小型船舶操縦2級免許の取得。               07,05,25

  1、動機と準備。
 今年の密かな抱負の1つは小型船舶操縦の資格をとり5馬力船外機付きのボートを駆って葉山の魚を釣りまくる事でした。
 こんな動機から今年4月末、逗子マリン100というボートスクールで学科講習と実技講習を受け、5月中旬に国家試験の
 学科試験と実技試験に臨むことにしました。

 2、受講〜受験の顛末。
 はじめは簡単に資格が取れるだろうと高を括っていましたが、いざ受講してみると、以外にも学科も覚える事が多く「理解」
 も大変だけれども「暗記」に大変苦労しました。高齢になると「論理的に考える力」は高まるが記憶する能力つまり「暗記力」
 は若い時よりも格段に低下するそうですが今回正にその事を実感しました。柄にもなく昔英語の単語を覚えたように単語
 帳の裏表に覚える事を書き込み、ようやく暗記できた筈の事が翌日になるとすっかり忘れている事がしばしばありました。
 実技にしても、いかんせん初めてなので操縦のルールや操作技術をたった半日の講習で自分のものにできるはずもあり
 ません。これも覚える事がありすぎてついには規定の半日講習のほかに特別に講師の先生に頼んでさらに半日教えを請
 う始末でした。ロープの結び方1つとっても10通りの結び方を瞬時に示さねばなりません。一生懸命に繰り返し練習しました。
 実技のほうは危険一杯の海上の事ですから「身体反応」つまり「瞬間の判断力」と「とっさの基本動作」を完全に身につけ
 ることが必要です。学科訓練で錆びた頭脳を鍛え、実技訓練で衰えた身体反応を呼び戻すこのトレーニングは、資格を取
 るという実質的メリットもさることながら、頭と体のリフレッシュの面で大いに若返りに役立ったようです。

 3、試験の概要および結果。
 さて肝心の試験ですが、学科試験は60出題、4択方式で合格基準は60%以上。ヨコハママリーナでの実技試験項目は
 @船舶の取り扱い、A基本操縦、B応用操縦、で合格基準はそれぞれ持ち点の60%以上です。学科試験の結果は90
 %以上の正解率でなんとか合格しましたが問題は実技試験でした。@とAはまずまずでしたがBの応用操縦でつまずき
 ました。失敗した応用操縦は、「蛇行、救助、接岸、離岸、方位確認、安全確認、」でそれぞれ少しずつの操縦ミスの積み
 重ねがあったので、自己評価しても合格基準スレスレで合否確率は5分5分と思われました。予断を許さない結果に不安
 を抱えたまま帰宅し1週間後の結果発表を待つ羽目となりました。5月24日(木)インターネットで合格発表の結果を恐る
 恐る覘いたらなんと嬉しい事に私の受験番号「15番」がしっかりと合格者欄に載っていました。合格発表の掲示板に自分
 の番号があるかどうかをビクビクしながら見るなんていう経験は昔痛いほど味わっているので、実にほぼ50年 ぶりに緊
 張した懐かしい昔の経験を思い出しました。 尤も私には「花散る、再起待つ。」なんていう電報を受け取ったほろ苦い体験
 しか記憶にありませんけど・・・。

 4、これから。
 小型船舶操縦2級の国家資格を取得できて晴れて「
古希の船乗り」が誕生しました。天下晴れて20t(24m以下)の船なら
  5海里(約9キロ)の海上を自由に航行できる資格を取得できたのです。ヘミングウェイの「老人と海」ではありませんが、こ
  れからは5馬力船外機付きのボートを駆って相模湾の魚を根こそぎ釣りまくる気概で釣りに精を出しましょう。相模湾の魚
  の値が高騰したらおもむろに「魚屋」でも開業する不埒な初夢でも見ながら・・・・。

      参考・・・@資格取得の為に勉強した学科試験の範囲。
<小型船舶操縦者の遵守事項>
1、船長の役割と責任
2、水域利用者の注意事項
3、漁具等に関する注意
4、海難事故の時の対応
5、シーマンシップと海のマナー
6、小型船舶の免許制度
7、小型船舶の検査および登録制度
8、環境への配慮

   <交通の方法>
1、行き会い船(保持船、避航船)
2、追い越し船の航法(保持船、避航船)
3、横切り船(保持船、避航船)
4、衝突を避ける為の動作
5、各種船舶間の航法
6、衝突の恐れの判断
7、狭い水道等の航法
8、航路標識(9種類)
9、各種灯火と各種形象物(15種類)
10、音響信号
11、港則法
12、海上交通安全法
13、海上衝突予防法
14、船舶安全法
15、船舶法
16、海難審判法
17、水上安全条例

   <運行>
1、小型船舶の操縦特性(舵)
2、同上(離着岸、錨泊)
3、同上(船体の安定)
4、狭水道、河川、狭視界時の航法
5、曳航
6、沿岸における航法
7、浮標(9種類の形状、色、意味)
8、灯質(F, FL, Oc, AL, ISO)
9、水路図誌と水深基準面
10、海図図式
11、設備、装備品(航海計器、コンパス)
12、コンパスカードの読み方、自差、偏差
13、ロープ取り扱い、
14、ロープワーク(10種類の結び方)
15、点検(船体、エンジンルーム)
16、ジーゼル、ガソリンエンジンの構造
17、始動、暖機、試運転、停止
18、入港,着岸、係留、錨泊の方法
19、天気図・海図と記号の読み方
20、緯度,経度、海里、方位の求め方
21、速力(ノット)、航行距離、所要時間
22、風と波、気温と気圧、季節風、前線
23、潮汐、潮流
24、荒天、事故の対策


     A実技試験の範囲

 <小型船舶の取り扱い>
1、発航前の点検
  1、船体・操縦席
  2、エンジンルーム内各種機関
  3、法定部品
2、機関の運転
  始動・暖機・操縦装置の点検
3、トラブルシューティング
4、解らん・係留
5、結束(7種類のロープの結び方)
6、航海計器の取り扱い
   <基本操縦>
  1、安全確認
  2、発進・直進・増速・後進
  3、変針・旋回
  4、停止
    <応用操縦>
  1、蛇行
     ・・・3つのブイの間を2700回転
        のスピードで蛇行する。
  2、人命救助
     ・・・ブイを人間に見立てて救助。
  3、着岸
     ・・・・右岸着岸してロープを係留。
  4、離岸
     ・・・・ロープ解らん〜後進離岸。

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