今年2度目の師匠との囲碁対局。 ![]() 囲碁の師匠でもあり互先の好敵手でもある家内の伯父は、来月で満93歳になる。 つい2週間ほど前に逗子市主催の囲碁大会に久し振りに参加し、4勝1敗で準優勝を したとのホットニュースが飛び込んできた。賞品に5キロのコメを貰い、タクシーが来 ないため10分かけて重いコメを抱いて帰宅したと元気一杯に武勇伝を語ってくれた。 勿論参加者中の最長老で、最強者が7段、師匠が6段だから2番目の高段者だった そうだ。 その余勢をかって昨日我が家を訪れ、今年2度目の師匠との対局となった。1月の 対局が1勝1敗の引き分けだったのでお互いに満を持しての対局である。追っ取り刀 で埃だらけの囲碁の参考書を引っ張り出して泥縄式に布石の復習をして好敵手を 迎えた。 師匠の奥様(家内の叔母)も満87歳になるがご健在で、ご夫婦そろって我が家に お見えになった。ひとしきりお互いの近況を語り合って早速の囲碁対局となった。 いつもの事だが1局がゆうに3時間に及ぶ大熱戦となる。 戦いは最後まで勝敗の予断を許さぬ形勢が続き、ついに終局となって数えたら 結局「ジゴ」(引き分け)となった。1昨年も「ジゴ」があったが、こんなことはめったに ある事ではなく大変珍しい。 何故引き分けになるの?と囲碁を知らない女性軍から素朴な質問が飛んだが、 お互い全力投球で実力伯仲の結果だとしか答えようがない。お互いに少し悔いの 残る着手はあったが、好局を作れたことに大満足した一番だった。 囲碁は戦いであると同時に、2人で作る作品でもある。相手を欺く嵌め手や無謀 な着手などは作品の品格を汚す。その意味で翁と私の作品はいつも満足できる作 品になる。好敵手たるゆえんである。 今宵は師匠に差し上げるもってこいの土産がある。1つは先日松田の桜見物に 行ったときに買っておいた「ムカゴ」を使って、食いしん坊の師匠の為にムカゴご飯 のカレーライスを供しようと趣向を凝らしたこと。 ふたつ目は先日の墓参りの時に妹が土産に持ってきた灘の清酒「福寿」を馳走 できる事。この大吟醸「福寿」は、ストックホルムで開かれた2012年のノーベル賞 授賞式の晩さん会のテーブルを飾り、スエーデンの王室ファミリーはじめ、世界の 学界や政財界の要人に供されて、絶賛を浴びた日本の誇るべき灘の銘酒である。 ムカゴご飯とカレー、大吟醸の福寿もなかなかの珍味で、老夫婦に大変喜ばれ お招きした我々夫婦も招き甲斐があったというものである。翁ご夫妻との囲碁を通 じての穏やかな交流がもうしばらく続くことを切に願いながら歓談した一夜だった。 最後に、テレビの囲碁専門チャンネルで見た昨年の「囲碁川柳年間大賞」を紹介する。 碁に勝った 笑顔を妻に お裾分け |