ミミズの戯言102,  認知機能検査。     19,06,20

   少々古い統計だが、厚労省の2015年の発表によると、日本の認知症患者数は2012年時点で
  約462万人、65歳以上の高齢者の7人に1人と推計されている。

   これに軽度の認知障害者約400万人を加えると、高齢者の4人に1人が認知症患者あるいは
  予備軍という事になる。さらに医療機関で受診していない隠れ認知症患者を加えると患者数は
  さらに増加する。

   団塊の世帯が75歳以上となる2025年には高齢者の5人に1人、軽度障害者や隠れ障害者を
  加えれば実に3人に1人が認知症患者という事になるらしく、誠に由々しき事態に陥る。

   ここ数年高齢者の運転ミスによる交通事故が多発し、高齢者の免許証返上が増えている。
  ブレーキとアクセルの踏み違いがやたら多く、自動ブレーキや自動運転車の開発が急がれて
  いる。

   近未来的には、人間の不注意による事故が決して起きない自動運転・無人運転技術が進展
  するだろうし、その時には、免許証もいらない、酒気帯びも許される、自動車保険もなくなる、
  いわゆる「運転技術」という人間の「技」や、国が定める諸法制は一切非必要な、夢のような
  時代が来るのだろう。

   しかし現実に立ち戻ると、今年82歳になる私の免許証更新が7月に迫っていて、先日「認知
  機能検査」の通知が届いた。免許証返上は現実的でないので今年も先送りをすることにした。

   数年前からそれまで同じ日に実施されていた「認知機能検査」と「高齢者講習」が別々の日
  に行われるようになったので、受講場所が大変混雑するようになった。検査を分離したのは
  多分に高齢者運転事故の多発が原因だろう。

   「認知機能検査」は記憶力・判断力の衰え程度を測定する機能検査で、これに合格すると
  次に「高齢者講習」となり、この終了証を持参してようやく免許証の交付となる。それぞれの
  検査で要注意の判定をされると病院で審査があり免許証交付に赤ランプがともることになる。

   私は横須賀ドライビングスクールで「認知機能検査」を受けたが、16名の受講者で最高齢
  は89歳。矍鑠とした老人もいれば運転は如何なものかと首をひねるような老人もいた。

   私は動物や野菜など16枚のイラストを示されてこれを記憶しておき、次の問題を回答した
  後で、先程のイラストの絵をできるだけ多く回答する、いわゆる記憶力テストが以前から苦手
  で、今回も16枚中5つしか絵を思い出すことができなかった。日常生活でも、大事なことをすぐ
  に忘れてしまうのは私の特技(?)だと常々自覚しているが、それがいつもこのテストで正直
  に表れてしまう。まさに赤面の至りである。

   今、免許証返上の動きが加速している。高齢者にできるだけ運転をさせないというのが我
  が国行政の主流のようだが、欧米では高齢者が安心して運転できるようなインフラを整備し、
  老後を楽しく運転してもらおうという考えが主流と聞く。  

   私はもしも健康が続くならば、85歳が返上の時期だと思っているので、それまでは老人らし
  く慎ましく安全運転に心がけたいと思うが、返上後の日常生活の不便をどうするか頭が痛い。

   ところで、埼玉の旧友T・C君。小生もあちこち体にガタが来ていて落ち込むこともあり、もっ
  ぱらPCとTVに向き合ってばかりの毎日ですが、何とか息をしています。心配を掛けました。

   先日八千代市に住む同級生のO氏から高校卒業以来初めて突然電話があり、在京同窓
  会に出席してほしいとの依頼があった。残念だが欠席だと返事をしたが、懐かしかった。
  貴君をはじめ会いたい友人が沢山いるが、それもままならない生活を送っています。

   貴君も、亀のように遅足でも月1でもいいから、貴君らしいブログを書き続けてください。
  いつも心温まるブログを楽しみに拝見しています。