夜メバル 。 ![]() 鬱陶しい梅雨がようやく明けたかと思えば、今度は炎天下の到来である。気温 は35度を超え、熱中症の危険が増し、病院に担ぎ込まれる老人が多く、何ともや りきれない日々が続く。 自然の摂理とはいえ季節の変化に老人の体はなかなかついていけない。昔は もっと季節の変化を楽しんでいたような気がする。外に出れば熱中症、部屋に閉 じこもれば冷房病(クーラー病)、老人はこの2つの危険に攻め立てられて居場所 に苦労する。まごまごすると部屋にいてさえ熱中症になるという。 葉山、逗子、鎌倉、いわゆる湘南の海は海水浴客で賑わっているが、老人には トンと縁がない。長梅雨にも閉口したが猛暑にはさらに耐えられない。ほどほどの 室温にして部屋でじっとして暑さをしのぐほかはない。、 このところの猛暑で昼間の釣りは用心して避けているが、夜釣りとなれば話は 別である。 昔仲間の釣り好きで集まる同好会の8月の計画は夜メバルなので、船宿の常 連客の私が予約を取って仲間8人で東京湾の夜メバル釣りに出かけた。 夜空には満天の星、明滅する漁火、夜風が頬を撫で、潮の香が鼻をくすぐり、 何とも心地よい。横浜の八景島の方角で花火が打ち上がっていた。 夜釣りは18時出船、21時半帰港だから正味3時間弱の勝負である。陽がとっ ぷりと沈むまでは不思議にメバルは食いつかない。釣れるのはカサゴとアジば かりで、陽が落ちて暗くなるとようやく本命のメバルが釣れ始める。 メバルの食い込みは突然鋭く引き込むのですぐにメバルだと判る。 メバル竿は胴調子で柔らかいから、メバルの抵抗を柔らかく吸収してしなってく れる。それでも仕掛け糸が切られないように泳がせ泳がせ慎重に釣り上げると、 大きな眼玉がぎょろりとした黒メバルが暗い海面に姿を現す。夜釣りの醍醐味 の瞬間である。 今夜の釣果は、数こそ少ないが25センチ、23センチを筆頭に、20センチクラス 前後のメバルを11匹、外道にカサゴ、アジとまずまずの釣果だった。 メバルを刺身にして食べる通もいるが、私の家族はやはり王道の煮付けが大 好物なので、そうするつもりである。我々夫婦は2匹で十分なので、大きなメバル は逗子の叔母家族に進呈した。やはりメバルの煮付けは煮魚の王様である。 明日から高校野球、夏の甲子園大会が始まる。もうあの甲子園には行く元気 もないが、テレビで高校球児の熱闘を毎日観戦できる。 わが母校は早々と敗退したようだが、大谷翔平、菊池雄星を輩出した花巻東 高校が岩手県代表として出場する。岩手県大会の決勝戦で肩の故障を避けて 登板しなかった今年話題の大船渡高校の163㌔佐々木投手の分も含めて健闘 してくれるだろう。楽しみである。 |