今年の重大ニュース続編。  14,12,22

   何ともせわしない12月だ。衆院選挙の前に書いておきたい事があったので、少し早
  かったが12月10日に今年の重大ニュースを披露したが、その後世界や日本で矢継ぎ
  早に今年の重大ニュースに選ばれるようなニュースが飛び込んできた。無視もできな
  いので、異例だが続編として記録しておきたい。先の重大ニュースに選んでおいた項
  目のその後の進展も記録しておく。

   1、衆院選、自民圧勝。
   予想された選挙結果だったが、新聞報道や識者・市民の声を聞くまでもなく、自民
  圧勝とはいえ必ずしも自民支持とは言えず、「しぶしぶ自民」を大多数が選んだ選挙
  だった。国民の半分が棄権をし、投票者の半分が自民だから、4人に1人しか自民支
  持はいなかったという事になる。さらに4人に1人の自民支持者にも「しぶしぶ自民」が
  多そうだから、安倍首相が「国民から全面的な支持を得た。」と胸を張るのは過ちだ。

   争点のない選挙だったのは戦後最低の52,66%という投票率に如実に表れてい
  る。投票率の低さは魅力のある政党や候補者が不在だという事もあるが、政治への
  無関心、他人任せ、どうせ変わらない、自分が行かなくても、などの参加忌避型がは
  びこってきた為なのかもしれない。これでは民主主義が成り立たない。日本の民主主
  義の土台を揺るがす由々しき事態といえば大袈裟過ぎるであろうか。
   常々子供達には、選挙、納税、法の順守の3つは社会人として最低限守るべき事、
  と言い聞かせてきたが、世間では通用しなくなってきたのだろうか。

   それはさておき、いよいよ鷹が隠していた爪をむき出しにするのか、安倍首相の選
  挙後の動静に一層の注視が必要である。

   2、幻のSTAP万能細胞。
   とうとう小保方さんも他の理研教授たちもSTAP細胞を再現させることが出来なかった。
  夢の万能細胞は存在が極めて疑わしいと結論づけられ実験は終了した。世界中を騒
  がせた謎多き科学の世界の騒動はいったいなんだったのだろうか。小保方氏とこれを
  支えた幾多の化学者たちには何の落ち度もなかったのだろうか。研究者のためのイン
  フラには問題がなかったのだろうか。

   3、ルーブル暴落とロシアの通貨危機。
   年初のドル35ルーブルから年末には70ルーブルと暴落し、ロシア経済を襲っている。
  インフレに拍車がかかり物価上昇が強まり、市民は手持ちのルーブルを手放して電化
  製品や車などの耐久消費財や不動産購入に充てる動きが加速している。プーチン大
  統領は、ウクライナ問題での欧米による経済制裁の影響は少ないと強気の姿勢を見
  せているが回復までには2〜3年を要するとも発表した。
   旧ロシア経済圏の再統合路線に軋みが生じ、来年1月に発足させるカザフスタン、
  ベルラーシ、アルメニアとの「ユーラシア経済同盟」に各国の間から不協和音が表面
  化し始めた。

   4、パキスタンで過激派テロが学校を襲撃。
   パキスタン軍系の学校がイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」に襲
  撃され、小中高校生ら約130名が死亡した。パキスタンでの過去最悪のテロとして世界
  中の非難を浴びた。ノーベル平和賞を受賞したパキスタンの女子学生マララさんとイン
  ドの活動家サティヤルティさんも激しく抗議する声明をだし世界中の共感を浴びた。

   5、アメリカとキューバが国交回復へ。
   オバマ大統領が対キューバ政策を大転換し、国交回復に向けて両国が合意した。
  1959年のキューバ革命でカストロが反米政権を樹立して国交断絶して以来55年ぶりの
  国交正常化となる。
   ロシアのキューバ核ミサイル配備をめぐり1962年米露が核戦争直前まで進んだ危機
  を、ケネディとフルシチョフが土壇場で回避したあの緊張感がつい昨日のように思い出
  される。今回の国交回復は中露のキューバ接近にくさびを打つアメリカの思惑と、南米
  随一の原油輸出国ベネズエラに原油を依存するキューバが、原油安によるベネズエラ
  の経済不安を懸念しアメリカとの国交回復を図りたい、とする両国の思惑が一致した
  為のようである。
   経済交流が盛んになれば質の高いアメリカ製品をキューバ人は自由に買うことがで
  きるし、能力の高いキューバの野球選手はアメリカへの亡命という非常手段が不必要
  になる。

   6、地震発生確率高まる。
   政府の地震調査委員会が「全国地震動予測地図」2014年版を公表した。30年以内に
  震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は関東地区で大幅に上昇した。
   東京26%→46%、さいたま30%→51%、実に横浜は66%→78%だそうだ。

   云うまでもなく30年以内とは30年後の事ではない。明日か明後日かもしれない。恐れ
  をなして戦々恐々とするのもどうかと思うが、被害を最小にとどめる日頃の備えだけは
  欠かせない。あとは歌の文句ではないが「ケ・セラセラ」である。

   7、暴風雪で被害続出。
   12月初旬、大型の低気圧により台風並みの暴風雪が九州四国から北陸東北・北海
  道を襲った。豪雪で孤立した集落が続出し、あちこちで年寄りが慣れない雪掻きで誤っ
  て転落、圧死する事故が起きた。
   今週に入って再び寒波と大雪が北日本を襲っている。新潟・長野・山形など各地の
  積雪量は例年の4〜5倍で、お年寄りの雪掻き中の死亡事故や転倒事故がまた起き
  ている。
   少子高齢化が進み年寄りの多い限界集落が益々増えるので、これから一段と老人
  の孤立化対策が必要になってくる。他人ごとではない。我が家も二人きりの老人所帯
  である。

   今年の重大ニュースを披露してからわずか10日の間にこれだけのビッグニュースが
  日本中を駆け巡った。師走にかけて軒並み物価高の中でこれから買い物や掃除やら
  忙しい時期になる。災害もこれで収束して欲しいが、年内で収まってくれるのだろうか。