ミミズの戯言100、好奇心と実行。 ![]() 3日は節分、4日は立春、正月はつい昨日のように思われたが、早いもので暦の上では もう春である。歳を取ると月日はあっという間に過ぎていく。 三寒四温というが、それにしても最高気温が昨日は18度で今日はなんと1度と、20度近 くも乱高下する激しい気温差では、まだまだ春と呼ぶには早い。 この寒さでは、我が家の庭で例年啼き始めるウグイスも、まだまだじっと寒さに耐えてい て鳴き声はまだ聞こえない。小学唱歌の「早春賦」を思わず口ずさみたくなる時期である。 春は名のみの 風の寒さや 谷のウグイス 歌は思えど 時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず (吉丸一昌作詞、中田章作曲) しかし春が近いのは確実で、海ではワカメが大きく育ち、釜揚げシラスが市場に並び、 私の好きな釣りの一つ、春告魚のメバルもそろそろ釣れ始めていると聞く。我が家の梅 の木もようやくつぼみが膨らみ始めた。 加齢とともに月日の経つのを早く感じるのは、どうも刺激のないその日ぐらしをしている からのようだ。、声を立てないウグイスやこたつで丸くなっている猫のような日々を過ごし ているからだろう。これはする事のない日常に対するある種の「あきらめ」がマンネリ化し ているのが主要因だと思われる。 やはり心身の衰えを少しでも防ぐためには、できるだけ貪欲に「好奇心を持ち続けるこ と」と、身の丈に合った自分流の形で「実行してみること」が有力な対策のようである。 好奇心を持つことで「知る喜び」を感じ、やってみることで「感動と満足」を手にすること ができる。これが刺激になって老化防止に役立つ。例えていえば囲碁の場合、本で学ん で知る喜びを感じ、実戦を積むことで上達の満足感を得られるのが好例だろう。 町の広報誌に掲載されていた記事をみて、家の近くの学習塾で開催される「iPad講習」 を今月末から毎週受講することにした。認知症予防をキャッチフレーズにした老人向け の講習と実践訓練で、ほぼ1年間毎週6人一組でイロハのイから教えてくれる。 Appleの「iPad」は昨年夏にパソコンを更新したときに娘に勧められて同時に購入した ものの、十分使いこなせてはいない。いわば宝の持ち腐れ状態になっている。今回自分 のiPadを教室に持ち込み、Wi-Fiでつないで学べるので好都合である。 パソコン、スマホ、iPad と、最新の情報機器を駆使する”粋な老人”になる挑戦が始ま る。これが本年度の私流の老化防止のための「好奇心を失わず」であり「実行してみる」 挑戦である。 天敵は「あきらめること」と「放棄すること」。何事につけ、あきらめた時が人生の終わり と心得て、愚直にそして楽しみながら継続していきたい。囲碁と同様に・・・。 囲碁の好敵手のK翁を失ってから、しばらく気落ちしていたが、気を取り直して今囲碁の 参考書を片っ端から復習して右脳を鍛え、新横浜の「天狗会」に積極的に参加することに しているから、この二つでボケ防止の対策は十分すぎるに違いない。 今年が免許証更新に当たるので、先日認知症検査の通知が来た。去年までは認知症 検査と高齢者講習は同じ日に実施されたが、今年からは別々の日に実施される。私は 読書をはじめいろいろ頭の訓練をしているので両方ともパスするだろうと高をくくっている。 正月も酒を飲まず、禁酒はもう半年以上も続いている。相変わらず味気ない夕食が続 いているが、血糖値が改善されれば少しは嗜む事もできよう。待望の解禁日も近いと勝 手に思っている。 「閑にして新酒を開き、数盞を嘗め 酔うて旧詩を憶い一篇を吟ず」(白居易)の悠々自 適の心境にはまだほど遠いが、私流の老境の過ごし方もあろうかと思うこの頃である。 老いを感じることが多いが、81歳にしてまだまだ娑婆っ気の抜けない生臭坊主である。 |