アマダイ釣り。 14,11,22 釣りもいよいよ終盤。11月下旬ともなるとさすがの温暖地三浦半島も朝夕がひと際 寒くなって寒風が肌を刺す。この季節になるとアマダイのシーズン到来となる。 アマダイファンは結構多く、土日のアマダイの乗合船はいつも釣り客で一杯になる。 綺麗なピンク色の魚体、ドングリのようなつぶらな目と愛嬌のある顔、独特の強い引 きと水面に現れた時の赤い魚体は魅惑的で釣り人は等しく興奮し感動する。 11月22日は18年目の亡母の命日。釣りなどの殺生は控えるべきだが、釣友会の S会長からたっての勧誘があり例会のアマダイ釣りに出かけた。思い起こせば3年前 の2011年12月10日、この日と同じ久里浜の山下丸から釣友会の例会のアマダイ 釣りに行き、出船直後突然心筋梗塞に襲われて救急車で病院に運ばれ九死に一生 を得たのがつい昨日のように思い起こされる。 あれ以来アマダイは鬼門なのでぷっつりと止めていたが、遂に3年ぶりにあの感触 を味わいたくて誘惑に負けてしまった。寒さがきついので十分な厚着をし、心臓の常 備薬(ニトロ)を携帯し、温かい飲み物を準備して用意万端の支度が完了した。 S会長が我が家に出迎えてくれて悪夢のような思い出のある船宿に到着し、早朝7 時に出船した。総勢11名の釣友会メンバー一行の仕立て船である。陽が昇ってくる に従い次第に暖かくなり風もなく海は穏やかで絶好の釣り日和になった。 しかしなかなか本命のアマダイは顔を見せない。釣れるのは外道のトラギスとヒメコ ダイ(アカボラ)だけ。しばらくしてようやく艫のベテランが中型のアマダイを釣り上げた。 しかしなかなか後が続かない。船長がポイントを探して盛んに移動するがこの日は潮 流れが良くないためか食いが鈍い。 昼近くになってやっと私にもアマダイ独特の強い引きがあり30センチほどの小型の 本命が釣れた。結局私の釣果はアマダイ1匹、小鯛1匹、トラギス10数匹という貧果 に終わった。トップが3匹で坊主が数人、船中7匹という寂しい成績だったが、もともと アマダイはせいぜい2〜3匹釣れればいいという釣り物なのでこんな日があっても不 思議ではない。 アマダイの料理は酒蒸し、昆布締めの刺身が定番で、干物や味噌漬けも人気が高い。 昆布締めはアマダイの頭を落とし3枚にして鱗を取らずに皮を剥ぐ。軽く塩を振って臭 みを取り、昆布で身を覆って冷蔵庫で30分ほど寝かせ、あとは刺身にすればよい。 昆布は友人が羅臼で土産に買ってきてくれた分厚い羅臼昆布を使う。醤油ではなく カボスと塩で食べれば絶妙の味がする。 鱗のついた皮を唐揚げにする。いわゆる「松笠揚げ」で、鱗が美味しく食べられ酒の つまみに重宝される。頭と骨は湯でよく臭みを取り、潮汁にして余すところなく食べきる。 アマダイは関西では高級魚として人気が高いが、関東でも隠れた高級料理として通 に喜ばれる。25日に弟が能登から来宅し、末娘も東京から帰宅するので、今回は 1匹しかないアマダイを昆布締めにして振る舞ってやろうと思っている。外道で釣れた トラギスは背開きして天ぷらにし、骨は骨せんべいにして塩を振って食べる。捨てると ころは一つもない。トラギスは普通のキスよりも天ぷらの具材としては美味しいという 人が多い。小鯛は塩焼きにする。 釣った魚はすべて食べきることが魚供養というもので、それが釣り師の端くれとして の「礼儀・釣り道」と心得ている。今年はあと3回、真鯛と太刀魚とカワハギに出船して 御用納めにする。今年もよく釣りに精を出したものだ。 |