ミミズの戯言59、年の瀬と忘年会。 14,12,29

   いよいよ年の瀬になった。世間も我が家も何かと忙しい。庭掃除から部屋の大掃除、
  障子の貼り替え、おせち造りと正月の餅の準備、来客用の樽酒やツマミ類の準備、
  松飾やお屠蘇の準備、三崎の魚市場に行ってマグロやタコ、イクラ、筋子などの購入、
  などなどこれでもかこれでもかとやることが沢山ある。子供や孫達9人が揃うのでそれ
  ぞれの食べ物の好みや寝具の準備も何かと気を使う。

   報道されているように円安の影響で軒並み食材が値上がりしている。かってはスー
  パーなど行った事がなかったのが、最近はしょっちゅう買い出しに行くので、主婦並
  に物価には敏感になってきた。

   暮れにはおまけに各種の忘年会がある。会社生活の現役の頃には忘年会が多く、
  地元の横須賀や横浜、東京、新幹線で名古屋まで出かけたりしたものだが、年末に
  は連日続くこともざらで、多分月に10回を超えていたと思う。よく胃袋と体がもったも
  のだと今更ながら病気をしなかったことが不思議である。

   高級料亭や高級クラブで珍味を食べ高級ワインも飲んだ。場末の居酒屋やバー
  で焼き鳥を食べ焼酎を飲み酔って肩も組んだ。親しく酒を飲み談論風発が始まると、
  本音が出るからすぐに相手の人品骨柄が判る。相手により話題は千差万別だから
  高尚なことも下世話なことも話題になる。相手の本音が判ると同時に、相手からも
  逆に観察されて品定めをされてもいる。酒の席とは楽しいと同時に油断のならない
  席でもある。

   その点、会社生活を離れて趣味の世界の仲間との付き合いになると、忘年会は
  質素だが心温まる時間を過ごせる。付き合う範囲が狭くなっているからおのずと忘
  年会の回数は減り、今年は4回だけだった。
   古い友人夫妻と我々夫妻4人の静かな天婦羅夕食会、退職後に付き合っている
  葉山と逗子のゴルフ仲間との居酒屋での忘年会、葉山の釣りクラブ、会社の釣り
  クラブのそれぞれの忘年会、の4回だけである。それぞれ話題は違うが兎に角楽し
  い話が満載で、昔の自慢話などは一切ないから実に心地よいひと時を過ごせた。

   忘年会という風習は「年わすれ」といって室町時代からあったらしいが、文字通り
  1年の出来事をみな忘れて新しい年を迎えようという趣旨だろうから、せいぜい笑い
  で憂さを吹き飛ばすのが忘年会に相応しかろう。さて来年はどんな忘年会が待って
  いるのだろう。心機一転、心改めて新年を迎えよう。

   HPを今年拝読して下さった皆さん、よいお年を!