賢人会            08.11.15
  元A新聞社論説副主幹、といういかめしい肩書きもさることながら、私の最も敬愛する学びと遊びの大先生であるI先輩
 の肝いりで、時を選ばず自在に集り散じる”賢人会”が、今年も秋谷のT写真家邸で行われた。言論界ほか各界の有識
 者の集りだけあって談論風発、今は亡き政界、文壇、の大御所の裏話なども話題になるなど、実に楽しい勉強になる秋
 のひと時であった。Tさんご夫妻の心のこもった山海の珍味と美酒に心行くまで舌鼓を打ち、眼下に絶景の相模湾を見
 下ろしながら、時に慨嘆、時に熱唱、談笑は尽きず、私などは請われて何十年ぶりに森繁節をご披露する羽目になるな
 どご機嫌の酩酊と相成った。最後にI先輩が、憂国の熱情こもる歴史観を弁じてお開きとなったが、さすがにI先生、この
 ような多士済々の士の集りにあってもひときわ彩を放つ”群鶏の一鶴”。その見識と、後輩達を暖かく包む包容力にはい
 つもながら敬服の一語に尽きる。それにつけてもさすがに皆さん、この国の未来には「確かな不安」と「不確かな不安」
 を間違いなくお持ちなのですねえ。
  この賢人会に出掛ける都度感じるのは、「出会いは絶景」(永田耕衣)という言葉です。いい出会いは実に楽しくまた為
 になります。I先生がいみじくも韓国の沢山の友人と今も尚交友を保っておられるのも多分、「出会いは絶景」の気持ちを
 大切に守っておられるからなのでしょう。いい秋のひと時でした。
 この日供された魚は、地場の佐島港で
 獲れたての2,7キロもあるひらめの刺
 身、もんごういかの刺身と小生持参の
 アジの刺身。バーベキューの肉は極上
 の葉山牛と九州は平戸のサザエ、締
 めは岩手の鴨肉と野菜たっぷりの鴨
 汁。銘酒のつまみに長崎の極上ウニ
 と、通が唸る珍味のチーズ。

 これだけの料理がそろい、舞台が相模
 湾を見下ろす絶景ポイントとくれば、お
 のずとお酒も進もうというもの。日頃ア
 ルコールを控えている私も今日だけは
 参った!参った!


 写真はTさん邸の庭でバーベキューを
 しながら談笑するI先生ご夫妻とメンバ
 ーの面々。