04年、私が選んだ今年の10大(重大)ニュース(国際、国内編) 昨年に引き続き今年の10大ニュースをまとめて見ました。 今年は重要なニュースが多く10アイテムに絞る事が出来なかったので「10大→重大」ニュース になりました。例によって独断と偏見の解説入りです。 まとめてみて感じることは半年前に目をみはった出来事がすっかり色あせ忘れかけていること です。例えば私のノートにある今年最初のニュースはイランの地震で4万人死亡でした。 翌日はアメリカ無人火星探索車 「スピリット」の火星着陸成功、その翌日は中国でSARS患者 の発生。そしてその翌日はイラクに陸上自衛隊先遣隊の派遣決定でした。自衛隊の海外派 遣などは戦後日本の防衛政策の大転換ですが、今振り返るとこの報道も遠くかすんだ過去 の事実でしかなく、人間の持つ忘却力に改めて驚きかつ警戒心が沸き起こります。 こんな感じ方を何年という尺度で考えた場合、どれほど私達が過去の出来事を忘れているか に改めて気がつき驚きます。出来うれば私達は、あたかも花びらか落ち葉のように散ってい く小さなニュースの一片をつなぎ合わせて、その因果関係と真実の糸を常に手繰っていく 感性を磨き続けたいものです。 (1)ブッシュ再選とイラク戦争の混迷、米財政の悪化。 蛇足:アメリカ国民はブッシュを再選しました。対イラク強硬派が勝利したことでイラクの混迷は 一層長引くことでしょう。 この春、アメリカ軍のイラク人収容所内での大量虐殺事件が判明しました。中東に民主 主義を! フセインによる虐待からの開放を!と叫ぶブッシュ政策との大いなる矛盾です。 イラク人民の抵抗は既にテロではなく民衆によるアメリカ排除の民族運動化しています。 膨大な戦費による財政悪化のため早期安定化と「ファルージャからの名誉ある撤収」を 急ぎ、今も激戦が続いて いますが、「ファルージャを征服した時からアメリカの敗北が始 まる」とまで言われ事態は容易ではありません。 一方ケリーが落選したことで保護主義の貿易政策が見送られ日本の輸出産業は胸を なでおろしています。ブッシュの対日経済政策は苦境にあえぐ日本経済にとって頼みの 綱なのです。日本国民はブッシュの大国主義に眉をひそめつつも、ケリーのモンロー主義 にも懸念を感じました。アメリカと陽気なヤンキーは大好きだが不遜なブッシュに眉をひそ めているのが大方の日本人の感情ではないでしょうか。 (2)アラファト死去とテロ温床としてのパレスチナ問題。 蛇足: 「テロと報復の連鎖」 これがイスラエルとPLO(パレスティナ解放戦線)の争いの現状です。 国際政治を善悪という2分論で言い表すのは難しいことだし無意味な事です。PLOの対 イスラエルの戦いはイスラエルの抑圧的なパレスチナ政策に対する民族存立の戦いです。 一方ではPLOは「テロと言う宣伝手法」を世界で初めて使った組織でもあります。 テロと言う暴力によって国際世論を作るというアラファトの手法を真似する輩がその後も 後を絶たなくなり、ビンラディンやIAEAなど様々なテロ組織による犠牲者を生んだのも事実 です。テロと言う卑劣な手段によって平和を購おうとして失敗し結局、混乱と犠牲者のみを 残して果てしない戦いを民衆にゆだねる。その愚かな歴史を繰り返した元凶がアラファトだ と酷評されても仕方が無いのです。 決してアメリカ・イスラエルの制圧政策の肩を持つ訳ではありませんが・・・・。(池波正太郎 流に言えば悪の中に善があり善の中に悪があると言う事でしょう) アラファトは死の直前、 テロの中止と和平交渉の継続を訴えていました。したたかな彼の本心は判りません。なに せ「テロ」を生み出しテロリストを育てノーベル平和賞を貰った平和の伝道者(?)なのです から。アラファトの死によってさらに急進的なPLOに変身し、イスラエルは対‘PLO攻撃を激 化させ、これに対する報復テロが再び激しさを増す、という報復の連鎖の構図が危惧され ます。片時も目が離せません。 (3)チェチェン、北オセチア・テロとプーチン政権の苦悩。 蛇足:9月、北オセチア共和国の小学校を占拠するテロが発生して300名を越す死者がでたという報道がありました。 これはチェチェン独立派に対するロシアの弾圧に抵抗する武装勢力の仕掛けだろうとマスコミは報道しました。 カスピ海の一角にある遠い国の事件ですからチェチェン紛争は日本人にはなじみが薄くマスコミもロシアの報道 だけを鵜呑みにして報道する有様ですから正しい情報が得られず、このテロの意味合いやチェチェン紛争の歴史 的な真の姿が我々には伝わらないのです。 紛争の舞台となっているチェチェンは16世紀のイワン雷帝の時代の侵略にさかのぼります。19世紀のロシアに よる併合、独ソ戦争の最中でスターリンが行ったチェチェン人のカザフスタンへの強制移住、1991年のソ連邦か らの独立、20万人が犠牲となったといわれる第1次,第2次チェチェン戦争、、ジェノサイドといわれるいまだに続 くロシア人による片っ端からのチェチェン人虐殺行為、犯人がどちらの民族かわからない両民族間の誘拐事件多 発。などの膨大なそして複雑な歴史を紐解かなければチェチェン問題を理解する事は出来ません。特筆すべき事 は、1944年に50万人以上のほとんどのチェチェン人がヒトラー寄りと非難されて一夜にしてカザフスタンに強制 移住させられ、後にようやく郷里のカフカスに戻されたときには、すでにこのカフカスに移住していたロシア人にと ってはこのカフカスは彼らの永住の地だったことです。カフカスから強制移住させられたチェチェン人が被害者なら カフカスに移住させられた最貧民のロシア人もまた被害者。そして。被害者と被害者が相争う殺戮の悲劇が繰り 返されているのが真実の姿であり、戦争が残す禍根の恐ろしさなのです。今度のテロにしても、事件の背景もいわ ゆる犯人も、ロシア側の報道しか伝わらない真相は闇の中の事件です。 ブッシュ大統領が「テロに反対する国々」と「テロを実行し支援する国々」に世界を2分しようとした時、プーチン大 統領はいち早く反応してブッシュ寄りを表明しました。 チェチェンを「抑圧された少数民族」から「分離主義のテロリスト」へすりかえるのにもってこいの状況が生まれた からです。ロシアがチェチェンと戦争する理由は石油資源確保の地理的理由と、ロシア人の歴史的なチェチェン人 憎悪、がありますが、エリツインと同様プーチンもまた大統領再選の為にはロシア世論調査の多くが賛成するチェ チェン戦争の継続が必要なのです。プーチン政権の苦悩がここにあります。 日本の新聞に載る表面的な米・露の偏った報道に迷わされないよう本質を見極める注意が必要です。 「世界の人道問題」を話題にするならば、アフガンやイラクや日本の拉致などだけでなく遠いチェチェンのことも記 憶にとどめておきましょう。 (4)WTI油価の高騰と国際的なエネルギー需給の逼迫。 蛇足:アメリカWTI(west texas innstitute)の原油価格が先物相場で1バレル50数ドルまで上昇しました。インドや 中国の経済成長を軸とした旺盛なエネルギー需要から、長期的な供給不安が続くと見た投機筋のヘッジファンド が価格を吊り上げているのです。これに加えて、イラク戦争の泥沼化で原油の開発どころか油送管の爆破が次々 に起きて供給不足になっていることも原因の一つです。日本の主たる輸入先のドバイの原油はまだそこまでは行 っていないのが救いですが、じわじわとガソリンの価格や世界的に不足状態の鉄鋼の値上げなどの影響が出始 め、日本や世界の景気に影響を与えはじめています。1バレル15〜20ドルが相場の原油価格が10ドル上がる と日本の懐から2兆円の油代が流れ出すそうです。 三位一体政策で3兆円を捻り出そうと政治が大童な有様ですから金額の大きさがわかります。日本の景気回復 にとってこの原油価格の趨勢は見逃せません。緊急の課題は一刻も早いイラク戦争の終結と原油の安定供給 にあることは言うまでもありませんが、それにしても大量の資金を動かして世界経済を食い物にするヘッジファン ドの跳梁跋扈は恐ろしい存在です。 (5)災害列島日本。中越地震、台風,異常熱波と環境悪化。 蛇足:天変地異とはいいますが、例年だと年3回ほど日本に上陸する台風が今年は23号まで11回に達しました。 温暖化による海洋温度の上昇が予想外の豪雨禍を各地にもたらしたものです。さらに夏には異常熱波が列島を 被い観測史上初という記録が各地で続出しました。世界を見ると、北極の気温は他の地域の2倍の速さで上昇 し、北米と欧州では小鳥やチョウが10年間に6キロずつ涼しい北方に移っているそうです。 おりしも地球温暖化を抑えようという京都議定書がロシアの批准で来月2月に発効する事になりました。94年の 枠組み条約の発効から10年、議定書の採択から7年目でようやく日の目を見ました。京都議定書は先進国につ いて二酸化炭素など温室効果ガスの排出をまず5%減らそうというささやかな取り決めですがそれでも米国の離 脱、発展途上国の義務除外などの紆余曲折がありました。まずは久しぶりの朗報です。先日アルゼンチンで開か れた地球温暖化防止会議(COP10)は京都議定書で定めていない2013年以降の温暖化ガス削減目標などを協議 する準備会合を来年5月に開くことで合意しました。 いよいよ「ポスト京都」の論議が本格化し「次の一歩」を踏み出しますが、米国などが新たな目標づくりに難色を示 している事や、先進国と発展途上国の格差、産油国と海面上昇を恐れるサンゴ礁国の対立など、交渉は難航が 見込まれます。しかし対立はあっても世界が一つになって温暖化を防ぐという共通の目標に向う人類の叡智が 様々な障害を乗り越える事を期待したいものです。 (6)揺れる日本の大企業。 ー@三菱自動車リコール問題と企業倫理。 蛇足;欠陥車の情報を知りながらひた隠しに隠し続けようとした三菱の経営体質・倫理感覚は同業の立場にあった私 には到底理解出来るものではなく、また経営再建策の柱とした本社京都府移転計画が従業員の大量退職の 惧れから白紙撤回をしたという経営判断に至っては正に腰抜けと言われても仕方のない笑止千万のどたばた 劇でした。 ーAUFJ銀行の検査妨害事件と再編を巡る混迷。 蛇足:UFJ銀行が金融庁検査を妨害して元副頭取らが逮捕されました。格付けの低い融資先に対する貸倒引当金の 積立てが不当に過少だと判定される懸念から、これら融資先のデータをすべて隠蔽した事が発覚したためです。 大口融資先の不良債権に苦しむUFJ銀行が生き残る道は、@この金融庁検査隠蔽事件の早期解決、に加えて、 Aダイエーなどの不良債権の早期処理、B証券業務の切り離しと本体銀行業務の他行との合併。にあることは 明白でしたが、再編の組み合わせの判断が拙劣でした。UFJ信託銀行を住友信託銀行に売却する合意書の白 紙撤回から始まった連続提訴、本体のUFJホールディングスの去就を巡る東京三菱Gと三井住友Gの争奪合戦。 こうした泥まみれの混迷・迷走はすべてUFJトップの先見性の無さに原因があります。当事者は真剣でも冷静な 第3者から見るとこの隠蔽事件もUFJを巡る争奪戦・訴訟戦もまた、節操のない経営者の演じた茶番劇でした。 ーBダイエー再建と産業再生機構。 蛇足:自主再建を最後まで主張していたダイエーは、一転してUFJ銀行など主力行の強い要請を受けて産業再生機 構を活用する方針に転換しました。一兆円を超える負債を抱えて三回目の金融支援となるダイエーは、土壇場 で銀行側の言い分をのまざるを得なかったのです。自主再建と言いつつも債権放棄(究極的には国民の税金) を求めざるを得なかった経営責任から見れば当然の帰結です。ダイエーに貸し込んでいる銀行側としては、再生 機構が支援に乗り出せば、借金の棒引きに当たる債権放棄にはある程度応じざるを得ないが、不良債権となっ ているダイエー向け融資が正常債権として扱われ、銀行にとっては財務体質の強化につながるため強硬に圧力 をかけた末の結末です。 大衆のための安売りスーパーとして華々しく消費者市場に登場したダイエーは遂に多角化路線に失敗して自主 再建の道を絶たれました。 ーC西武の財務問題が表面化。 蛇足:コクド保有の西武鉄道株が個人(元社員)名義に偽装されていた事実が判明しました。 その結果、コクドの保有比率が有価証券報告書に記載された43.16%ではなく、実際は64.83%であったこと がわかり、上位株主らの保有比率が80%を超え、東京証券取引所の上場廃止基準に触れるとして東京証券取 引所は西武の上場廃止を決定しました。永年西武株を保有している一般株主が満足に株の売買ができず著しく 株主の利益を損なってきたばかりでなく、この事実が判明した直後にコクドは保有する西武株を大量に第3者で ある七十数社に売却してこれら企業に大きな損害を与えました。こうした一連の行為は証券取引法違反(インサ イダー取引)であり西武グループの腐敗体質を明らかに示しています。コクド・西武グループの巧みな利益操作と 税務申告による税金逃れは昔から有名で、多額の税金を払う事になった財務担当の役員がクビになったこともあ り、永年にわたって堤一族の資産隠しの手法が引き継がれていました。かって西武鉄道は総会屋への利益供与 事件で元専務らが逮捕されたこともあり、堤一族による dirty な私的企業支配の構造は経営改革委員会(委員 長=諸井虔・太平洋セメント相談役)によって白日にさらされ抜本的な改革の方向が示される事でしょう。 (7)日本歯科医師連の不正献金と政治浄化。 蛇足:自民党旧橋本派の政治団体「平成研究会」が日本歯科医師連から献金された1億円を政治資金収支報告書に 記載しないで裏金として処理した献金隠し事件が発覚し、同会の会長代理だった元官房長官・村岡兼造氏と会 計責任者が逮捕されました。橋本元首相は日歯連会長から直接小切手を受け取り、青木会長、野中元幹事長 はその会食の場に居合わせたにも拘らず3人とも不起訴になりました。参院選挙を間近に控えた時期に特定の 政治団体から巨額の寄付を受けたことが公になれば、社会の注目を集め、業界団体との癒着が取りざたされ て強い非難を受けることになりかねず、事実を隠蔽(いんぺい)して国民の監視や批判を免れようとしたのです。 この事件も「隠蔽」がキーワードでした。頬かむりの政治家のしたたかさと黒い金を巡る氷山の一角が垣間見え た事件でした。 (8)鳥インフルエンザ、東南アジアから日本へ。 蛇足:今年2月、京都府丹波町の鳥インフルエンザ感染隠ぺい事件が世間を騒がせました。浅田農産(兵庫県姫路 市)社長と会長の隠蔽工作が判明し会長夫妻は自殺、社長は家畜伝染病予防法(届け出義務)違反の罪に問 われました。府内の養鶏場だけで約25万羽、卵2000万個が処分され、4月13日に府が終息宣言しましたが、 年末になって鳥インフルエンザに感染した人が発見され事件の後遺症がまだ残っていることを改めて実感しま した。 会社の倒産を恐れた隠蔽工作が結局は感染の拡大と会社の自滅をもたらした事になります。 どうやら今年の一連の企業不祥事も政界のスキャンダルも、キーワードは「隠蔽」と言う事になりそうです。 (9)アテネ五輪での日本選手の活躍。 蛇足:明るい話題を一つ。柔道、水泳、体操、野球、マラソン、そのほか日本選手のメダルラッシュで日本中が真夜 中のテレビに釘付けになり寝不足となりました。北島選手の「ちょう、気持ちいい。」が今年の流行語大賞にな りましたが、私にとってはヨット470級で関、轟組が日本人初の銅メダルを獲得してくれた事が「ちょう、気持ち いい。」出来事でした。 (10)プロ野球ストと球界再編成。有力選手のメジャー志向。 蛇足:近鉄とオリックスの球団合併に始まったプロ野球機構と選手会の交渉は世論の後押しと古田選手会長のリー ダーシップが功を奏して選手会側の言い分がかなり通る結果となりその健闘が光りました。経営不振の球団合 併は昔から行われた経営手法でなんらやましい事は無いにも拘らず経営者側の悪者振り、混乱振りが目立ち ました。コミッショナーをはじめとした球団首脳の収拾能力の乏しさ、野球界を牛耳ってきた某球団のオーナーの 「たかが選手ふぜい」の暴言などが世間の悪評を買いました。彼ら球界を牛耳った大物ドンが軒並み一線を去 り、新たに参入した若い経営者が加わってプロ野球経営は新しい時代を迎えました。仙台に誕生した「楽天イー グルス」は東北に野球ブームを引き起こすだけでなく野球技術そのものの飛躍的向上をもたらすでしょう。一方、 松井、イチロー、などの有力選手の活躍から、有力選手のメジャー志向はさらに加速度的に高まっています。 60年前の赤バット、青バット時代からの古いプロ野球ファンの1人として、日本プロ野球界の人気回復策が待た れます。 (11)ジェンキンス氏来日と北朝鮮拉致問題の混迷。 蛇足:ジェンキンス氏の軍事裁判も終わり、曽我ひとみさん家族の日本永住が決まったようです。 しかし、残された拉致家族の問題は不誠実な北朝鮮の対応から全面的な解決までにはまだ遠い道のりです。 政府は「対話と圧力」を柱に慎重に経済制裁のステップを検討中のようです。なにせ無法者の北朝鮮ですから話 し合いによる解決は困難きわまるでしょう。ブラフに怯えずに決定的な打撃を与える制裁は必至と思われます。 (12)長島氏脳梗塞で倒れる。 蛇足:野球界の至宝、長嶋茂雄氏が病魔に襲われました。我々年代にとっては希望の星、憧れのスターです。アテネ オリンピックの準備の無理が祟ってといわれていますが実に残念です。誰の悪口も言った事のない天真爛漫な 彼の逸話を私は沢山知っています。立教大学時代の野球部の仲間や巨人のコーチなどから聞いた逸話ですが 実にユニークな人柄です。早い回復と復帰を祈る大ファンの一人です。 (13)児童虐待・殺人事件と集団自殺。 蛇足:大人が子供を殺し子供が大人を殺す。変質的で理由もわからない悲劇が今年も繰り返されました。無責任な学 校教育と家庭教育、知性のない情報氾濫と誘導、などが徳育の欠如した青少年を生み出してきたからなのでしょ うか。私達が子供のころには考えられない事件ばかりです。 ところで、日本の学生の学力低下が話題になりました。徳育だけでなく知的水準も低下しています。また最近は ”Neet”と呼ばれる若者が数十万人いるそうです。曰く”Not in education、employment, or trainning"つまり勉強も 仕事も何らかの職業訓練も何もしていない若者なのだそうです。フリーターの方がまだ良いほうです。高齢化と 労働力不足で懸念される将来の日本経済・産業界はどうなっていくのでしょうか。人間の生命を軽く見る風潮が はびこり勤勉さと夢を忘れた日本人に何が残るのでしょう。 (14)北海道警の裏金作り不祥事。 蛇足:勇気ある元幹部の内部告発によって道警の永年にわたる不祥事が明らかになりました。思い出せばかって某 県庁のカラ出張による裏金作りが発覚した時、トップに君臨していた友人が、「恐ろしい事だが役人を永く勤める と感覚が麻痺して悪事を悪事と思わなくなる。むしろ善行だと錯覚する事すらある。」と述懐していたのを思い出 させられました。多分、北海道警だけではなく多くの県警で大同小異のことが行われているに違いありません。 何故なら、裏金は飲食代という使途よりも、むしろ決められた予算制度の枠内では処理できない「善意の使途」 のために使う、そのような便法が永年の慣行として公に容認されてきたと思われるからです。こうした「悪の温床」 としての予算制度のシステムこそ抜本的な改革の対象とすべきでしょう。 (15)イラクの日本人人質の解放と殺害。 蛇足:「自己責任」と言う言葉が流行しました。好奇心や正義感からイラクの危険な地域に出かけるのは個人の勝手で すが、その結果が拘束されて生命の危険にさらされ、国家・政府の救出を当然のように期待し要望するのは身 勝手と言うものです。このようなことに血税をつかうのは無駄使いと言われても仕方がないことで、遺族には気 の毒ですが「自己責任」を追求され「費用の弁済」を要求されても当然のことといえましょう。 (16)皇太子殿下の”人権否定”発言。 蛇足;波紋を呼ばない発言が皇室のしきたりでしたので今回の発言には驚きました。頑迷な取り巻き連中が雅子様に プレッシャーをかけ続けた事に我慢できなかったのでしょう。宮内庁のしきたりを変えることは大変だろうけれども ここにも現代にマッチした近代化の改革のメスを入れるべきでしょう。秋篠宮の発言もまた異例の発言でした。 (17)青色発光ダイオード発明対価に200億円支払い判決。 蛇足:東京地裁は青色発光ダイオード発明に対して200億円にのぼる破格の報酬を支払うよう命じました。この判決 に日本の産業界は大きな衝撃を受けました。日立特許訴訟でも約1億6200万円の支払いを命じており、特許 ・発明に対価を求める訴訟では、高額の報酬を認める司法判断の流れが定着しつつあるようです。日本の企業 風土の中では、歴史的に「社員の発明は会社の財産」という意識が根強く、画期的な発明による会社への貢献 も、「給料の一部」として片づけられてきた面が強かったのですが、一連の判決により日本企業は知的財産権を めぐる戦略の見直しを迫られることになります。 しかしなんと言っても判決の金額が大きすぎる気が私には致します。 (18)国会議員の国民年金の未払い続出。 |