き続き4連勝で優勝して商品の米3キロを貰って意気揚々と帰宅したと
  武勇伝を語ってくれた。老いて益々の活躍には敬服するばかりである。

   さて対局だが、2局対戦し1勝1敗の五分に終わった。お互いに少々悔やむ着
  手がありひとしきり反省会をして夕食をご馳走になった。

   K翁の次女夫妻が昨年同じ敷地内に家を新築したので、お隣の新居にお呼ば
  れして次女Yちゃんの手料理の御馳走に与かった。食事歓談中に仕事から帰っ
  たご主人と御嬢さんを交えて若い人の話を聞いたが、もう我々老人の時代とは
  違うはるかに進んだ世の中になったと実感させられた。

   ご主人は勤め先の他に2階の個室でテレビ会議やインターネット通信で世界
  中の仕事仲間と夜遅くまで情報交換をしているし、御嬢さんは航空会社勤務で、
  今日もまるで普段通り東京から帰宅したかのように東南アジアから帰宅して話
  の輪に加わった。サンデー毎日の私にとっては驚きでまさに隔世の感がある。

   K翁とは今度は冷酒で乾杯をした。K翁94歳、ご夫人は先月90歳になられた。
  「私は会津と長岡の血をひく会津女、こうと思ったらテコでもひかぬ。」と笑いな
  がらも女性の強さを披歴したので、私と翁は首をすくめてにやりと顔を見つめ合
  った。お二人とももう暫らくはお元気でいて欲しい!次回は我が家にお呼びする。