ミミズの戯言103、 「送り梅雨」    19,07,07

   ある本を読んでいたら「送り梅雨」という季語に巡り合った。今時にぴったりの季語
  だと感じた。「送り梅雨」とは梅雨が明ける頃の雨で、時に雷を伴う大雨のことをいう
  季語だが、早く梅雨を送り出したい、という気持ちが込められているという。

   気のせいか今年の梅雨は例年よりも長梅雨で、しかも天気予報はくるくる変わる。
  梅雨前線の移動が読めないので予報官泣かせの気圧配置なのだろう。

   明日、明後日の予報がこうもくるくる変わると、ゴルフの予定も、中止か強行かで
  ゴルフ仲間を大いに悩ませる。先日小雨模様の予報だったが、伊豆でのゴルフを
  思い切って強行したら、幸い終日好天気となり予報外れを大いに喜んだものである。

   「送り梅雨」が終わると箱根は一気に夏の日射しを迎える。例年7月20日前後に
  箱根CCの開場記念杯が行われる。去年は酷暑を思わせる暑さで、完走するのが
  やっとだったが、13番ホールには小鬼百合の花が綺麗に咲き、彼岸花もあちこち
  に咲き、お盆近しを思わせたものだった。

   果たして今年はどうなるだろう。いずれにせよ、私にとっておそらく最後の「開場記
  念杯」になると思われる。

   思い起こせば昨年の7月初め、梅雨前線が日本上空に停滞し、西日本から東日
  本にかけて広い範囲で記録的な大雨となった。あれからちょうど1年がたつ。

   「西日本豪雨」または「平成30年7月豪雨」と呼ばれ、長崎・福岡・佐賀、続いて
  広島・岡山・鳥取、京都・兵庫、さらに岐阜、高知、愛媛と連日大雨特別警報が発
  令され、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、
  死者数が200人を超える甚大な災害をもたらした。その後遺症はまだ残っていて
  今も復興もままならない状況が続いている。

   天候が不順だけなら我慢もできるが、今年も昨年同様、九州では豪雨による土
  砂崩れや家屋崩壊などの被害が発生している。災害はいつも繰り返される。
  今日は七夕、「豪雨災害は起きないように」、と願いをかけたいがそれは虚しい願
  いだろう。

   人間の知恵などは大自然の前には無力だが、せめて災害を加速拡大させる無
  益な自然破壊や原子力政策、要塞のようなコンクリート防災施設建設などは御免
  こうむりたいものである。

   参院選が近い。野党の攻めあぐみのせいか、自民優勢の勢力分布は変わらず、
  これはと思う「人間中心の政策」には今選挙でもお目にかかれまい。

   去年の日誌を見ていたら、7月の21日と24日、大災害のさなかに箱根と十里木で
  ゴルフをしていた。復旧もままならない各地の災害報道を見ながらのゴルフだった
  が、後ろめたい忸怩たる思いのゴルフだったと書いてあった。今年も同じことの繰
  り返しになるのだろうか。

   梅雨は農家にとっては欠かせない恵みの雨の季節だが、こうも不規則な雨が続
  いては、早く送り出したい「送り梅雨」の心境でもある。