2003年、私が選んだ今年の10大ニュース。

 1年を振り返ると今年も波乱と激動の1年でした。10大ニュースを選んでみると、阪神タイガースの
 優勝と星野監督の男ぶり,米大リーグでの松井とイチローの活躍、が世間の注目を浴びた事ぐらい
 で、あとは希望が持てる出来事や拍手喝采を送る出来事がほとんどなかった事に気がつきます。

 来年はどんなニュースがトップを飾るのでしょう。願わくば、うれしいニュースでありますように。 
 (※来年は我が家の10大ニュースも発表します。)


 (1)米国のイラク攻撃と戦闘終結宣言後のテロ激化、フセイン大統領の拘束。
   蛇足:なんと言っても今年はイラクに明けイラクに終わった年でした。フセイン拘束で今年の幕が下りたとはいえテロは
           依然としてしばらくは続くでしょう。何故なら、ブッシュ流の、民族、宗教の違いを尊重しない一方的な正義の押し
           付けや、複数の正解の存在を認めない原理主義的な選民思想は全世界の賛同を得る事はできないし、また誇
           り高きアラブ民族を力で制覇することが不可能なことは、2千年の悠久の歴史がこれを証明しています。
           巨大な拳で蜂の巣をたたきつぶすことができても、巣を失った蜂たちが飛来し、何度も針を突き立てるという事態
           をアメリカは自分の力では解決できませんでした。
           イラク戦争は「戦争は短期間に終わらせることができても、平和と民主主義は長い時間と手間をかけても簡単に
           は達成できない。」ということを示してくれました。また「戦争は一人の力でできても平和は決してそうではない。」
           ということも悟らせてくれました。それこそイラク戦争が国際社会に与えてくれた最も大きな教訓だったといえまし
           ょう。
           
(2)日本政府の有事立法と自衛隊のイラク派遣。
    蛇足:1945年の敗戦以来、戦闘力を持った軍隊もどきの陸・海・空の精鋭集団が戦地に赴くのは初めてのことです。
           「違憲」「安全確保の懸念」「平和希求・戦争反対」の視点から派遣反対を唱える人々と,「対米協調」「国際信義」
           「人道的支援」の観点から派遣を支持をする人々の正に国論を2分した論争になっています。思い出せば戦後の
           日本の針路を決める「全面講和」「単独講和」の何れを取るべきか国論を2分した論争を思い出させます。
         アメリカの庇護の下に戦後復興をとげ経済大国になった日本が、58歳になってようやく親離れをして、暴走する
           親をも抑止し得るアジアの大国として存在感を示せるか、それとも、「国防の肩代わり」という親のブラフに怯え
           ながら,親の顔色を窺う乳離れの出来ないアジアの優等生・日本として存在し続けるのか。
           将来にわたって日本が真に世界から尊敬される大国になる道は?   正に今がその重要な岐路にあります。
           宗教戦争と目される今次の戦争に復興名義とはいえ出兵する大義名分には大いに疑問の残るところです.。

(3)自民・公明連合による安定多数確保と「二大政党」への胎動。

    蛇足:明治・大正・昭和の時代にも二大政党の時代がありました。しかし腐敗した政党が2つあってもそれは単なる
           「烏合の集団」にすぎません。「覇道を求めず、王道を歩む」政党・政治家にして初めてこれを語り、これに参加
           する資格があると言えましょう。自民、民主両党の党員・党首に、高き矜持の心とその自信ありや?

(4)日本経済の失速と金融不安が続く。「りそな」への公的資金投入。足利銀行の破綻。
    蛇足:日本の一般財政支出82兆円のうち、国債発行による歳入依存は40兆円を超えます。つまり、毎年借金の2倍
            の支出をしている国が日本なのです。一般家庭では考えられない事が続いているのです。この借金体質を無理
             に変えようとするとデフレになるし金融不安にもなり国民生活を苦しくさせます。
            財政改革と景気回復の両立などとうまいこという学者もいますがそんなに甘い話はそうありません。
            あなたはどちらを優先させますか。身近な家庭で考えたほうが判りよいでしょう。

(5)阪神タイガース18年ぶりの優勝と星野監督の引き際の良い引退。
     蛇足:巨人ファンの私としては、だらしないと言うかあまりにも巨人の負けっぷりが良すぎたし、阪神の選手全員の溌
             剌とした戦いぶりと星野監督のカッコよさに、逆に声援を送りたくなるほどの脱帽した1年でした。
             さらに、監督退任にまつわるいくつかのエピソードや、甲子園での原監督退任をねぎらう男の抱擁など、あまり
             にもカッコよすぎたとおもいませんか。しかし阪神ファンの皆さん、来年はそうはいきませんぞ!

(6)北朝鮮のNPT脱退宣言と6ヶ国協議。拉致問題の難航と平壌宣言の棚上げ。
     蛇足:「核保有の廃棄」にこだわるアメリカですが「拉致問題」の解決もしようとしない野蛮国とテーブルを一緒にする
             ことが出来ますか?これが仮にアメリカ人が拉致されているとしたらブッシュ大統領なら「人質奪還・無法者の
             殲滅」として軍事攻勢を仕掛けるに違いありません。小泉さん。あなたがもう一度平壌に乗り込んでじきじきに
             金正日に平壌宣言の遵守を強く求めたらいかがですか。,あなたは最近口ばかりで行動力のない丸投げ政治家
             になってきましたよ。いいなりの外相任せでなく、あなた自身の行動でこの問題を解決しては如何ですか。
            因みに最近、あなたの改革は「指示なき改革」または「ワンフレーズポリティックス」などと揶揄されていますよ。

(7)新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)の猛威。
     蛇足:治療方法未解決と恐れられたSARSの猛威もようやく収まってきたが、またまた台湾の医師がSARSに感染
              して警戒態勢に入ったそうです。テロの脅威、SARSの脅威で海外旅行も大打撃なそうな。
             私には関係ないけどね。でも長女は先週1週間インド。そして今日から沖縄です。

(8)米シャトル・コロンビア、大気圏突入で炎上。日本はH2A偵察衛星打ち上げ失敗と火星観察衛星の軌道逸脱。
     中国は有人衛星{神舟」打ち上げ成功。
      蛇足:宇宙競争の悲喜劇。日米の相次ぐ失敗と中国の台頭。。特に日本の宇宙航空開発力の未熟さは目を覆う。
              日本の先端技術力は世界に冠たるものがある筈なのに、この失敗は多分学閥の壁が邪魔をして、学際とか
              産学交流を妨げる非効率・排他的な研究システムのせいなのだろう。こうしたシステムにメスを入れて大改革
               をしないと、あたら日本人の英知が生かされず世界に大きく後れをとる事になることだろう。

(9)大相撲の人気凋落。貴乃花引退。朝青龍の横綱昇進。
      蛇足:満員御礼の垂れ幕が見れなくなってさびしい。大相撲の人気凋落の根は深い。まず日本人の"生きの良い
              関取"がいない。良い関取が生まれる環境がない。厳しい相撲取りになろうなどと思う根性のある子供が
              いなくなった。などなど。早く、若貴、古くは栃若、柏鵬などの血沸き肉踊るバリバリの新鋭の出現を祈るや
              切。 やはり日本人の関取でなけりゃ。

(10)温暖化と地球規模の異常気象。欧州の水害。米カリフォルニア州の山林火災。
      蛇足:深刻な異常気象が続いている。決して他人事と思ってはいけない。一連の異常事態の発生は,「失われた
              自然は2度と帰ってこない」という、人類に与えた警告と受け止め、心して肝に命じておくべきことです。
              「京都議定書の遵守」 は将来の子孫に受け継ぐべき最低限の人類の義務。国益だの自国産業保護だのと
             言って批准に反対する一部の欧米諸国に対して、日本は率先して世界のリーダーシップを発揮すべきです。
             ひるがえって身近な私生活にも一人一人の注意が必要ですね。

  
※番外。1、藤井道路公団総裁解任。
       
 2、「千と千尋の神隠し」オスカー長編アニメーション賞受賞。
                 3、松井、イチローの大リーグでの活躍。日本の野球ファンがTVに釘づけ。
                 4、年金、道路、三位一体、の改革案が具体化。。これからが正念場。
                       
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