ミミズの戯言110、LINE電話。  20,10,05

   目新しいもの好きの私の初体験。
  今どきの中学生や高校生にもなると当たり前のように使いこなしているグループLINE
  の電話だが、年寄りにはちんぷんかんぷんで、使いこなせている人はめったにいない。

   遠く離れた知人と情報交換する方法は、江戸時代の昔は忠臣蔵で知られるような早
  飛脚であり、明治に入ると前島密が進めた郵便であり、その後飛躍的な進歩を遂げた
  電話や無線通信である。

   私の若い時は郵便と電話の2つが通信方法の主流だったが、インターネットが普及
  して電子メールの時代に突入し、今に至っている。

   ところが最近は電話回線を使わずインターネット回線を使うアプリの「line電話」 つま
  り無料音声通話や無料ビデオ通話が普及してきて情報伝達ツールの主流になりつつ
  ある。

   もはや固定電話はおろかスマホで電話をする時代でもなくなってきた。
  我が家では相変わらず備え付けの固定電話から相手の固定電話やスマホに電話す
  るか、私のスマホから相手のスマホ又は固定電話、家内のガラケーから固定やスマ
  ホに電話するのが当たり前で、後日結構な通信料を支払っている。

   これがインターネット回線を使う電話だと、ほぼ無料だから大幅な電話代の節約に
  なり、こんな魅力的なことはない。なにせ相手の顔を見ながら長電話ができ、臨場感
  があるし、親子や孫の顔を見ながら会話ができるのだから夢のような出来事である。

   LINE電話は便利なものだと話には聞いていたが、我々高齢者には縁の薄いアプリ
  だと聞き流していたが、先日、突然長女が我が家にやってきて私のIpadに何やら操
  作していたが、「これで父に万が一の出来事があっても、家族全員で無料音声通話
  も無料ビデオ通話もできるよ。」と操作方法を教えてくれた。どうやら前から子供たち
  3人であらかじめ相談して準備をしていたらしい。

   早速、東京にいる長男と次女、葉山にいる長女と4家族をLINEで結び、先日初めて
  家族全員でしばらくビデオ通話をした。初めは慣れないので少しぎくしゃくしたが、す
  ぐにいつものような会話ができ、楽しいひと時を過ごすことができ、家内などは子供
  たちの顔が見れて話しができたのですっかり気に入ってしまった。「またやろうね」と、
  この実験は大好評だった。

   次女などは通信欄に有名キャラクターのスタンプと絵文字を押してきたが、手慣れ
  たもので、多分沢山のメル友とグループLINEを使っているのだろう。

   私も仲のいい仲間たちとグループLINEを構成すれば自分の近況を友だちと共有し
  たり、友だちの近況も確認できる。ゴルフや釣りのように数人で集まる日程決めなど
  では大いに便利だ。複数の仲間の顔を見ながらのグループトークは意思疎通が早
  いし確実だし、なにより楽しいだろう。

   さしずめゴルフ仲間、釣り仲間、囲碁仲間、学友たちとの交流に利用できるだろう。
  ただ仲間たちが賛成してくれるか、ネットの環境が整っているか、リーダーシップを
  だれがとるかが実現性の鍵で、その成果も随分変わってくる。

   line電話やビデオ通話は難しくて奥が深くて、若者でないと使いこなせない。と諦め
  ていたが、娘に触発されて新しい世界を体験できた。

   老人は年々体力だけでなく気力も衰えてくる。少しでも充実した余生を過ごすコツ
  は、旺盛な好奇心の持続と、実際に実行してみることだろう。トライしている時に得ら
  れるアドレナリンが老人の長生きの大切な栄養源となる。
  LINE電話は久し振りに、私の知的好奇心(intellectual curiosity)を刺激した。