我が家の正月風景。      16,01,03

   いつもは老夫婦2人だけの静かな日々だが、週1回水曜日に娘が孫を連れてくる
  日だけは、孫達の屈託のない振る舞いにジジババも笑いを誘われてつい賑やかに
  なる。

   それが大晦日から元旦には9人も集まるから、さらに輪をかけててんやわんやの
  大騒ぎになる。暮れには正月に何を食べさせようかと思案して材料集めにひと苦労
  をし、正月料理をあれこれ取り揃えて食べさせても、あっという間に正月の3日が過
  ぎ、それぞれが自分の巣に帰っていく。

   元旦、お屠蘇を飲み、おせちと餅料理をたらふく食べ、この所恒例になっている百
  人一首で遊んだ。百人一首の遊び方は、「ちらし」と「源平合戦」があるが、普段、娘
  と孫が来た時の遊び方は「ちらし」である。バラバラに100枚の札をまき散らして、
  5人がその周りに輪になって座り、一番多く札をとった人が勝ちとなる。読み手は私
  が勤めている。

   過去の実績では、娘が一番、続いて家内、上の孫、下の孫と私が拮抗している。
  昨年暮れに娘と孫の意見を取り入れて、正月用のルールを決めた。「ちらし」と「源
  平」を組み合わせた我が家独自のルールである。

   まず4組を作った。実力が平均するように、「ジジ・ババ・長男組」、「長女夫婦組」、
  「孫2人組」、「次女夫婦組」の4組とした。下馬評では4組の実力は拮抗していて
  なかなか本命は判らないという絶妙な組み合わせになった。この4組がトーナメント
  方式で戦い勝ちあがって優勝が決まる。秘かな期待は「孫2人組」の活躍である。
  できれば優勝してもらいたい。

   さて勝負だが、籤で決めた組み合わせは、「娘夫婦組」(うさぎさんチーム)VS
  「ジジババ長男組」(かめさんチーム)、もう一組は、「次女夫婦組」(ねこさんチー
  ム)VS「孫2人組」(くまさんチーム)と決まった。

   第1回戦の結果は熱戦の末僅差で「かめさんチーム」と「くまさんチーム」が勝ち
  上がった。つまりジジ・ババは孫2人と決勝戦を戦うというジジにとっては理想的な
  展開になった。孫達よ年寄りに負けるな.。!

    

   一晩おいて翌2日に3位決定戦と優勝戦を戦った。最終成績は、優勝;ジジババ
  長男チーム、2位;孫2人チーム、3位;長女夫妻チーム、4位;次女夫妻チームと
  決まった。

   孫2人は秘密特訓して決勝に臨んだようだが、ババの非情な実力には抗すべく
  もなく、来年のリベンジを誓っていた。小学3年生と1年生だから大健闘だよと褒
  めてあげた。

   長女の連れ合いと次女の連れ合いは、どちらも来年までには必ず猛特訓する
  と息巻いていたが、私の経験では、歳をとると暗記力が衰えて、飛躍的向上は見
  込めないよ、と忠告しておいた。

   いずれにせよ第1回の記念すべき百人一首大会は笑いの中に盛会裏に終了
  した。来年はジジから商品をとの声もあったので検討したい。

   樽酒を飲み、おせちと餅料理を食べて、森戸神社に元旦詣でをして、三々五々
  解散した。


   

   長男はゆっくり羽を伸ばして寛ぎ、また明日からの神経を使う実験室の研究
  生活に戻っていく。京大山中教授のIPS細胞が脚光を浴びて、息子の研究グル
  ープのES細胞は後れを取っているやに見受けられるが、成果を出すために日
  夜実験にいそしんでいるようだ。健康にだけは留意して欲しいと願う。

   かくして我が家の正月は終わり、また平穏な老夫婦の生活に戻った。