我が家のお盆。   19,08,19

   とにかく暑い。昼も夜もエアコンを利かせて部屋に閉じこもり、パソコンとテレビの前で
  退屈な日々を過ごしているが、時々外出をすると、猛烈な暑さで目と頭がくらくらする。

   近年の夏の暑さは異常というほかない。それでも我が葉山は夏冬の過ごし良さだけ
  は日本一だと自負しているが、先日新潟や北陸ではなんと40度を記録したそうな。

   目を世界に転じると、CNNの報道によれば、 欧州全土が猛烈な熱波に覆われていて、
  これまでに少なくとも12カ国で観測史上最高の猛暑を記録しているという。

   フランスでは45.9度を観測し、ドイツが42.6度、オランダは40.7度、ベルギーは
  40.6度で、オランダ、ドイツ、ベルギーの3カ国で7月は観測史上最高気温に達した。

   どうも日本はおろか、世界中が人間の住む環境ではなくなりそうなこの暑さである。

   巨大な氷の塊の北極域では、地球平均の2倍以上の速さで温暖化が進んでおり、
  過去35年間で夏季の海氷面積が3分の2に減少するなど、北極は地球温暖化の影響
  が最も顕著に表れている地域とのことだ。

   このまま温暖化が進行すれば、早ければ2030年頃には北極の海氷が消失するとも
  予測されている。その影響は計り知れない。何とも物騒な話だが決して架空の話では
  ない。叶う事なら、地球温暖化を軽視するトランプ大統領の横っ面を張り飛ばしてやり
  たくもなる。

   こんな暑い夏を乗り切るエネルギー源として、平賀源内は「土用丑の日」を提唱して
  思惑通り暇なうなぎ屋を繁盛させた。本来ウナギの旬は秋から冬のはずだが、源内
  のたくらみに乗って、うな重の香ばしい香りをかぐと、間違いなく食欲が増してくる。

   今年の土用丑の日は7月27日(土)だったが、我が家の「丑の日」は半月遅れが毎年
  の恒例となっている。

   東京にいる息子がお盆に帰宅して、墓参の帰りに家族で鎌倉の「茅木屋」でウナギ
  を食べるのが習慣になっているからである。「墓参りと鰻と高校野球のテレビ観戦、」
  この3つが重なるのが我が家のお盆の過ごし方である。

   気温もうなぎのぼりだが、うな重の値段もうなぎのぼりで、うな重の上が4千円もする
  と、なかなか家族で一家団欒とは行きにくい。ウナギの稚魚のシラスは今年も不漁ら
  しい。高値はまだまだ続きそうだ。

   マグロ、サンマ、ウナギ、と日本人の好む和の食材は年々枯渇していて、遠からず
  3つとも高嶺の花になるのだろうか。

   冒頭の「丑の日」だが、ウナギ以外には「う」のつく食べ物がよいといわれているそう
  な。例えば、うどん・ウリ・梅干し・ウサギ・馬肉(ウマ)・牛肉(ウシ)などである。

   どうも貧乏くさい話になるが、飛び切りしょっぱい梅干しでも舐めて夏を乗り切るのも
  年寄り向きの酷暑のしのぎ方かもしれない。何となく落語のオチのようだが・・・。

   そう思いつつも、今年も「茅木屋」で息子を囲んで香ばしいうな重を堪能した。