第22回平塚囲碁祭り。  17,10,09

  今年も全国の囲碁ファン待望の平塚囲碁祭り、1000面打ち大会の日がやってきた。
 私は平成2年の第5回から毎年参加しているから17回連続参加になる。平塚にある
 木谷実9段の家(道場)に寄宿して子供の時から囲碁の修行をした門下生の大竹、
 加藤、武宮、小林、石田、各九段は第1回から必ず参加している常連だが、加藤正夫
 9段が他界してその一角が崩れてしまったのが惜しまれる。

  近年若手の棋士が台頭して初参加が多くなり、女流棋士も大分顔ぶれが変わって
 きた。女流では常連の小川、梅沢、小林五段が今年は欠席、代わって謝依旻女流
 棋聖、藤沢里奈女流名人・本因坊が華を添えた。

  今日参加したプロ棋士は日本棋院の俊英ぞろいの総勢78名。平塚駅前の目抜き
 道路を封鎖して、2列500面の碁盤を数百メートルもならべる壮観な囲碁イベントは
 日本でここ平塚市でしか行われない。棋士にとっても心待ちにしている囲碁祭りである。

  10月8日、秋晴の好天気で午前10時に到着したら、受付開始が11時なのに早く
 も抽選待ちの客が列をなしていた。対局指導を希望する人は、事前申込者800名、
 当日抽選200名の合わせて1000名が、13時からと15時からの2部に分けて指
 導を受けることになるが、13時からの対局を希望して申し込みの長蛇の列ができる。

  ここ数年葉山釣友会の会長のSさんを誘って参加しているが、今年は更にSさんの
 幼馴染のYさんも見物したいと希望したので、3人で出掛けた。我々は既に事前申し
 込みで当選しているが、13時からの対局をしたいので列に並んだが、受付開始の
 1時間前から並んでいる人達としばらく雑談して過ごした。

  並んでいる隣の老人が急に倒れ込んで係員が飛んできて救急車で運ばれていった。
 熱中症らしい。九州からわざわざやってきた囲碁ファンだと聞いた。可哀相に・・・。

  北海道からやってきた孫連れの老人もいた。お孫さんは小学校2年生の女の子で、
 去年来た時に謝依旻女流棋聖と記念写真を撮ってもらって、いっぺんに囲碁ファン
 になったという。今朝早く車で千葉の船橋からやってきた中年男女3人連れもいた。

  こんなに人気の高いイベントになって、さぞ草葉の陰で木谷9段と奥様はこの隆盛
 を喜んでいるだろう。

  指導方法は1人のプロ棋士が6人を巡回指導をする方式で、私は鈴木伊佐男7段
 の指導を受けた。置石は各自自由なので4子の置石にした。前日に工藤紀夫9段の
 著書で4子の置き碁の復習をしておいたのが裏目に出て、同じ局面で教科書にない
 応手をされて困惑し、それが最後まで尾を引いて結局投了した。

  慣れないことはするものではないと後悔したが、帰りに立ち寄った逗子の居酒屋で
 も、何故指導書にない応手に困惑したのか、最善手は何だったのだろうかとの疑問
 が頭から消えず、帰宅して寝床に入っても眠られずにしばらく悶々とした。

  連れのSさんも完敗し、来年又来ようといつものように反省会をやった一日だった。
 それにしてもいくら職業とはいえ、プロ棋士の頭脳はどうなっているのだろう。舌を巻
 く才能である。


     

   

   写真上段が台湾出身の謝依旻女流棋聖。ここ数年見違えるようにきれい
   になった。下段が武宮正樹9段と小林覚9段。相変わらずひょうきんな
   武宮さんである。