ミミズの戯言107、新型コロナウィルス騒動。 20,02,22 週末に予定している2泊3日の旅行を強行すべきかキャンセルすべきかで迷っている。 言わずと知れた中国武漢発の新型コロナウィルスの感染が全国的に拡大しているため である。ワクチンも特効薬もなく、まるで昔のペストやコレラ菌の襲来のようなパニック状 態に陥っている。テレビや新聞は半年後に迫ったオリンピックどころではなく連日ウィル ス騒ぎ一色である。 英国のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の船内でのウィルス検査が陰性と診断 されて下船した乗客が、その後の検査で陽性に転化したり、発熱から肺炎と診断された 保菌者が,北海道から九州まで広範囲に拡大して死亡者も発生している。船内にはまだ 多くの乗客が足止めを食って下船を待っている。 患者のウィルス菌の経路探索に躍起になっているものの追跡には限界があり、どうや ら水際で国内侵入を食い止めるという初期段階の目標は達成できず、現在は一歩後退 して感染の拡大を抑制するという第2段階に移行している。 次には患者の増加のスピードを抑えて流行のピークを下げるという第3段階に入るよう で、つまりは打つ手が後手後手に回り手に負えないというのが本音のようにみえる。後退 に次ぐ後退である。 何せ初めての新型ウィルスなので、ウィルスの正体究明も治療方法も手探り状態で、 今のところは不要不急の外出は控え、マスクと手洗いの励行と人との接触を避けるのが 特効薬のようだ。 特に心臓病や糖尿病の持病を持つ高齢者はウィルスに感染して肺炎になり重篤にな るケースが増えている。まさに私がそれに当てはまる。今になって思えば旅行を手控え るべきだったかもしれない。まだ中止の決断には遅すぎることはない。今なら間に合う。 こんな大騒ぎになる前の今月初め、家内の誕生祝に、北陸の加賀温泉郷の山代温泉 に2泊して、永平寺や五箇山、若狭湾、越前岬、兼六園などを観光し、越前カニや若狭 フグなどの旨いものを食べようと、3月1日から3日間のツアーの申し込みをしておいた。 それがウィルス騒ぎが始まり、局地的な騒ぎで収まらず、感染者や死者が日本中で日 に日に増大しているので、少々怖気づいているのである。しかし富山や石川県はまだ安 全のようだから心配は杞憂かもしれない。 それに今更計画をキャンセルすると2割から5割ものキャンセル料を取られるし、家内 は誕生日の思い出作りにどうしても少々贅沢な今回のツアーに行きたいという。 かかりつけの医者に相談したら、医者の立場で言えば無理はするなと言いたいが、 個人的には旅行しても差し支えなかろう、と無責任な当たり障りのない返事しかしない。 宿泊先の旅館に聞いたら、消毒やマスクの用意など万全を期しているのでご心配なく との事だったし、旅行会社に聞いたら、まだ一人もキャンセルは出ていないし、新幹線 のシートの除菌をはじめ感染防止に万全の備えをしますとの、リップサービスぶりだった。 旅行会社としては当然の応対だろう。 東京で生命医科学の研究をしている長男からは、月初めに、今回のウィルス騒動は 大きな社会問題になるから、特に高齢者の父は不要な外出は控えるようにと、まるで 今回の騒動を先読みしたような忠告があった。息子に叱られるのでまだ息子には今回 の旅行計画は話していない。 薬局やコンビニではマスクや消毒液、除菌ティッシュが品切れ状態で、我が家の在庫 は底をつきそうだ。ネットでは、ガーゼとゴムひもで手作りのマスクの作り方を宣伝して いるが、そのガーゼやゴムひもも品薄だという。まさに四面楚歌の有様だ。 さて、旅行は強行すべきかキャンセルすべきか迷っているうちに、あと1週間後に迫っ てしまった。これでは多分強行することになろう。覚悟するしかない。「君子危うきに近 寄らず」 というが、私は君子ではないのであえて危険に近ずくことになる。 1週間後には本稿で 「北陸旅行の顛末記」 を紹介することになろう。 ウィルスに感染しないならばの話である。 |