春の運動会。 ![]() 小学校や中学校の運動会といったら秋に行われるものと思っていたら、どうも私の思い 違いだったらしい。意外なことに孫が今年入学した長柄小学校は例年6月初めの土曜日 と相場が決まっているとの事だった。梅雨時なのに天気が心配だがこの時期を選んだの にはきっと何か理由があるのだろう。 私の田舎町では確か学校の運動会は10月の文化の日、町民運動会が4月の天皇誕 生日だったように記憶しているが、60年以上も昔の事だからそれもあやふやで確かな自 信はない。ともあれ幸い好天気に恵まれたので家族そろって入学ほやほやの孫の運動 会に出掛けてきた。 娘が昼食の結びとおかずを用意してくれたが、前の日が手持無沙汰だったので、孫の 為に奮発して何種類かのおかずを作ることにした。娘は卵焼きと鶏のから揚げを作ると いうので、ダブルのは避け、ミートボール、牛肉とごぼうの炒めもの、人参とエノキにタラ コをまぶした炒め物、煮卵、インゲンの煮物の5種類を作って彩りよくお重に詰め込んで 持参した。家内もお結びと2品ほどおかずを用意した。 長柄小学校は山のてっぺんにあり急な階段が長く続いているので、孫は心筋梗塞が 心配だといってくれたが、用心しながらゆっくりと登って校庭に無事に着いた。 校庭が広い学校なので聞いたら、1組がほぼ25名で1学年が3組、全校でもせいぜ い400名強の生徒数だそうだ。なんでもひとクラスの生徒数は25名以内と決まってい て1名でも多くなるとクラス数が増える仕組みになっているらしい。 教師にとって理想的な生徒数は25名なのだそうだが、私が子供の時は1クラス50名 だったから当時とはまるで状況が違っている。因みに葉山町立の小学校は4つあり、町 の人口は3,2万人だから8千人に町立小学校ひとつということになる。多いのか少ない のかは判らない。 孫の出番はかけっこ、玉入れ、集団体操。孫は嬉々として級友たちと仲よくそつなく こなしていた。父兄席に陣取った父親や母親がわが子の出番になるとビデオを回した りカメラを構えたりしてあちこち走り回っていたが、これはどこにでもある風景だ。 傍らを見ると、孫を見に来たのか老人が日差しを避けて本読みをしていた。一方、 父親らしい男性が帽子を頭に乗せて心地よさそうに寝そべって昼寝をしていた。運動 会もいいがこちらのほうが微笑ましい。 6年生のリレー競走や騎馬戦はいつ見ても運動会の華だが、見ていると体つきはもう 立派な大人で、1年生の孫などとは雲泥の違いだ。応援合戦では6年生のリーダーの 指揮で孫達小さな子供が懸命に統制の取れた応援をしていた。さぞかし大分練習をし たのだろう。数年経てば孫もこんな一人前の上級生になると思うとうかうかは出来ない。 運動会の楽しみはお昼のお弁当と相場が決まっている。青空の下でシートを広げ親子 で車座になって手弁当を食べるのが子供にとっても親にとっても最も幸せな時間となる。 家族で歓談しながら手弁当を食べる事が出来る家庭は幸せだ。世間にはこんな小さな 幸せを味わうことが出来ない子供があちこちにいるに違いない。何気ない幸せが実はと てつもなく大事な選ばれた幸せだと感じることが大切だ。孫にとって今日の団欒はきっと いい思い出になるだろう。 沢山作ったお結びとおかずを家族6人ですべて平らげ、少々飽きが来たので2時過ぎ に1人で退散し、30分以上をかけてゆっくりと徒歩で帰宅した。 |