待望のサンマ。   19,10,27

   首を長くして待っていた水揚げ直後の新サンマがようやく気仙沼港から今朝我が
  家に届いた。昨年は9月16日の到着だったので、今年は1か月以上も遅れたことに
  なる。

   今年は例年以上にサンマ漁は不漁で、宮古や気仙沼に水揚げされる新サンマは、
  獲れても小型ばかりで、とても売り物になるようなサンマはいなかったという。

   漁業関係者によると、以前は沿岸海域に豊富な漁場があって「日帰り」できたが、
  近年はロシアが主張する排他的経済水域(EEZ)の外側にある1200㌔も離れた公
  海まで遠征しなければならず、漁場まで片道で2昼夜かかり、3~4日操業しても多
  い船で20トン、少ない船は数トンにとどまる、とため息をついていたらしい。

   温暖化の影響か、中国や台湾などの乱獲の影響か、サンマの生態が変わって
  資源が減少たためだろうか。

   例年だと根室の花咲港だけで連日1000トン前後が水揚げされる時期だが、最近
  ようやく800トン入荷したと久し振りの朗報が報じられた。量と価格が安定して新鮮
  な生サンマが庶民の食卓に上るのも近い。

   スーパーに並ぶサンマは冷凍サンマが多く、ようやく生サンマと銘打って店頭に
  並び始めたが、よく見ると痩せていて姿がみすぼらしいものが多い。だいいちいつ
  水揚げされたものか知れたものではない。

   アニサキス(線虫)が心配で刺身にするのはいやだし、塩焼きにするにも、用心
  のために頭と内臓を落とさなければならないから、スーパーのサンマでは本来の
  醍醐味に欠け、いささか不満である。

   我が家に到着したサンマは、一昨日水揚げされた直後のサンマだけあって新鮮
  さは一目瞭然、澄んだ眼の光といい、くちばしの先の黄色みと言い、背中が丸々
  と太っていて肌艶がピカピカしている。体長30センチ以上もあり、でっぷりとして
  見るからに美味しそう。ワタも安心して食べられるから、これぞ期待通りの新サン
  マだった。

   食いしん坊の私は、たまらず早速1匹を塩焼きにて試し食いをした。脂がのって
  いて何ともうまかった。

  
         
   

   今年は美味しいサンマに巡り合えることはないだろうと半ばあきらめていたので、
  殊の外うれしかった。

   明日から当分の間はサンマずくしだろう。スダチと大根おろしを添えた塩焼きは
  定番だし、刺身にはすりおろしたたっぷりの生姜が似合う。、つみれ汁も蒲焼も美
  味しい。あれこれ考えて家族に食べさせたい。家内は頭とワタを取らないと食べな
  いが、孫達は食べてくれる筈だ。

   今は氷水詰めにしてあるが、2~3日もたったら用心のため頭と内臓を落として
  1匹ずつラップに包んで冷凍せよとの注意書きがあった。だからお頭、内臓付きの
  塩焼きは早目に食べなければならない。名残惜しいがその後は頭のない冷凍物
  になってしまう。

   月並みな話だが、つまりは旨いサンマは早い者勝ち、という事になる。