松輪沖の釣り。     14,06,25

    世に関アジ・関サバというブランドがあるが、東京湾の松輪沖で釣れるアジサバは
   松輪アジ・松輪サバと云われて、市場では関物と遜色ない魚として珍重され高値が
   ついている。隠れたブランド魚である。城ケ島と三崎にほど近いこの沖は渦が急で
   本来は回遊魚のアジサバがここに根付いていて、渦の為に身が引き締まっている
   のが珍重される所以だという。

    松輪の海は今乗っ込みのタイや良型のイサキで賑わっているというので、今年初
   めてタイを狙って松輪に出掛けた。我が家からは30分ほどかかるので朝4時前に家
   を出て、船宿で手続きをして5時15分に出船した。もう空は明るい。

    松輪の釣りも船宿も初めてなので、船長にこの船でのタイの釣り方を教わり釣り
   始めた。タナ取りは葉山辺りとは違って船長が上から何mと指示する。その位置に
   ビシが来るようにタナ取りをする。乗船客は常連らしく手慣れた様子で仲間同士で
   笑い話をしている。曇り空で暑くなく風もない釣り日和である。

    昨日は5キロのタイが数匹釣れたというので期待していたが、とうとう終日まで待
   望のアタリはなかった。結果はタイは坊主で、写真のように外道のキントキが1匹
   だけという惨敗だった。


      

    10人の釣り客の中で幸運を射止めたのは2人だけ。船中3匹という貧果だった。
   自然は気まぐれなもの。こんな日もあるのがタイ釣りというもので、だからこそ釣り
   上げた時の喜びは応えられない。別船のイサキ船は大漁で、束越え(100匹越え)
   だったそうだが、イサキを避けて一発を狙ってタイにターゲットを絞ったのが結果
   として失敗だったことになる。

    しかし後悔はしていない。今か今かと竿先がグイっと引き込まれる瞬間をひたす
   ら待ち続ける緊張感はアジやイサキでは決して味わえないスリルがある。宝くじに
   似たギャンブル要素の強い釣りなので坊主はつきものなのだ。
    タイ釣りに無知な家内は沢山釣れたら鯛めしや刺身を作って孫達に食べさせよ
   うと呑気にはしゃいでいたが、とうとう期待に応えられなかった。

    このままでは終われないので近々リベンジしたいと思っている。さしずめ2匹目の
   どじょうを狙って、去年タイの大釣りをした佐島港から相模湾のタイを狙うとしよう。
   やっぱりタイは魚の王様、タイ釣りは釣りの王道である。