入院・手術。 ![]() 5年前に心筋梗塞で緊急入院して、冠動脈の梗塞部位にステントを入れて 一命を取り留めた。以来毎年カテーテル検査をして病気の進展状況を調べ てきたが、最近よく心臓の裏側の背中が息苦しくなり、心筋梗塞の再発かと 怯えて急遽ニトロを服用して難を逃れる事が頻繁になってきた。 葉山ハートセンターは心臓治療では知られた病院で、腕のいい心臓医が 多いという評判だったが、沖縄徳洲会系列の病院なので、例の猪瀬東京都 知事選にまつわる献金疑惑から、最近では少し評判を落としている。 病気発症以来、横須賀共済病院で検査・治療を受けてきたが、地元の葉 山で家から車で5分という近場だし、緊急時に便利なので、今年からその葉 山ハートセンターでお世話になる事にした。 5月始めに検査入院し、その建物や設備の立派さ、医者や看護師の洗練 された対応の素晴らしさに驚いた。高級ホテルのロビーにいるような快適な 入院生活を送れた。4人部屋に仕切られたベッドスペースは広くゆったりとし ていて、大きなガラス窓からは葉山の海が一望に見渡せる。今まで経験した 一般的な病院の薄暗い病室からは想像もできない段違いの快適さだった。 名誉院長の肩書のあるU心臓医がカテーテル検査をしてくれたが、鮮やか な手術振りで、看護師が、「速くて正確な腕は、神の手ともっぱらの噂です。」 と教えてくれた通りだった。 診断結果は、「以前の心筋梗塞で心臓組織の3分の1が壊死している。 さらに1カ所、梗塞している部位があるので、早めにステントを入れたほうが 良い。もし再び心筋梗塞が起きたら、壊死している部位がさらに拡大して致 命的になる。」との事だった。 腰が痛いだの胃が痛いだのの症状は対処の方法もあるが、心筋梗塞は 普段は健康で普通の生活をしていても、突然胸が痛みだし、場合によって は即座に死に至るという厄介な持病だ。事が起きては一大事なので、医者 の言に従ってステント装着手術の実施に踏み切ることにした。5年ぶり、2度 目のステント装着手術である。 6月6日入院、7日手術、8日退院という何とも慌ただしい入退院劇だった。 梗塞している部位は冠動脈が枝分かれしている付け根だったので、ステント は2方向に血液が流れるような特異な構造のものと説明があった。 手術時間はおよそ50分、左手首から動脈の中をカテーテルが心臓の冠 動脈まで侵入し、梗塞している患部に1,5センチほどの樹脂製のステントを 装着すると終了する。血液がステントの管の中をスムースに流れるようにな る。そんな緻密な作業を、てきぱきとしたチームワークと練達した技術でよど みなく進めていく。現代医術は大したものだ。 これで当面、他の部位に新たな梗塞が見つからない限り心配はない。 ただし動脈硬化が進んでいるので、新しく梗塞部位が現れる危険性はある。 それを避けるには血糖値を下げる事、そのためには食事と軽い運動(歩くこ と)が大切だとご託宣があった。 塩分は1日6グラム(普通人の平均は9グラム)と云われたが、これはまず 守れまい。醤油のない納豆や醤油のない刺身など食えるものか! 6か月後の12月にステントがうまく機能しているかどうかをカテーテル検査 で調べるので、それまであまり無茶は出来ないが、、明日からはゴルフでも 釣りでも自由にやってよろしいとお墨付きを貰った。 はしゃぎ過ぎを警戒して医者の話に立ち会った家内と娘もしぶしぶ納得した。 これで大手をふるって遊びに行ける。立ち合わせた作戦がまんまと成功した。 常時持ち歩いているニトロも不要との事だった。 一抹の不安はあるが、手術を終えてやや明るい気持ちになった。 定めし、梅雨空に現れた一時の晴れ間、とでもいうのだろうか。聞きつけた 遊び仲間から早速来週の14日にゴルフの誘いがあり、1も2もなく快諾した。 釣り仲間も満を持して待っていることだろう。 |