ミミズの戯言92、糞害。 ![]() 春たけなわになると、鳥たちも一斉に元気な鳴き声を上げて飛び回り、我が家の庭や ベランダ、軒先にもスズメやメジロなどが可憐な姿を見せる。ウグイスの鳴き声もよく聞 こえるがめったに姿を見せることはない。 実に困るのは駐車場の真上に張り巡らせてある電線にカラスとスズメがとまり、糞が 飛び散ってわが愛車を汚すことである。車にこびりついたまま放置すると塗装面を冒し て変色し、ついには錆の原因にもなるから急いで除去しなければならない。 せっかく洗車してきれいにしたと思ったら、翌朝になって車を見ると、フードやルーフ、 ガラス面などが広範囲に見るも無残に糞だらけに汚れているのでがっかりする。 気を取り直して又洗車を始める。最近は鳥の糞害と洗車のいたちごっこの毎日であ る。サンデー毎日の身だから時間つぶしにはなるが、何とかならないものかと思案が 続いていた。 数週間ほど前に、娘が近くの役場に相談に行ったら、東電の苦情相談室の電話番 号を教えてくれた。ダメもとで電話したら思いのほか親切な応答で、糞害防止の対策 をすぐに実施しますとのこと。二日後に東電の下請け会社の人が来宅して電線を調 査し、対策方法を示して数日後に実施することになった。 駐車場の真上の鳥が止まる電線約10mに釣り糸状の糸を張り巡らし、鳥が電線に 止まりにくくする対策方法が一般的で、これがかなり有効なのだそうだ。 駐車場の真上には、東電だけではなく、NTTとJーCOMの配線も張り巡らされている。 東電からは他社の電線は他社でやってもらって下さいといわれ、早速NTTに連絡した ら、東電同様に極めて親切な応答で、すぐに子会社の担当が駆け付け、東電と同様 の釣り糸方式の対策をNTTの配線に施してくれた。経時変化で糸が劣化して切れた らすぐに交換しますとも約束してくれた。 東電もNTTもこうしたクレーム対策工事は子会社が受け持っていて、親会社を退職 したOB(シルバー)の再雇用で対応しているとのことだった。両社の工事担当者はい ずれも年配だが、前職ではおそらくはなにがしかの役職者だっただろうと想像される 的確な気持ちの良い応対だった。クレーンでの高所作業も堂に入ったものだった。 想像もしていなかった気持ちの良い素早いクレーム対応だったので、感心もしたし、 やはり競争社会の生き残りのサービスが、これらの独占企業にも浸透してきたのか と納得もした。 昔は東電やNTTといえば独占企業だったが、現在では売電の自由化、情報産業の 競争激化で、顧客サービスは重要な生き残り策になっているのだろう。 数年前に釣りとゴルフの悪友達に「糞害」の話をしたら、「駐車場を広げるか、車庫 にテントを張ったら・・」と素っ気ない返事しか返らず、半ばあきらめていたが、やはり 当たって砕けろ、聞くだけ聞いてみるもの、聞かないであきらめるのは泣き寝入りと いうもので、あたら好機を失う。労を惜しまず聞いてみて大成功だった。 今更だが世の中の糞害対策の仕組みを知り、改めて小生ももはや現代社会から 取り残された老人だと思い知らされた次第。あとは糞害対策の効果絶大ならん事を 期待するだけである。 |