お盆。  17,08,20

   あっという間に今年もお盆が過ぎ、足早に秋の気配が漂い始めてきた。
  毎年お盆には東京の息子と娘が帰宅して、一族9人で墓参りをして夕食を食べる
  のが恒例の行事だが、今年は皆何かと用事があって、お盆の集まりは延期にな
  っていた。

   それで今年は全員集まるのではなく、行ける家族がバラバラに墓参りをしようと
  いう事になり、家内と二人で13日に両家の墓参りを済ませておいた。

   今年のお盆は13日から16日までだが、遅れて19日の土曜日に東京から長男と
  次女がやってきた。長女家族4人と末娘の連れ合いが所用のため、久しぶりの
  親子4人だけの顔合わせだった。

   いつもの通りの手作りの家庭料理の夕食を食べ、翌日北鎌倉に墓参りに行っ
  た。お盆が過ぎたので寺には人が少なく、供えてあるお墓の花も萎れ始めていた。

   我々の墓参りは、光照寺という静かなお寺と、鎌倉五山第一位の建長寺という
  格式ある寺の対照的なふたつのお寺を詣でるのだが、どちらも甲乙つけがたい
  雰囲気を持っている。墓石を丹念に洗って水をやり、花を添えて線香をくゆらすと、
  今年も無事にお盆を過ごせたという澄み切った気持になる。

   昼食は決まって鎌倉の老舗鰻屋の茅木屋のうな重である。息子も娘もこの茅
  木屋のうな重が大好物である。甘さを抑えた上品な味で、肝和えと板わさでビー
  ルと日本酒を飲むのも息子、娘の例年通りである。

   うな重の「上」と「並」の違いは鰻の厚みと大きさだけなので、息子はうな重の
  上を、我々夫婦と娘は並を注文した。見栄を張る必要などない。この歳になると
  もう並で充分である。

   今年は鰻の稚魚(シラス)が豊漁だというが、うな重が安くなったのだろうか。
  去年の値段は忘れてしまった。来年もまた来ようねと云って2人は鎌倉駅から
  東京に帰って行った。

   うなぎを食べ損ねた長女親子にねだられて、後日観音崎ホテルのランチバイ
  キングに連れて行った。この日はカレー主体のバイキングで色んなカレー料理
  が食べられた。孫達に人気はラザニアで、何回もお代わりをしていた。お目当
  てのフルーツやバニラ、メロンのアイスクリームのお代わりは勿論のことである。

   ホテルサイドの東京湾は夏の日差しを受けて眩しい程に光り輝いていた。