ミミズの戯言40 北朝鮮の核実験再開。   13,02,11

   最近の報道によれば世界の孤児・北朝鮮が国際世論に背を向けて核実験を強行する構えである。
  無鉄砲な暴れん坊は、屈折した屁理屈で依怙地な構えを崩さない。友好国の中国ですら最近では
  手を焼いて友好関係にひびが入っている模様である。何故食糧危機で苦しむ民よりも核実験・核
  開発を優先するのか、それでしか世界に存在感を示せない小国の意地なのであろう。ハリネズミが
  針を逆立てている悲しくも哀れな国である。その遠因は遠く朝鮮戦争に遡ると考えられる。

   朝鮮戦争(1950年6月25日開戦)では、米軍を中心とする国連軍が、北朝鮮や中国の人民義
  勇軍と戦い、38度線付近に軍事境界線を引いて53年7月27日に休戦協定を調印した。この休戦
  協定は、戦闘を終わらせるための一時的な協定であり、その後の交渉が決裂したため、公式な終
  戦となる平和協定は結ばれず、形式上、朝鮮半島は戦争状態が続いている。(因みに韓国の李承
  晩大統領は休戦に反対して署名を拒否した。)

   北朝鮮は休戦協定に代わる平和協定が結ばれれば、米国による多くの規制も解除されて経済的
  に楽になるため、米j国との平和協定を切望しているが、その道は閉ざされていて進展は期待でき
  ない。ここに北朝鮮の現在の苛立ちがある。

   ただアメリカにはアメリカなりの言い分がある。朝鮮半島の非核化、東アジアの安定は大国アメリ
  カの譲れない一線だから容易に北朝鮮と平和条約を結ぶ環境にはない。もし両国の平和条約が
  成立するとしたら、北朝鮮の核放棄が前提になるし、アメリカの北朝鮮敵視政策の転換も前提にな
  るに違いない。今はそれぞれが一方的に相手国を非難していて溝が埋まらない。その橋渡しをして
  両国それぞれの譲歩を促す仲裁国の登場が待たれるところである。
  その仲裁国はロシア・中国・韓国・東南アジア諸国等の近隣諸国の理解と全面的賛同を得る外交
  実力を兼ね備えていなければならない。ここに我が国日本の出番があるというべきであろう。

   日本は尖閣列島、竹島、北方4島の領有問題で見通しのつかない摩擦を抱えているが、それを解
  決する唯一、確実な道は1910年8月29日に桂首相の手で日韓併合を断行したことに由来する朝鮮
  半島分断・対立の解消に主導的役割をは果たす事であろう。

   外交交渉とは小異を捨て大同に立つ見識と説得力が求められるが、乾坤一擲、我が国外交能力
  の高さを示す事が真の日米協調というものだろう。そろそろ日米安保の傘に頼ってひよこの様に虎
  の威を借りる外交姿勢から脱皮し、維新の坂本竜馬や高杉晋作のような雄大な構想を描き、世界
  平和への貢献のイニシアチブを取る気構えが欲しい。

   北朝鮮とアメリカ・韓国の雪解けが実現して包括的平和条約の締結を見た時初めて、拉致問題
  などの懸案事項も完全解決の道が開けるだろうし、韓国・中国・ロシアとの領土問題も解決に向け
  て進展し、世界各国が日本を外交大国として尊敬するに違いない。ハリネズミにいたずらに恐怖感
  を植え付けるのは得策ではあるまい。
   日本の首相や外務省にその高邁な見識と度量がありやなしや。出でよ大物!