今年2度目の師匠との囲碁対局。 ![]() 先頃、新潟の弥彦温泉で新潟の地酒を1本買い求めてきた。新潟は米がうまいので 地酒の造り酒屋が沢山軒を並べている。通に言わせれば、越乃寒梅や八海山などの ブランド物は避けて名もない地酒の名品を探すに限るということだ。といわれてもどれ がうまいのかはわからないので、結局は目についたラベルや名前で気に入ったもの、 又はお店のおすすめ品を買う羽目になる。 私が買った地酒は地元の造り酒屋「弥彦酒造」醸造の純米吟醸酒 「弥彦愛国」。 なにやら右翼的なネーミングが気になったが、なにせ弥彦神社前の店だし酒屋の店主 が一押しだと云うのでそれに従った。酒に目のない逗子の囲碁の師匠の90翁が来宅 されるときに一緒に味わう土産なのでその時が楽しみである。 4月27日、師匠のK翁が2か月ぶりに囲碁のリベンジに来宅された。先月で91歳になら れたが老いてますます意気軒昂、「首を洗って勝負に来たよ」と屈託なく笑いながらも大 分研究してきたらしく秘かな自信が垣間見える。奥様(家内の叔母)は87歳になるが鴛 鴦の仲睦まじさは羨ましい限りである。 さて囲碁の勝負だが、互先になってから2局目で握って私の黒。いつもの穏やかな進 行とは打って変わって序盤から激しい難しい局面になり、お互いに長考に次ぐ長考の 連続でなんと3時間半に及ぶ熱戦となった。終盤私に失着があって結局私の中押し負 けでK翁に軍配があがった。K翁の会心の1局で、とても91歳の打ち碁とは思えない読 みの深さと着手の鋭さには完全に脱帽だった。 2か月前には私の勝利だったが、「負けたままではあの世に行けぬ」とおっしゃってい たので、私としても負けてホッとしたような、しかし残念のような複雑な想いだった。とも あれ満足げなK翁の笑顔を見るのは私には至福の喜びだ。互先で打てるのは貴方だ けだとお褒めの言葉を頂けて私も満足である。 局後、「弥彦愛国」をヌル燗で正1合をお飲みになり、私が昨夜から準備をしておいた 稲荷寿司と具だくさんのあんかけうどんを完食されてご機嫌で対局の解説と感想を語ら れた。因みに労作のあんかけうどんは、四国の讃岐うどん、前夜から味付けしておいた 干しシイタケと千葉から貰った筍、江戸時代から続く小田原の老舗蒲鉾屋「田代総本店」 の蒲鉾、今朝早起きして作った厚焼き玉子焼きとホウレンソウのお浸しとさやえんどう、 スーパーで買った麩。以上の具材を茹でたうどんに彩りよく盛り合わせ、昆布と鰹節で ゆっくりとだしを取った少し濃い目の餡をかければあんかけうどんの完成。刻み葱と生 姜を別小皿にのせて提供したが、彩の良さと味の良さをK翁から絶賛された。 時間をかけて丁寧に準備した甲斐があって私もその出来栄えに満足したものだった。 稲荷寿司は平凡でそれほどの評価は得られなかった。写真を撮るのを度忘れしたの が残念だったので機会があったらあんかけうどんを再現して紹介しよう。 囲碁は互先になってこれで1勝1敗、面白くなってきた。次回が楽しみである。 |