家系図を辿る。      19,03,02

   「ミミズの戯言100」で、老化防止には「好奇心の持続」と「実行してみる」の2つが
  有効だろうと自説を述べたが、今は「iPad講習」と「祖母のルーツ探し」で毎日が充
  実している。

   加えて囲碁の「天狗会」、同好の友との「釣り」があり、ようやく暖かくなってきたの
  でゴルフも再開し始めた。それに「枕上の読書」が加わるので、「好奇心」と「実行」
  には事欠かない日々である。

   「iPad講習」はいずれ紹介するとして、今最も興奮して充実した日々を送っている
  のは「祖母のルーツ探し」である。我が家の家系図によれば、父方の祖母は明治
  28年に祖父に嫁いでいるが、戸籍謄本に届出人芋田誠造と書かれていること以外
  は祖母ナカのルーツは何一つわかっていない。

   何処で生まれどんな家族がいたのか一切不明なので、従って祖母の親戚との交
  流は皆無である。祖母ナカのルーツは謎のままなのが長年の心残りだった。

   私の父親は私が9歳の時に亡くなっていて父から祖母の話を聞いたことはないし、
  母もうろ覚えらしく断片的な事しか知らなかった。太平洋戦争直前の騒然とした世
  相とも無関係ではあるまい。

   それが、ようやく祖母の家系がわかりかけてきた。祖母が祖父に嫁いだ時の届
  け人の芋田誠造が祖母の兄と思しき人で,多分戸主であろうことと、住まいが現在
  の岩手県八幡平市であろうことに着目し、町役場の戸籍係のアドバイスも得て、
  藁をもつかむ思いで、戸主と思われる芋田誠造の戸籍謄本の請求をしてみた。

   申請書を提出するまでいくつかの難題があったが、数日後八幡平市役所戸籍係
  から有力な手掛かりがあり、ついに祖母の結婚前の戸籍謄本が見つかったと連絡
  があった。係の女性は実に親切だった。

   謄本が到着し、明治時代の婚姻関係を克明に記した謄本を開いたときのときめき
  と感動はたとえようもなかった。遂に祖母の両親、兄弟姉妹、係累を目の当たりに
  することができた。

   謎だった祖母の家系がわかって、ジグソーパズルの最後のピースがようやく埋ま
  った。謄本をつぶさに読み解き、次にやるべきことが自然に浮かび上がった。

   ①祖母出生の地にこの足で立つことと、②祖母の兄誠造の子孫と対面すること、
  つまり老化防止のための「好奇心の持続」は終わって、次の「実行してみる・・現地
  に行ってみる」の段階を迎えている事に思い当たった。

   しかし私は高齢でもあり、八幡平は遠隔地でもあるので訪れる気力はない。幸い
  私の弟妹が祖母の出生地に行きたいというので、この2つの望みは彼らにバトン
  タッチしたいと考えている。

   まるでNHKのファミリーヒストリーのように、暗中模索から始まり、試行錯誤を繰り
  返し、落胆と興奮と感動のルーツ探しだった。

   昨日、電話局で調べて誠造の孫の芋田博氏の住所がわかり、初めて電話をし
  て初名乗りを上げ、しばらく歓談した。彼の祖父と私の祖母は兄妹で、彼は私の
  1歳年下である。物静かな語り口の人だった。

   まさに縁は異なもの味なもの、長生きしていると、劇的なことに遭遇する。
  それにつけても、ルーツ探しに協力してくれた十和田市に住む祖母と同姓の芋田
  さん、相談に乗りアドバイスをしてくれた葉山町の戸籍係の親切な女性、100年
  以上も昔の戸籍を記した謄本を探してくれた八幡平市役所の戸籍係の親切な女
  性、こうした人々の協力なしでは達成できなかった「祖母のルーツ探し」だった。