春は名のみの・・。   17,02,05
     
  つい先だって正月を過ごしたばかりなのに、もう節分が過ぎ、早くも立春である。
 暦の上では春が来たのに外を歩くとまだまだ寒さが身に沁みる。”春は名のみの、
 風の寒さや♪” 早春賦の歌詞のとおりである。

  去年の暮れに太刀魚を釣りに行って以来、釣りにはご無沙汰していたが、孫達
 がジジの釣ったアジを食べたいというので、それを口実にして、天気と風を見計ら
 って立春の昨日、今年初めてのアジ釣りに出かけた。

  朝5時に起きて支度をしたが、あまりの寒さに嫌気がさして、午前アジを止めて
 午後アジに変更した。昼ごろには気温も10度を越え快適な釣りになった。

  つい数年前までは少々寒くても平気で釣りに行く元気があったが、今では寒さ
 には抵抗できなくなってしまった。6年前の心筋梗塞の悪夢がよみがえる瞬間が
 あり、トラウマが消えない。突然釣り船の中で苦しくなったあの時も、今日と同じ
 寒い朝だった。

  暖かくなった昼ごろに船宿に着いたら、丁度帰ってきた午前アジの常連が、皆
 さん60〜80匹もの大漁で、景気の良いにこにこ顔ばかりだった。自慢話を存分
 に聞かされた。

  釣り仲間の1人が、したり顔で、”午前が良いと午後は駄目になるよ”、と縁起で
 もないことを言っていたが、果たして出船して釣り始めたら、まるで魚の反応がな
 い。

  船長もあせってあちこち走り回ってようやく群れを探し当てて釣れ始めたが、
 しかし釣り客全員そんなに釣果は上がらず、午前アジの半分以下の釣果に終わ
 った。私はアジ28匹、イシモチ4匹、サバ1匹で船中トップだったが、午前に比べ
 れば格段に少ない。しかし、もともと20〜30匹釣れればいいといつも思っている
 ので、28匹は想定内の満足な釣果だった。

  釣り友の学友S君は太刀魚に凝っていて、今年すでに5回、もう72本も釣った
 そうな。、昼飯を食べていた船長曰く、太刀魚は深場に入って釣りにくいので、
 今日で太刀魚は終わりにする、あとは6月以降に再開する、との事だった。早速
 太刀魚狂のS君に知らせておいた。

  それにしても、いかに太刀魚に嵌っていても、1年に300本以上も釣って、後の
 始末はどうするのだろうと他人事ながら心配になる。「食べるだけ釣れば充分、
 それ以上釣るのは無駄な殺生、」を信条とする私とはどこかで一線を異にして
 いる親しい釣り仲間である。

  ともあれ、今年初めての釣りなので早速料理して孫達にアジの刺身と塩焼き、
 それにフライを作って差し入れをした。さてさて今年はどんな面白い話題がある
 だろうか。