平塚囲碁1000面打ち。  16,10,09

   例年訪れている平塚囲碁祭りに出掛けた。生憎の悪天候で、会場には風雨を
  しのぐテントが急遽張られていて、主催者の苦労がしのばれた。平塚の商店街
  の店主たちが法被姿で苦労しながら会場整理にあたっていた。

   最近は特に裏方の仕事ぶりに関心が強く、地味だが誤りのない仕事に誇りを
  持っている人達に尊敬の念を覚えることが多い。

   抽選で当たった全国の囲碁ファン1000名以上が一流プロ棋士と対局できる
  ことを楽しみに、早朝から平塚のメーン会場の紅屋町大通りに集まってくる。
  勿論、九州や北海道の囲碁キチは泊りがけでやってくる。参加したプロ棋士は、
  24世本因坊石田秀芳、大竹秀雄名誉棋聖ほか76名の錚々たる顔ぶれだった。

   目新しい顔ぶれとして、今は亡き藤沢秀行名誉棋聖の孫の藤沢里菜3段も参
  加していた。彼女は今を時めく話題の女性棋士で、一昨年中学を卒業したばか
  りの旬の打ち盛り。史上最年少で女流本因坊位を奪取した、今では女性棋士と
  しては1〜2を争う実力者に成長している。

   豪放磊落、破天荒な天才棋士だった祖父の血をひいて、風貌、棋風もよく似て
  いて、将来が大いに期待できる注目の若手有望株である。

   型どおり市長や大竹大会会長の挨拶の後、13時から500名、15時から500
  名と時間を分けて指導碁を受ける。1人のプロ棋士が7人を巡回指導する仕組
  みになっている。私は最初の組で、日本棋院の大木啓司7段の指導を受けた。

   4子置いて序盤から優勢になり圧倒的な勝ちを収めた。実は10数年前にTグ
  ループのN発條のS社長とはお互いに囲碁の好敵手だったが、ある新聞社の
  企画で、S社長が武宮当時本因坊と4子で対局して圧勝した時、嬉しさのあま
  り、連載された勝利の棋譜をご丁寧にも私に送ってくれたのをフト思い出し
  4子の置き碁の参考になる筈と思って今朝早朝から、つけ刃で並べてみたら、
  その布石と全く同じ展開を見せたので、これが大いに参考になって圧勝に結び
  ついたという訳である。

   つまりは昔取った杵柄の一夜漬けの受験勉強の「ヤマが当たった」みたいな
  ものだった。

   同行した葉山釣友会会長で囲碁好きのSさんは大石を取られて完敗し、残念
  がっていた。帰りに逗子の居酒屋で反省会をやり、囲碁談義と釣り談義で大い
  に盛り上がった。

   彼の友人達と最近ゴルフを月1度やっているが、その昔の悪ガキ達が、突然
  麻雀をやろうと言い出し、次回のゴルフの帰りに初対戦をする段取りが進んで
  いる。まあよく遊ぶものだが、それも健康なうちだけの事。残り少ない余生をそ
  の人の好きなことを存分に楽しむのが一番だと話し合ったのが、居酒屋での
  酒の肴でもあった。